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. チャラい奴には敵わない 34
~Yside~
「なんとか無事に終わったな」
「ああ、本当に、客がひけてホッとしたよ」
「なあユノ、片付けは俺がやっとくから帰っていいぞ?お前寝てないんだろ?」
そう言って俺の肩をポンポンと叩くドンヘ、ああ、こいつには本当に頭が上がらない、な
開店前の準備で寝てなかったのは事実だけど、誰にもバレていないと思っていたのに
しっかり知られていたとは……
「ドンヘ、ありがとな」
「なんだよ水臭い!!ほら、バンビちゃんもすっかり酔っちまってるし連れてかえってやれよ」
「ああ(笑)」
外で頭を冷やしていたチャンドラは、店に戻ってからは開き直ったのか酒のペースがどんどん早くなって
ま、当たり前に酔って眠っちまってる
キュヒョンはヒョヨンの色気に当てられたのかすっかり上の空だし
二人まとめてタクシーで送ってやらないと
ソファの隅で丸くなる細い体、そっと髪を撫でると擽ったそうにするから堪らなくなる
帰ったら起きてくれたらいいんだが(笑)
だって二人の時間はこれからだから
「チャンドラ、起きて、帰るよ」
「………ん」
まだ眠たそうに目を擦るチャンドラの手を引いて、抱えるようにしてタクシーに乗り込む俺だったんだ
. そばにいて、愛しい人 30
~Yside~
「ぼ、僕は……その、男だし、可愛くもないけど」
「………え?」
「チョンさんのことずっと好きだって思うし!!ずっと側に居たいって思うし!!///」
「チャンミン」
「だ、だからっ……そんな悲しい顔させたくないからっ///」
思わず泣いてしまいそうになる自分を慌てて咳払いで誤魔化した
こんなにも愛に飢えていたんだと思い知らされる
だって、まさかそんな事を言ってくれるなんて……
同じ気持ちだとは思っていたけど、ある程度覚悟をしての告白だったし
黙ってしまった俺を不安げに見上げるバンビアイ、ああ、この気持ちをどう伝えればいいんだろう
「チャンミンありがとう」
「………チョンさん?///」
「そろそろ名前で呼んでくれないか?もう恋人なんだし、ね?」
「あ!!えっと///」
「うん?」
「ユ、ユノ……さん?///」
「ふふ、はい」
見つめ合う俺達は微笑み合って、誓い合うようにそっと触れるだけのキスをしたんだ
. チャラい奴には敵わない 33
~Cside~
「チャンドラ~誘ってんの?」
「なっ!!今じゃない!!///」
「え~いいじゃんキスの一つくらい」
「バカ!!離せって!!///」
いきなり抱きしめられたと思ったら隙をついてキスをしてくるとか
本当にユノらしいっていうか……
なんだかこういうの安心する、な///
やたらと挑戦的なヒョヨンって人にユノとラブラブだ、なんて言い切ったものの
……そこまで自信があるわけじゃない
でも、僕がユノを好きな気持ちは絶対に負けない!!
そりゃユノに嫌われちゃったらわかんないけど……
店の入り口まで繋いでいた手を慌てて振り解くと、キョトンと振り返るアーモンドアイ
ああ、だからその目に弱いんだって!!///
「チャンドラ?なんで手離すの?」
「だ、だって誰かに見られたら!!///」
「ん?紹介するよ、俺の恋人だって」
「…….だ、だめ///」
「なんで?」
「………は、恥ずかしい、から///」
「チャンドラ~♡」
店の入り口でぎゅうぎゅうと抱き着いてくるユノを押し返しながら、小さく溜息をつく僕だったんだ
. そばにいて、愛しい人 29
~Cside~
僕の手を握りながら、ポツリポツリと昔の事を話してくれるチョンさんはとても寂しそうに見えて
ああ、本当に辛い思いをしたんだって
傷ついてしまったんだって……
いつだって真面目なチョンさんだから、きっとその……元奥さんの事も心から愛していた筈
そりゃ少しは複雑な気持ちにはなった
でも………僕が好きなのは今のチョンさんなわけだし、過去のことは過去のこと!!
ひとしきり話して黙ってしまったチョンさんの手をぎゅっと握り返す
そんな顔しないで
あなたにはずっと笑顔でいて欲しい
「ぼ、僕は……その、男だし、可愛くもないけど」
「………え?」
「チョンさんのことずっと好きだって思うし!!ずっと側に居たいって思うし!!///」
「チャンミン」
「だ、だからっ……そんな悲しい顔させたくないからっ///」
溢れそうになる涙を堪えて俯いてしまう僕、ああ、僕ってこんなに泣き虫だったっけ……
「チャンミン、ありがとう」
そう言ってフッと笑ったあなたの目尻に、透明な雫が光っていたのは気のせいじゃないと思うんだ
. チャラい奴には敵わない 32
~Yside~
「チャンドラ!!」
「あ、ユノ///」
「こら、一人でこんなとこいちゃダメだろ?」
「………ちょっと頭冷やしたくて」
そう言って俯いてしまったチャンドラ、なんだろう、元気が無いような……
やっぱりヒョヨンに何か言われた、か?
テラスで佇むその姿はまるでモデルのように綺麗で見惚れてしまうのに
そんな寂しげな表情まで加わったら無敵っていうか、つい抱き締めたくなっちまうっていうか
そっと伸ばした手はぎゅっと握り返されて、思いもよらない行動にこっちが戸惑ってしまう
だっていつものチャンドラなら『誰かに見られたらどうするんだ!!』とかなんとか言って手を振りほどいてくるのに
「………ね、ユノ」
「うん?」
「早く帰ろう」
「えっ?///」
「………は、早く二人きりになりたい///」
あまりの突然のセリフにフリーズしちまう俺!!
なんだって!!
あのチャンドラから二人きりになりたいだとか!!
「チャンドラ~誘ってんの?」
「なっ!!今じゃない!!///」
「え~いいじゃんキスの一つくらい」
「バカ!!離せって!!///」
腕の中で真っ赤になって暴れるチャンドラを抱き締めて、その尖った唇にそっとキスをしてやったんだ
. そばにいて、愛しい人 28
~Yside~
「家に帰って話そうか」
「……はい///」
俺の突然の告白に泣き出してしまった君、暫く離れられなくて抱き合っていたけど
流石にこのままずっとここにいるわけにもいかない、な
手を繋いで歩き出せば半歩下がって歩く君が愛おしい
だってね、本当に受け入れてくれるとは思っていなかったから
帰り道は時々顔を見合わせて微笑み合って、繋いだ手は緩めることもなく
ただ、幸せで………
家に帰ると温かいコーヒーを入れて、リビングのソファに並んで座った
ポツリポツリと話す俺を真剣に見つめるバンビアイ
ああ、心臓が飛び出してしまいそうだよ
「彼女と出会ったのは大学に入ってからだったんだ、男に負けない強気な女性でね、とても魅力的な人だった」
「………」
「自分にはないものを持つ彼女にとても憧れたよ、そして一緒に居たいと思った、でも、彼女は違ったんだ、結婚して一年も経たないうちに恋人を作って外国へと行ってしまった」
「………え?」
「……その恋人も俺の友達だったんだ」
「……チョンさん」
「だからね、こんな情けない男だけど……」
「チ、チョンさんは情けなくなんかないです!!」
「……チャンミン」
「僕、よくわからないけどでも!!チョンさんはとっても素敵な人で、優しすぎるくらい優しくて!!///」
瞳を潤ませて必死で訴える君が愛おしくて、膝の上で震える手をぎゅっと握りしめたんだ
. チャラい奴には敵わない 31
~Cside~
「チャンミンさんは可愛いわね」
「はっ!?」
「ユノが夢中になるわけね、ふふ」
ドヤ顔でマウント取ってくる彼女に溜息しか出てこない
………この状況っていったい?
あんたがユノの何だって言うんだよ!!!!
睨み合う僕と彼女の間には火花が散っていたと思う、でもふと気がついた
過去はどうあれ今ユノと付き合ってるのは僕なわけだし
ああ見えてユノは浮気とかはしないタイプだと思う
そりゃ見かけはチャラいけどその実誠実で真っ直ぐだし、愛されている自信だってある!!
悪いけど誰も入る隙なんてないと思う
例えそれが元カノだったとしても!!
「……ヒョヨンさんはユノの元カノですか?」
「さあ、どうかしら」
「言いたくないなら別にいいです、でも」
「……でも?」
「今付き合ってるのは僕なんで」
「……え?」
「僕らラブラブなんで何の問題もないです!!」
そう言い切った僕に目を丸くした彼女は、口元を押さえて遂には声を出して笑い出してしまったんだ
. そばにいて、愛しい人 27
~Cside~
『チャンミン好きだ、俺の恋人になってくれませんか?』
突然のチョンさんの言葉に頭の整理がつかない
ちょっと待って、今なんて………?
………僕の事を好き?
こ、恋人って!!///
優しく見つめる黒目がちな瞳から慌てて目を逸らす、とてもじゃないけど目を合わせてなんていられない!!
心臓がバクバクとして口から飛び出てしまいそう
長い沈黙に耐えきれずチラリと顔を見上げると、不安そうに僕を見つめるアーモンドアイ
あ……!!ダメ!!
ちゃんと返事しなきゃ!!
「ぼ、僕、僕も!!チョンさんのことが」
「………チャンミン!!」
名前を呼ばれたと同時に息もできないほど抱き締められてフリーズする僕
あまりの展開に頭がついていかない!!
どうしよう、女の子みたいに泣いてしまいそう
「………ふっ、く」
「チャンミン?」
「ご、ごめんなさ……ふっ……うっ」
「何で泣くの?ん?」
「……う、嬉しくて……ふっ」
「!!好きだよチャンミン」
「……はい///」
僕を見つめるチョンさんの瞳があまりにも優しくて、涙が止まらなくなってしまった僕だったんだ
. チャラい奴には敵わない 30
~Yside~
「チャンドラお待たせ、って、アレ?」
奥の席にいると思ったチャンドラの姿が忽然と消えて、そこにはヒョヨンと話すキュヒョンの姿
つか、ヒョヨンの奴こんなところに………?
さっきまでここにいたと思ったのに、いったいどこへ行っちまったんだ?
キョロキョロと辺りを見回すけど見当たらないし、ヒョヨンはなぜかクスクスと肩を揺らしているし
「キュヒョン、チャンドラはどうした?」
「あ、それが……」
「ん?何かあった?」
「それが、ちょっと飲み過ぎたから外に行くって」
「は?外に?」
「いやだ、私何も言ってないわよ」
「ヒョヨン!!」
からかうような彼女の言葉についデカイ声を上げてしまう俺
いけないいけない、周りの招待客達も驚いてこっちを見てるじゃないか
全く俺ときたらチャンドラの事になると……
「ふふ、随分とお熱いこと」
「………」
「早く追いかけたら?でなきゃ私が行っちゃうわよ」
「……ッ!!」
グラスを傾けてニヤリと笑うヒョヨンに舌打ちをする
ったく!!余計な事をしてくれる!!
「ユ、ユノさん!!」
「キュヒョン悪いな、もう少しその女王様の相手してやってくれ」
「えっ!?///」
「あら嬉しいわ、キュヒョンさん宜しくね?」
クィーンに見つめられてフリーズするキュヒョンを横目に見ながら、チャンミンの元へと急ぐ俺だったんだ
. そばにいて、愛しい人 26
~Yside~
『チャンミン好きだ、俺の恋人になってくれませんか?』
本当ならデートでもして雰囲気のある場所で言いたかったけど
もう自分の気持ちを抑えることができなかった……
だってね、一緒にいることがこんなにも幸せだなんて
溢れるような笑顔
片目だけ細くなるその仕草
くるくると変わる表情
長い睫毛を揺らして俺を見つめるバンビアイ
言ってしまったからには後には引けない、誰もいない川沿いの道、黙ってしまった君の返事をただじっと待つことしかできない
ああ、このまま抱き締めてしまえたら……!!
「チョンさん、あの……///」
「返事は今日じゃなくていいよ」
「い、いえ!!あの///」
「うん?」
「ぼ、僕!!男の人を好きになったことなんてなくて、でもその……チョンさんのことは///」
バクバクと音を立てる心臓がやけに煩くて眩暈がしそうだよ
君の答えが怖くて逃げ出したい気持ちでいっぱいになる
期待した俺がバカだった?
同じ気持ちだと思ったのは気のせいだったのか……
下唇をキュッと噛んで意を決したかのように見あげる瞳は少し潤んでいて
「ぼ、僕、僕も!!チョンさんのことが」
「………チャンミン!!」
堪らず抱き寄せた君の体があまりにも儚くて、二度と離れないよう腕の中に閉じ込めたんだ