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. 恋人の条件 3
~Cside~
「……え?ドラマ?」
「うん、決まるかもしんないって言われた」
「…そう、なんだ////」
新曲の打ち合わせを終えて帰ってきたユノ、帰って来るなり抱きつかれてキスをされて
怒る僕から逃げるようにシャワーを浴びて、濡れた髪もそのままにアイスを食べ始めるとか(笑)
……まるで嵐みたいだよ////
『アジアのカリスマ誕生か!?』
なんて芸能記事に書かれていたのに、家に帰ると途端に子供みたいになっちゃって
……まあ、僕の前だけならいいけど/////
それにしても………今でもこんなにハードなのにドラマとか、無茶し過ぎじゃないだろうか
事務所も少しは考えてくれたらいいのに……
「チャミ!!」
「わっ!!////」
「何考えてるの?早くベッド行こう?」
「……えっ?ちょっ……わっ!!////」
ユノは僕を軽々と抱き上げると、凄い速さでベッドへと連れていかれて甘い唇が落ちて来る
蕩けるような口づけに何も考えられなくなってしまう僕に悪戯っぽく笑う君
「ふふ、苺味でしょ?」
「……バカ////」
「もっとしていい?」
「も、もうしてるじゃん!!////……んっ…////」
睨みつける僕に容赦なく落とされる甘い唇、アーモンドの瞳に見つめられてそのままベッドへと沈められてしまったんだ
. 恋人の条件 2
~Yside~
「……でさ、撮影なんだけど思い切って、って、ユノ聞いてる?」
「あ……すいません」
「仕事中にぼんやりするなんて珍しいな、ちょっと休憩するか」
パクさんは俺の頭をポンポンと撫でると飲み物を取りに行ってくれた
疲れてるわけじゃない、それなりに仕事が来るようになって、売り込みの為に沢山のイベントや番組に出演して
ミニアルバムも好評で、新曲の準備もしてるとこなのに
浮かないのはチャミがつれないせい、かな////
せっかく恋人になったのに甘い時間なんて全然持てなくて、それでも毎日のキスやハグ、好きって伝えてはいるけど
やっぱり一線引かれてるっていうか…
「なんだ、浮かない顔だな」
「……すいません」
「つれない恋人のせい、ってとこか?(笑)」
「パ、パクさん!!////」
「お前はここぞって時は優しいからな、時には強引さも必要なんだぞ?」
「…………こんなに近くにいるのに、遠くに感じちゃって////」
パクさんはコーヒーのカップを持ったままじっと俺を見つめると、ふっと笑った
「………お前の恋人はそんだけお前のことを考えくれてるってことだ、幸せもんだなお前は」
呆れたように溜息をついたパクさんは、今度は俺の髪をぐしゃぐしゃと撫でてにっこりと笑ったんだ
. 恋人の条件 1
~Cside~
『はいOKでーす』
グラビア撮影の合間を縫って雑誌の取材を受けるUKことユノ、もうデビューして半年
ミニアルバムの売り上げも好評だし、あのルックスにあのスタイル、しかもあの人懐っこさだからスタッフにも好かれていてあちこちから引っ張りだこなんだよね////
少しだけ困るのは相変わらずのストレートな愛情表現っていうか……/////
そ、そんな愛おしそうに僕を見つめるのは正直やめてほしい
「チャミ!!終わった!!」
「ん、お疲れ様、衣装脱いで?これからスタジオ行かなきゃなんでしょ?」
「うん、新曲の打ち合わせ、チャミも来るでしょう?」
「行きたいけど事務所に行かなきゃいけないから、また終わったら連絡するよ」
「うん!!アイス買っといて?苺のやつ!!」
「はいはい(笑)」
「ん、チャミ好き!!」
「!!!!////ユ、ユノ!!」
ジャケットを脱いでた筈なのに、一瞬の隙にぎゅっと抱きしめられて、こんなのダメだって思うのに胸がドキドキと高鳴ってしまう////
恋人になって数ヶ月、目の回るような忙しさに二人の時間はあまり持ててはいない……////
毎日好きって言ってくれるユノに幸せを感じずにはいられないのに
着々と芸能人としてアーティストとして認められていくユノに、やっぱり僕は邪魔になってしまうんじゃないかって
そんなことばかり考えてしまう僕なんだ……
. あなたの匂いに包まれて ~恋人未満~ 14
~Cside~
こうしてユノの苦手だったバラードのレコーディングは終わったわけだけど
レコーディングルームから出てきたユノは満面の笑みを浮かべていて、僕はなんだか胸がいっぱいになってしまった
「チャミ泣いてる?」
心配そうに僕の顔を覗き込むアーモンドアイはどこまでも澄んでいて、愛しさが溢れてしまいそうで
「休みだったのにお疲れ様、さ、送ってくよ」
「パクさん、社長に……」
「ユノ、その話はまた今度だ、今日は帰って休め」
「パクさん、ありがとうございます!!」
突然大声で頭を下げるユノに周りのスタッフも驚いていたけど、とりあえず僕らはスタジオを後にした
車の中では終始無言で、それでも手だけは握り合ってお互い別の方向を眺めていた
家に着いてもやっぱり離れられなくて、ぴったりとくっつくユノはまるで猫のようで
「チャミ、恋人になってくれる?」
まだ不安そうに僕の顔を覗き込むから、僕はユノをふわりと抱きしめる
「……うん、でもバレないようにしなきゃ……わっ!!/////」
「チャミ!!チャミッ!!ありがとっ!!」
「ちょっ……!!ユノ!?/////」
ユノは僕を軽々縦抱きにすると、真っ直ぐにベッドルームへと向かった
……まって、まさか!?/////
ボスンと乱暴にベッドへと寝かせられると、真っ直ぐに僕を見下ろすアーモンドアイ
「チャミ、抱いていい?」
「……ダ、ダメ/////」
「なんで?恋人になったのに!!」
「…た、たった今じゃないか!!/////」
「ん、だから抱きたい」
「……んっ……ユノッ、明日仕事!!/////」
容赦無く落ちてくる唇をどうにか離そうとするのに、凄い力で押さえ込まれてどうにも剥がすことができない
僕はどうにかユノのほっぺを両手で掴むと、思いっきり横に引き伸ばしてやったんだ
「……チャミ痛い」
「待てって言ってるだろ!!/////ユノのバカ!!」
「だって/////」
「……こ、今度の休みまで待って/////」
「チャミ」
「そ、それまでに準備しておくから/////」
僕の言葉にキョトンと目を丸くするユノは見る見る真っ赤になって、返事の代わりに『にゃあ』と一声鳴いたんだ
. あなたの匂いに包まれて ~恋人未満~ 13
~Yside~
……まったく、突然歌ってこいなんて無茶なこと言い出す社長だよ
今日はオフモード全開だったし、そんなつもりもなかったからすげえラフな格好だし
あまりの急なことにレコーディングのスタッフさんも驚いてたけど、確かに今なら歌えるかもしれない
ヘッドホンを片耳に当てて音を確認していると、スタジオのガラス越しに小さくノックをする見慣れたシルエット
……チャミ?なんで……?/////
誰の仕業か知んないけど、すげえ気の利かせようじゃないか(笑)
『……はい、ユノ君いきまーす』
スタッフの声とともにピリッと空気が張り詰める、イントロが流れて俺は静かに歌い始めた
正直言ってそんなに歌は得意な方じゃない、もちろんボイトレだって欠かさないし、ダンスとおんなじくらい練習はしてきたけど
音域だってそんなに広くないし、高い声もそんなにでないから……そんなに自信はなかったんだ
でも、チャミは俺の歌を好きって言ってくれた
だから俺はチャミに向けて歌ったんだ、好きで好きで堪らなくて、ずっと想い続けていた運命の人
すぐにぐるぐると考え込んでしまうけど、俺のことを一番に考えてくれる大切な人
I love you so、I love you……
ああ、歌ってこんな風に歌うものだったんだ
ガラス越しに見える愛しい人を見つめながら、想いが伝わるように歌ったんだ