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. 天使かもしれない ~取材旅行~ 5
~Cside~
取材旅行が決まってからバタバタと数日が過ぎ、あっという間に迎えた週末
僕は珍しく先生の運転する車に乗り、取材先に向かっていた
……先生って結構いい車に乗ってるんだよね
あまり運転する機会がないとはいえ、先生の隣はなんだか安心できて、僕は週末の疲れもあってぼんやりとしていた
あれからちゃんと話せてなかったけど、腹が立ったのは担当である僕に新作のことを話してくれなかったこと
プライベートでは恋人だけど、やっぱりちゃんと編集としての仕事もこなしていたつもりだったのに、取材旅行なんてほんと寝耳に水の話で……
……なんか自信なくしちゃうよ
一言ぐらい相談してくれててもよかったのに、やっぱり頼りにならないのかな、なんて考えたりして…
「…チャンミナ寝た?」
「……起きてます」
「俺さ、すげー鈍感だから言ってくんないとわかんないから……何怒ってんの?」
「………/////」
「気になってたけどずっと話せなかったから……そんなに旅行が嫌だった?」
……違う、違うんだ、僕が一方的に拗ねているだけで
「……は、話してくれなかったから/////」
「ん?」
「…し、新作考えてるってこと、編集長には話してたのに」
「チャンミナ!!/////」
「……ぼ、僕じゃ頼りないのかなって……わっ!!」
いきなり急ブレーキをかけたかと思うと路肩に車を停車させ、先生はハンドルから手を離すと僕の方に向き直った
「チャンミナそれで怒ってたの?/////」
そんなに面と向かって言われたら、カッコ悪くて泣いてしまいそう、僕は先生から視線を逸らしたまま小さくコクリと頷いた
「……何それ、可愛すぎ/////」
「……はっ?/////……ちょっ!!何!?……んっ/////」
先生はボソリと何か呟いてハンドルに突っ伏した後、ガバリと起き上がると、いきなり僕の腕を掴んでキスをしてきたんだ
. 天使かもしれない ~取材旅行~ 4
~Yside~
喜びを噛み締めつつチャンミナに熱い抱擁をしていた筈だったのに、何故だか睨まれたうえに足を思いっきり踏んずけられちゃって
「いてっ、いてーーー!!(泣)チャンミナ何怒って……?」
「ちょ、ちょっとぐらい僕の話を聞けっ!!/////」
「……へっ?」
「とにかく家に入れろって!!/////」
体を離して靴を脱ぐと、ドスドスと真っ先に向かったのはウォークインクローゼット、あ、やべ……
さっき嬉しくてスーツケース引きずり出したからあちこちに物が散乱してるのに!!
慌ててチャンミナの後を追いかけるが時すでに遅し!!ワナワナと震える後ろ姿から怒りのオーラが滲み出ている
「……先生、これって………?」
「いや、チャンミナ?お、落ち着いて(汗)」
「……今すぐ片付けてください」
「……へっ?/////」
「今すぐ片付けろこのバカ!!!!」
「ひいいっ!!は、はいっ!!(泣)」
スーツケースは一応一番手前に置いといて、結局30分ほどかかってやっと片付けを終わらせた
まあ、その間にチャンミナはパパッと飯の用意を済ませて待ってくれていたけど、やっぱりまだご機嫌ナナメだし、幾ら何でもちょっと先走りすぎちゃったかな…
…取材旅行を依頼してた件も、実は話してなかったし
深く反省してどうにか許しを貰って、あれ?俺っていつの間にか尻に敷かれてるな、なんて思ったりして(笑)
何をそんなに怒っていたのかはわかんなかったけど、とりあえず俺たちは週末を挟んで取材旅行に行くことになったんだ
. 天使かもしれない ~取材旅行~ 3
~Cside~
「おかえりチャンミナ~!!」
「……ちょっ!!わっ!!/////」
玄関を開けるなりデッカイ体が飛んできて腕の中に閉じ込められる!!ぎゅうぎゅうと抱き締められてこれじゃ息も出来ないじゃないか!!
「……せんせっ……苦しっ/////」
「チャンミナチャンミナ~♡トゥギヒョンから聞いてくれた!?念願の老舗旅館に泊まれるんだよ!!もう楽しみすぎてスーツケース出しちゃったよ~」
……え?もうスーツケース?(汗)幾ら何でも気が早すぎるんじゃないか!!とにかくこれじゃまともに声も出せないのに!!
背中に回した手で思いっきり背中をタップするけど、このクマ並みのガタイの良さ!!僕の力が敵うはずもなく(泣)
「ん?どうした?あ…!!おかえりのキスしてなかったね、おかえりチャンミナ♡」
「……ち、ちがっ!!んっ/////……んんっ!!」
靴も脱がずに玄関で抱きしめられたまま降ってくる唇は、抵抗しようにも甘くて蕩けてしまいそう
伸びてきた髭がチクチクと痛いけど、それすらもゾクゾクとしてしまうのは先生に開発されてしまったからかも/////
何度か角度を変えて口付けると、先生は僕の顔を覗き込み満足そうに微笑んだ
「んふ、チャンミナエロすぎ♡」
「……なっ!!/////」
「……このままベッドに…いてーーーっ!!」
僕はまるっきり話を聞かない先生を睨みつけると、思いっきり足を踏んづけてやったんだ!!
. 天使かもしれない ~取材旅行~ 2
~Yside~
トゥギヒョンから連絡があって、俺の希望する宿が取れたらしく、急遽取材旅行に行けることになった
前から依頼していた事だし別に急いでいたわけじゃなかったけど、まさかこんなに早く実現するなんて!!
しかも担当は恋人のチャンミナなワケだし、連れて行かないわけにはいかないよなっ♡
一緒に住み始めてもう一年近くが経ったけど、とにかく俺のチャンミナへの愛は膨らむばかりで、トゥギヒョン曰くそれが小説にも漏れているらしく……/////
『ちょっとスケールのデカい恋愛ものでも書いて見たらどうだ?』
なんて提案を受けていたから……まあ、俺の書く話は歴史物が多めで少し固いとこがあるみたいだから、ここらで自分の殻を破るのもいいかもしれないって思ったんだ
それに今回泊まるのは一年先まで予約がびっしりの隠れ家的老舗旅館で、新しい話のコンセプトにぴったりで
これを機にしっぽりと温泉にでも浸かって、チャンミナの体を堪能するのも……むふっ♡
旅行の準備もしなきゃいけないし、何もかも楽しみすぎて仕事なんて手につかない!!
いやいや、慌てるなチョン・ユンホ!!あの真面目なチャンミナのことだから、やる事やってからじゃないと……
『仕事が終わるまではお触り禁止です!!』
なんて言いかねないかも……(汗)ダ、ダメだダメだ!!早く済ませて2人でしけ込むんだ!!/////
俺は緩む顔をペシペシと叩いて、もう一度パソコンへと向き直ったんだ
. 天使かもしれない ~取材旅行~ 1
~Cside~
「はあ?今週末に取材旅行ですか?」
外周りから帰ってすぐ編集長の呼び出しを食らって、何かやらかしてしまったのかとビクビクしていたのに、あまりの急な話に拍子抜けしてしまうよ
「ああ、ちょうど知り合いの老舗旅館にキャンセルがでてね、ユノから要望もあったし」
「……え…先生からもですか?」
「ああ、次の作品の参考にしたいそうなんだ、で、もちろんお前もついて行くことになったから」
「………はあっ!?/////」
「まあまあ、そんなに喜ばなくても(笑)」
「……よっ、喜んでませんっ!!/////」
「まあいいじゃないか、昼間は仕事があっても夜はゆっくり飯でも食いながら一杯やれるだろうし、ほら、露天風呂も付いてるらしいぞ!!ほんとは俺が行きたかったんだけどな~まあ、ユノと一緒に寝るなんてごめんだけどな」
「……でっ、でも、仕事は!?」
「ああ、こっちのことは心配ない、なんせあいつは売り出し中の小説家だからな、いい作品を書いてもらうにはお前が必要なんだよ」
「……/////」
「まあ、せいぜいご奉仕してやってくれ」
「………なっ!!/////」
編集長は言いたいことだけ言うと、僕の肩をポンポンと叩いて部屋から出て行ってしまったんだ