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. 恋しいのは君の手 21
~Cside~
「どうぞ座って?」
「ああ、うん///」
「な、なんか飲む?コーラとかあった気が……」
「チャンミン」
エレベーターで別れてから10分程だろうか、まだシャワーも浴びてないのにユノが訪ねて来ちゃって
ほら、まだ髪も乾かさないまま……
あっという間に腕の中に閉じ込められて、サラサラの前髪が僕の首筋を掠める
ポタリと落ちた滴に驚いて振り返ると、そのまま落ちてくるキスにもう逃げることもできない
最初は啄むように何度も重なり合う唇
息苦しさで開いた隙間から差し込まれる舌に体の奥がジンと熱くなる
ああ、蕩けてしまいそう………
「………ん、ユノ……待って///」
「やだ、やっと触れたのに」
「ま、まだシャワーもして……な……ん///」
「ん、シャワーしたら触ってもいい?」
「!!!!///」
「もう俺、限界」
そう言って離れた唇が名残惜しくて、じっと見つめたら鼻をキュッと摘まれた!!
「イタッ」
「ふふ、早く浴びてきて?」
ニヤリと笑った意地悪なアーモンドの瞳に、悔しいけど結局は絆されてしまう僕だったんだ
. 恋しいのは君の手 20
~Yside~
「チャンミンの部屋何階?」
「あ、えっと、11階だったと思う」
「俺12階なんだ、後でそっち行ってもいい?」
「あ、うん///」
マネージャーにわからないようにこっそりと耳打ちをすると、途端に耳まで真っ赤に染まるから可愛くて仕方ない
スタジオでチャンミンの姿を見たときは幻かと思った
だって逢いたくて仕方がなかったから!!
飯を食い終わってマネージャーに別れを告げると、速攻で部屋に帰ってシャワーを浴びた
早く早く
流行る心を抑えてスウェットに着替えると、スマホだけ持って転がるように部屋を出る
笑っちゃうくらい焦ってる自分に苦笑いだ
チャンミンの部屋の前に立つとスウと息を吸い込んで深呼吸をする
なんだよ、なんで今更緊張してんだよ
「チャンミン、来たよ」
「い、いらっしゃい///」
「お、お邪魔します」
ぎこちなく挨拶を交わして部屋に入る俺、待てよ、慌てるなチョン・ユンホ!!
「どうぞ座って?」
「ああ、うん///」
「な、なんか飲む?コーラとかあった気が……」
「チャンミン」
落ち着かない様子でウロウロとするあなたの腕を掴んで、あっという間に腕の中に閉じ込めたんだ
. 恋しいのは君の手 19
~Cside~
「来てくれてありがとう」
「……うん///」
そう言ってユノは照れ臭そうに笑った
いつもとは違う寂しげな表情に胸がキュッと苦しくなる
本当は抱き締めてあげたいけど流石にここではちょっと、ね……
気を取り直して色々と話を聞いてみると、あそこが痛いだのここがおかしいだの言い始めちゃって
仕方がないからマッサージベッドに寝かせて、ユノの気の済むまで体を解してやったら
『やっぱりチャンミンじゃなきゃダメだ!!』
なんて熱く語られちゃって(笑)
でも、呆れながらも満更でもない自分がいて……
それから僕らは同じホテルに帰って食事を摂った
幸にして個室の焼肉屋が近くにあったから、マネージャーも一緒に美味しい和牛を頬張った
やたらと幸せそうに笑うユノの笑顔が眩しくてとても見ていられないほど
ああ、やっぱり好き………
そんな事を思いながら見つめあっちゃって、マネージャーさんにも突っ込まれる程で
テーブルの下でこっそり絡めた指に、心臓が飛び出してしまいそうになる僕だったんだ
. 恋しいのは君の手 18
~Yside~
「……すげ、本物だ」
「ふふ、何それ?」
「会いたかった、ほんとに」
「………///」
突然現れた愛しい人を前にしてロクに言葉も出てこない
まったく、マネージャーのやつ、とんだサプライズだよ……
暫くは腕の中でじっとしていたチャンミンもあんまり俺が動かないからモゾモゾとし始めた
やんわりと胸を押して離れようとするから、俯いた顔を下から覗き込んでやる
と、慌てて飛び退くから弾みで二人ともひっくり返ってしまった!!
「ちょ、チャンミン!!」
「だ、だって!!近いって!!」
「ちぇっ、せっかくキスしようと思ったのに」
「なっ!!なーーー!!!!///」
顔を真っ赤にして後ずさるチャンミンが可笑しくて仕方ない
そんなに逃げなくても流石にここじゃキスしないっての!!
「ユ、ユノ!!///」
「わかってるって」
「も、もう///」
「チャンミン、その、さ」
「え?///」
「来てくれてありがとう」
「……うん///」
お互いに床に座り込んだまま見つめあって、どんな状況だよ、なんてツッコミを入れたくなるけど
こんなドタバタな再会も俺達らしくていい、とか思っちまう俺なんだ
. 恋しいのは君の手 17
~Cside~
「し、失礼します、あの、ユノ?///」
「………え!?///」
スタッフに案内されてスタジオに入ると、床に座り込むユノの姿が目に入る
僕の顔を見るなり茫然としちゃって、なんだよ、自分で呼んでおいてそんな顔はないんじゃない?
せっかくここまで来たのに……
飛行機を降りて速攻向かったのはユノのいる事務所兼スタジオ
俺もついて行こうか、なんて言ってたシウォンさんは結局は来れなくなって、実はちょっぴり安心したんだよね
だってシウォンさんがいたらユノとゆっくり話せないし、二人の時間だって……
「チャンミン!!なんでここに!?」
「……ユノに呼ばれて来たのに、違うの?」
「えっ!?あ!!もしかしてマネージャー?」
「要らないなら帰るけど///」
「いるいる!!いるに決まってる!!」
「ちょ!!ユノ///」
グイと腕を引かれて床に座らされると、正面から見つめられて思わず視線を逸らした
そ、そんなに見つめないで欲しいのに///
「……すげ、本物だ」
「ふふ、何それ?」
「会いたかった、ほんとに」
「………///」
そう言って僕の肩に顔を埋めるユノがあまりにも切なげで、胸の奥がキュッと苦しくなる僕だったんだ