苺な彼とビールな僕

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～Cside～





「ちょっと、ユンホさんはまだなの？」


「はっ！！今連絡があったようですので少しお待ちを！！」


「そう、早くしてちょうだい、全くあの子は」



呆れたように顔を顰めるチョン夫人、さっきまで一緒におられたボアさんは席を外していて



「チャンミンさん、ごめんなさいね、お待たせしてしまって」


「あ……いえ、大丈夫です////」



なんだかんだと気を使ってくれるこの方はとても良い方のようだ、チョン家では一番の発言権を持つと噂には聞いていたけど



……そう、僕は今正にお見合いの現場にいる



まさか自分がお見合いをするなんて思っても見なかった……しかも相手は男



この国で同性婚が認められて、周りでもそんな例は増えてきたけど僕は元々異性愛者だったし



じゃあどうしてこんな事になったのかというと……




「ねえ、お爺様のお話を聞かせてくださらない？」



ひょんなことから知り合ったチョン夫人が僕の祖父の知り合いで、祖父が昔憧れていた初恋の人だったとか



そんな偶然ってあるんだろうか



そして僕の父が経営する小さな会社の経営難を知ったチョン夫人は、昔のよしみだからと出資を願い出てくれたわけだけど



父は流石に申し訳ないと最初は断ったんだ


するとチョン夫人はとんでもない提案をしてきた




「じゃあうちにお嫁にくれば良いのよ」




あまりの突拍子もない話に僕も父も開いた口が塞がらなかったけど、チョン夫人はどうやら本気だったらしく



「じゃあ、お互いの気が合うなら」



と、渋々父も承諾せざるを得なかったらしい




なんせ相手は巷で遊び人として有名なチョングループの次男チョン・ユンホ、いくらお金持ちでもうちの両親が心配するのは無理もない




でも実は僕はあなたに会ったことがあるんだ



きっと、覚えていないと思うけどね

2017-06-01 17:00 ｜カテゴリ : 俺の婚約者殿 ｜コメント(-) ｜トラックバック(0)