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. ずっと一緒に… ~夕食は君と~ 2
~Cside~
『チャンミン大好きだ!!』
店の中であんなこと言って……ほんと顔から火が出るかと思ったよ/////
お客さんだって居たのに……もう!!/////
声だって大きいし、ユノって素直っていうか、どストレートっていうか
……まあ、そんな所が好きなんだけど/////
周りから見たら強引に押し切られるように付き合ったように見えるけど、あんなに真っ直ぐに想いを告げられたの初めてで(笑)
今ではすっかり僕の方がユノに夢中な気がする…
小説ばっかり書いてて全然恋愛とか縁が無かったから、戸惑うことばっかりだけど/////
ユノの為なら苦手な料理も頑張っちゃう♡
小さくガッツポーズを決めたところで、店内に戻ろうと後ろを振り返ると、ユノがひょっこりと顔を覗かせた
「チャンミン!!すげぇ美味かった!!完食したよ?」
「……え?も、もう食べちゃったの?/////」
ユノが食べてるとこ見たかったのに……でも、そんな嬉しそうに言われちゃったらなにも言えなくなってしまうよ
「チャンミン?」
「……喜んでもらえて良かった/////ごめんね、あんまりうまく出来なくて/////」
ユノは一瞬驚いたような顔をして、僕の体をそっと抱き寄せる、やっぱり美味しく無かったとか…?
「謝らなくていいよ、ほんとにすげぇ美味かった、指いっぱい怪我したんだ?」
「……ぶ、不器用だから……んっ/////」
指を絡めながら優しいキスが降ってきて、僕は夢中でそれを受け止める
やっと慣れてきた恋人同士のキス……/////
ランチは一応克服出来たみたいだし、今度はユノを晩御飯に招待したいな、なんて…ハードルの高い事を考えている僕なんだ
. ずっと一緒に… ~夕食は君と~ 1
~Yside~
チャンミンと付き合うようになってから、カフェに通い詰めで……その、恥ずかしいことにちょっと太って来ちゃって
だってさ、『pisolino』で始めたランチが超うまくて、しかもチャンミンもいるから更に食欲も増しちゃって
大学院に入ってからは運動もなかなか出来てないし、連れがやってるサッカーチームに参加でもしようかなんて考えいたんだけど
「……あの、ユノのために作ったんだけど…その/////」
「……へっ?こ、これチャンミンが?」
いつもの如くランチを食べにやって来たわけだけど、店のカウンターにはマスターとチャンミンがいて
丸いトレーで顔を隠しながら差し出されたちょっと不恰好なワンプレートのランチ
この前から料理の練習してるのは知ってたけど……
「形は悪いけど、やっとまともに出来たんだ、食べてやって?ユノ君のための低カロリーメニュー」
クスクスと笑いながらマスターが俺に耳打ちする、チャンミンは益々トレーに顔を隠してしまって、もう真っ赤になった耳しか見えていない
トレーを持つ指には絆創膏がいっぱい貼ってあって、前から料理だけは不得意だって話してたのに
……俺のために?/////
トレーの後ろからチラリと覗くバンビアイ、ああ、この人は何回俺を夢中にさせれば済むんだろう
「……た、食べてみて?/////」
「うんっ!!食べるっ!!チャンミン大好きだ!!」
「!!!!/////」
俺の言葉にカシャンと音を立てて、とうとうチャンミンは店の奥へと逃げこんでしまったんだ
. ずっと一緒に… ~おまけのミノサイド~
~Mside~
ここ最近通うようになったお客さん、いつも店の隅で小説の構想を練るチャンミンに目を奪われているのは一目瞭然で
…まあ、こんなことは何度かあったんだけど
チャンミン自体にあんまり興味がなかったっていうか、気付いてなかったっていうか
小さい頃から他人にあまり興味を示さないほうて、人懐っこくはなかった思う
ただ一旦仲良くなってしまうとこっちが驚くほど親しげになるんだけど
そういう意味ではチョンさん…ユノ君は尋常じゃなくあからさまにチャンミンに熱い視線を送っていて
…あれじゃいくら鈍感な奴でも気づくって!!
そしてまるで小説のようなどストレートな告白に何故かチャンミンもOKの返事をしたらしくて
まあ、流石にビックリしたけどユノ君の勢い勝ちというか、流されたっていうか(笑)
付き合うようになった二人はこのカフェで愛を育んじゃって、俺は虚しく見守るだけっていう…
「ね、ミノ聞いてる!?低カロリーも大事なんだって!!」
「……それって最近ユノ君が太ってきたからじゃないの?」
「…っち、違っ/////…ほら、近所のお婆ちゃんとか食べにくるでしょ?奥様とかには低カロリーが人気なんだよ」
慌てて言い訳をする幼馴染は顔を真っ赤にして首を横に振った、最近ユノ君が太ってきたのを気にしてるんだよな、全く姉さん女房みたいになっちゃって
「チャンミンも作ってみれば?ユノ君も喜ぶよ」
「…えっ!?….喜ぶ?…そ、そうかな、やってみようかな////」
今まで全く厨房に入ることのなかったチャンミンからのこのセリフ、いやぁ、全くユノ君は偉大だよ
エプロンなんかしちゃって真剣な眼差しでオムレツを作る姿はまるで若妻(笑)
カラン♪
「こんにちは、…っ!!!チャンミン!?/////」
「…あ/////」
「ユノ君の為に低カロリーランチを考案中だよ」
「…っ!!ミノっ!!/////…あ、ユノもう少し待ってて?」
「うん!!チャンミンすげぇ可愛い、エプロン似合ってる、奥さんにしたい♡」
「…へっ?/////」
でた!!またもやユノ君の爆弾発言!!フリーズしたチャンミン、放置された卵の焦げる匂い、おいおい(汗)
「チャンミン焦げてる!!」
「…へっ?あああっ!!やばっ、あつっ…!!!」
「チャンミン!!危ない、火傷したの?見せて?」
「…ユノ、焦がしちゃった」
「大丈夫、焦げててもきっとうまいよ、チャンミンが作ってくれたんだからさ」
「…ユノ/////」
そう言ってカウンターの中で手を握り合う二人、最近このバカップルを見に来るお客さんも増えて皆ニヤニヤと見守っている
いつまで付き合わされんだか(笑)
大学の裏手にある川沿い、住宅街の中にひっそりとあるカフェ『pisolino』は今日も幸せに満ちていて…
やっぱりこの二人は僕が見守ってやらなきゃ、なんて、コーヒーを淹れながら一人納得する僕なのであった
. ずっと一緒に… ~あの日の夕焼け~ 後編
~Yside~
俺の言葉にフリーズするチャンミンさん!!あああああまたやってしまった(泣)
「……あ、あのっ、すいません、き、気持ち悪いですよねっ!!(泣)」
「……い、いえ、そんなことは…でも、僕男ですけど…/////」
「そっそんなのっ!!全然問題じゃ無いです!!あなたが好きなのでっ!!性別とか関係なくっ!!…あ、す、すいません」
「…いえ/////」
「………/////」
「……いい…ですよ?」
「…へっ?/////」
「…お、お付き合いしても…いい、です/////」
「…えっ、えええええええええええっ!!!!/////」
ガタッ、ガタガタッ!!
思いもよらないチャンミンさんの返事に、俺はカウンターの椅子から転がり落ちてしまった!!
~Cside~
椅子から転がり落ちたユンホさん、口をあんぐりと開けて、アーモンドアイをくるくるとさせて
「だ、大丈夫ですか?」
「…ほ、本当に?本当にいいんですか?」
「……はい/////」
ふわっと表情が柔らかくなって、アーモンドアイを三日月のように細めて、そんな嬉しそうな顔されたらもう何も言えなくなってしまう
二人で立ったままカウンターの前で見つめ合って、結局ミノが帰ってくるまでそのままだったなんて
…運命、なのかな?なんて
結局、その日はお客さんは来なくって、実はミノが店の看板を『close』にしていたってことは後から知ったんだけど…
ユンホさんは昼からの講義は全く出れなかったみたいだし
全くいい大人が何やってんだか(笑)
店を出ると辺りはもう夕暮れ時、人もまばらで、僕達はゆっくりと川沿いを歩きだした
不思議だ、今朝までは知らない人同士だったのに、さっきよりずっとユンホさんが知りたくなる
「あの…ユノって呼んでくれませんか?」
「…じゃあ、僕はチャンミンで…/////」
自然と二人で手をとって微笑み合う僕らは夕焼け色に染まっていて
お互いにまだ知らないことばかりで
まだ始まったばかりだけど
どうしてかな
幸せな予感しかしないなんて
真っ赤に染まる夕陽を見ながら僕達の素敵な未来を思い描かずにはいられなかった
. ずっと一緒に… ~あの日の夕焼け~ 中編
~Cside~
カフェからは歩いて十分ほどのこの場所、大学の中なんて、あまり普段は踏み入れることはないけれど、今日は勇気を出して中へと入っていく
…どこへ行けばいいんだろう
ウロウロと歩いていると事務課の案内が目に入った、窓口で問い合わせると落し物で預かってくれるとのこと、僕はそのままお願いしてカフェへと戻った
…なんかがっかりしてる?まるで彼にもう一度会いたかったみたいじゃないか!!/////
いつも見られてたし、その…意識してないといえば嘘になる、今日間近ではっきりと見た彼の顔は、かっこ良くて、黒目がちのアーモンドアイがキラキラと輝いていて…
な、なに考えてんだ僕!!//////
熱くなった顔を隠すように早足でカフェへと急ぐ、川沿いの道を歩くと古びた看板が目に留まった
…彼はこうやって通ってくれていたのかな
そんなことを考えながらカフェの扉を開けると、アーモンドアイの彼がカウンターに座っていたんだ
~Yside~
そろりとカフェの中を覗くとマスターとバッチリ目が合ってしまった、マスターはにっこりと笑うと手招きをして僕を呼んだ
「忘れ物を取りに来たんですね?」
「……は、はい、すいません、お代を払ってなくて」
「いいんですよ、チャンミンが大学に届けに行ったんですが会わなかったですか?」
…え?チャンミンってあの人の名前だよな?届けにって入れ違い…?
「もう戻ってくるでしょう、ここで待っていればいいですよ、もう一度カフェオレ淹れますし」
「……あ、でもお金が」
カラン♪
扉が開いて振り返ると、その綺麗な人が驚いたように目をパチパチとさせて立っていた
「……あ?忘れ物…届けてきてしまいました」
「あ、いいんですいいんです!!」
「すいません、取りに行ってきましょうか?」
「いやいや、折角戻って来たのに!!」
「……で、でも?」
俺達のやり取りを見ていたマスターはクスクスと笑って、とりあえずカウンターに座れば、と言ってくれて/////
「……あ、さっきはすいません」
「い、いえ/////」
「あの…チャンミンさんて言うんですね?」
「はい、シム・チャンミンです/////」
「……チョン・ユンホです/////」
「……/////」
「あ~なんかフィルター切らしちゃったかなぁ、ちょっと買い出しに行ってくるよ、あと頼むわ!!」
そう言ってマスターはバタバタと店から出て行ってしまった!!出がけにニヤリと笑って俺にサムズアップしてた…よな?
「……ちょっ!!ミノ!!….あ、すいません、自由な店で/////」
「い、いえ…」
オロオロとして紅潮した顔、ずっと見たかった長い睫毛の奥の瞳が眩しくて……少し尖った口はマスターに怒ってるからだよね、可愛すぎるだろ/////
…ああ、やっぱりこの人が好きだ
「あ、あのっ!!おおおおおおお、俺と付き合ってください!!/////」
「……へっ!?/////」
俺は勢いに任せて、またとんでもないことを口走ってしまった!!!