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苺な彼とビールな僕

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. ずっと一緒に… ~あの日の夕焼け~ 前編



『ずっと一緒に…』の続編です*ˊᵕˋ)੭





~Cside~






『好きです!!ごめんなさいっ!!』



そう言って店から飛び出してしまった彼、僕とミノは呆気にとられて暫くフリーズしてしまった


「…ぷっ、あはははははは!!」


「…ミ、ミノ!!笑うなんて!!/////」


「ああ、ごめんごめん、真っ赤になって飛び出しちゃったね、チャンミンに気があるとは思ってたけどまさか…ぷっ」


笑い続けるミノを軽く睨んで彼の残したカップに目をやった、中身は半分ほど残っていて、横には財布とスマホが置きっぱなしになっていた


「…忘れ物」


「あ、ほんとだ、でも飛び出した本人は気づいてなさそうだよね」


…た、確かにそうかも/////



「届けてあげたら?学生証も入ってるよ、やっぱり院生みたいだね、チョン・ユンホだってさ」


「こら!!ミノ、勝手に開けたら!!」


「でも誰かわかんないと届けてあげられないでしょ?」


「…ま、まあそうだけど/////」



どんな顔して会えばいいんだよ…でも無いと困るよね、財布とスマホなんて……


暫く悩んだ後、僕は財布とスマホを片手に川の向かい側にある大学へと向かった







~Yside~







どうしようどうしようどうしようどうしよう!!



あんなこと言うつもりじゃなかったのに!!盛大に告白して飛び出してきてしまったぁあああ!!


川沿いの階段を降りて小さなベンチで頭を抱える俺!!ベビーカー押したお母さんも不審な目で見てるけどそれどころじゃ無いんだ!!


…あんな告白したらもうあのカフェには行けないよな、でも、あのカフェに行かなきゃ彼には会えないのに


そういや名前も聞いてなかった、一方的に告白して逃げてきてしまったから


…逃げて……あっ!!!



やばい!!金払ってない!!無銭飲食じゃないかー!!戻らないと、財布財布……


財布がない!!いや、スマホも!?


うああああああっ!!忘れてきたんだ!!/////



ああ、もう俺ってば最悪じゃないか(泣)



俺は仕方なく恥を忍んで店に戻ることを決意した、もしかしたらあの彼はもう居ないかもしれないな…


そんな事を考えながら、俺は元来た道をトボトボと歩き始めたんだ























. ずっと一緒に… 後編




『Aliさんの画像で妄想☆萌え大喜利』





~Yside~






……すげえ綺麗だ/////




宝石みたいだって思った

大きな鳶色の瞳はキラキラと輝いて俺の姿を捉えていて


君の瞳に映る俺の顔は、ポカンと口を開けて間抜けで今すぐどうにかしたいのに、俺はカップを持ったままフリーズしてしまった


『ほらほら、いつまで見つめ合ってるんです?』



マスターの声でやっと我に返り、持ったままだったカフェオレのカップをソーサーに置いた



「ミノ、変なこと言わないで/////」



マスターの名前なんだろう、動いている君はまるで夢みたいで、俺の隣に座るのをずっと目で追ってしまうんだ



「…あの、どうして僕のことそんなに見つめるんですか?/////」


「…へっ?/////」


「だって、ずっと見てるから/////」


「…あっ、ああっ!!あのっ…そのっ…いやっ/////」


やばい!!これじゃあまるっきり不審者みたいじゃないかーー!!これは正直に言った方がいいのか(汗)


「?」


首を傾けて俺の顔を覗き込むその姿、やっぱり動いている君は数千倍の破壊力!!/////



「…あっ、あのっ!!一目惚れって信じますか?」


「…はっ!?/////」



俺はとんでもないことを口走ってしまった(泣)







~Cside~







『一目惚れ』なんて突然言われて、ちょっと思考が停止してしまった、それって僕に一目惚れしたってこと!?/////


かああああっ!!と顔に熱が集まるのがわかった



いや、でも例え話とか世間話とかかもしれないし…



「…あの?それって/////」



チラリとその人を様子を伺うと、アーモンドのような瞳をクルクルとさせてこれ以上ないほど真っ赤になっていた



「あのっ!!好きですっ!!ごめんなさい!!/////」



その人は突然僕の手をぎゅっと握って、愛の告白叫ぶと、一目散に店から出て行ってしまったんだ



…それが僕とユノとの出会いで/////





「もう、チャンミンまた笑ってる!!」


「ごめん、また思い出しちゃって、ふふふ」


「…ばっ!!/////もう、それは言うなよ!!」


「…だって、『好きです、ごめんなさい』だなんて、ふふっ!!」


「あーもう、いいからほら!!こっちきて!!」


「…ユノ、人が見てるよ/////」


「俺には君しか見えないからいいの!!」


「……/////」



ぐっと抱き寄せられてユノの腕の中、突然告白されたあの日から、ユノは僕の恋人になった



僕は相変わらずカフェで本を書いていて、お昼になると訪れるユノとランチを食べる、最近太ってきた、なんて言うユノにはミノがダイエットメニューを考えてくれたりして



突然現れた僕の恋人

真っ直ぐに僕を見て好きだと言った

黒目がちな瞳には僕が映り

僕の瞳にはあなたが映る




時に恋は突然に訪れて…別れを繰り返す、でも、僕らには当てはまらないよね?



僕らはきっと元々一つのもので、あるべき場所に戻ったんだと信じたい




愛してる

愛してる…





やわらかな陽の当たるこの場所で

ずっと二人で

ずっと一緒に…









































. ずっと一緒に… 前編



『Aliさんの画像で妄想☆萌え大喜利』





~Yside~






大学の裏手にある川沿い、橋を渡って並木道を抜けると、閑静な住宅街の中にひっそりとそのカフェはあった



『pisolino』



ちょっと古びた木の看板に白の文字で書かれたイタリア語、「昼寝」という意味なんだと知ったのは少し後だった



…実はここに通ってもう一週間が過ぎた



カラン♪



古い扉を開けると人の良さそうなマスターが笑顔で迎えてくれる、軽く会釈してカウンターへと座った



チラリ、と右手に目をやると……いた!!/////



この店の作りは少し変わっていて、カウンターが弧を描くように丸く造られている、だから端に座れば自然とその人が目に飛び込んでくる



やわらかな陽のあたる隅っこの席、いつも目を閉じて座るその人



…眠ってる?それとも何か考え事をしているとか?



右眼にかかる柔らかそうな茶色の髪

整った顔立ち

閉じられた瞼を覆う長い睫毛

桜色の唇



どうしても目が離せなくて胸がドキドキと高鳴る



いつか…あの瞼の奥にある瞳が見れるんじゃないかって、そんな期待を持って今日もここに来てしまうんだ


「いつものでいいですか?」


不意に声をかけられて我に返った、そういや注文もしてなかったんだ…慌てて頷くとマスターは温かいカフェオレを出してくれた


「そんなに彼が気になりますか?」


「…へっ?/////…いや、あの…そのっ/////」


「そんなにガン見してたら流石にわかりますよ」


「は、はあ/////」


「彼はここのオーナーなんですよ」



こっそりとウィンクして小さい情報をくれる、なんかバレてるのも恥ずかしくて、俯いてカフェオレを啜った


「ミノ、僕にもコーヒー淹れて?」


他にお客さん誰かいたっけ?と思いながら視線だけ上に向けると、いつも目を瞑っていたその人が、目の前に立っていたんだ!!







~Cside~





『あの人絶対チャンミンに気があるんだよ』



ミノに言われて、そういえば、ここしばらく見られていたような気がする…かな?


僕がオーナーを務める小さなカフェ、大好きな祖父が亡くなり跡を継いだもののコーヒーなんて淹れることも出来なくて途方に暮れていた


幼馴染のミノが雇われマスターとして来てくれることになったときはどれだけ安心したか



…ものを書くのが僕の仕事だから



店の中には祖父の好きだった本が所狭しと並んでいる


イタリア好きだった祖父は『pisolino』とカフェを名付け、壁一面に本棚を造り、まるで図書館のような佇まいで…


『昼寝出来るほど寛げるカフェ』


そんなコンセプトだったと聞いたのは祖父が亡くなってから



そして、この空間で小説のストーリーを考えるのが僕の日常となっていた



…僕に気があるなんて、男なのに/////



そう思ったが気になるといえば気になる、春から見かけるようになったその人、きっと近くの大学の院生なんだろう、沢山の本を抱えて店の前を通るのを何度か見かけた



がっしりとした体格に小さな顔

ふわふわの前髪

黒目がちな瞳

ぷっくりとした下唇は赤く



つい、意識して見てしまう自分がいて…でも店に来ると彼は僕をじっと見つめるから、話しかけるタイミングが掴めないでいたんだ



そんな時ミノが彼に話しかけた、やっと視線が逸れて僕はゆっくりとカウンターへと近づく



『ミノ、僕にもコーヒー淹れて?』



カウンターの中にいる人にそう告げながら、視線は黒目がちな瞳の彼に釘付けになり、僕らは暫く見つめ合ってしまった




















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紫苑☆

Author:紫苑☆
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