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. 愛をもっと!! ~その男変態につき 9~
~Cside~
その日の僕は珍しく客先からの直帰で、スーパーで食材とビールを買って早めに家に戻った
いつもなら帰りもユノが一緒だし、荷物とか持ってくれるけど
こんなに一人で買い物するのって寂しかったっけ……?
そういや会社のトイレに連れ込まれた日はおかしかったユノも、次の日には元に戻っていたし
結局何も聞けずじまいだった////
重い荷物を持って家へと帰ると、ユノから何の連絡もないことに気がついた
……あ、勝手にここに来ると思ってた////
普段なら帰りはいつも一緒だし、纏わり付くように僕の家へと転がり込むから
もう一緒に住んでるみたいな錯覚に陥ってしまうのに////
ほんとはそうじゃないんだよね……
ぼんやりと考えながらキッチンに立つと、暫くしてからバタバタとユノが帰ってきた
「先輩ただいま♡」
「……あ////」
「なに、帰ってこないとでも思った?」
「……べ、別に!!////」
「うふ、可愛いなぁ、先輩ったら♡」
「なっ!!////」
「そうだ、お土産があるんですよ!!」
そう言ってユノがガサガサとビニールの袋から取り出したのは、やたらと布が少な目のティーバックのパンツだったんだ
. ユンホ君のいちごのパンツ 17
~Cside~
『ぜ、絶対反対!!一人なんて、何かあったらどうするんだよ!!』
思っても見なかったユンホ君の言葉に、とても驚いてしまった
僕を心配してのこと……だよね////
女の子じゃあるまいし、何かあったら……なんて、ちょっと笑ってしまう
一人で暮らすことは前々から考えていたことで、家族にも話してあった
ちょうど親戚が管理してるマンションに空きが出て、家賃だって安くしてもらえるし、いいタイミングかなって思ったんだ
それに……二人っきりになれる場所も増えるし
ムスッとして黙ってしまったユンホ君、とんがった唇が可愛くて思わず笑ってしまったけど
突然ふわりと抱き寄せられて、チャンミンはずるいとか、やっぱり無自覚だとか不機嫌そうにいわれてちょっと嬉しいなんて/////
「ふふ、ユンホ君頼もしくなったね」
「……チャンミン」
「ん?」
「キスしていい?」
「………////」
真っ直ぐに落ちてくるアーモンドの瞳
見つめ合って微笑み合って、僕たちは初めてのキスをしたんだ
. 愛をもっと!! ~その男変態につき 8~
~Yside~
……あれからどうも気に入らない
どうやらソナの友達の……ヒョナって言ったっけ、大人しそうに見えて随分と積極的らしく
どうやら本格的に先輩にアプローチをかけ始めたようなんだ
いつものごとく熱く先輩を見つめる視線の隅っこにどこかしら紛れてくる彼女、あれって所謂隠れ肉食系ってやつなんじゃねーの?
熱っぽい視線を先輩に向けるけど、割と鈍感な先輩はあんまり意に介してないからホッとする
……こういうとこは救われてんな(笑)
とはいえ元々当たり前に女の子が好きな先輩だし、ここで手をこまねいてるのは俺らしくない
先輩の気が変わるとは思えないけど、ここは一発手を打っておくか
せっかくペナルティプレイで愛を深めようと思ってた矢先なのに……ったく、とんだお邪魔虫が入ったもんだ
ここまでかなり強引に事を進めてはきたけど、やっぱりちょっぴり自信のない俺がいて
思ったより素直に従ってくれる先輩が堪んないけど、他の誰にも邪魔なんてされたくない
おそらく敵は歓迎会あたりを狙ってるんだろう
幸いにも幹事は任されてるワケだし、ここは一発ガツンと俺の愛で悪い虫を追い払ってやるか
俺は一人でガッツポーズを決めると、残りの仕事を片付けて先輩の家へとダッシュしたんだ
. ユンホ君のいちごのパンツ 16
~Yside~
『僕も君が好きだよ////』
そう言って視線を泳がせるチャンミンの顔は、二人で見た夕陽みたいに真っ赤に染まっていて
堪らず自分から抱き寄せたのに、背中に手を回された時にはちょっぴり泣きそうになった
くっついたまま黙ってしまった俺を、あなたは子供をあやすようにポンポンと背中を叩いてくれて
悔しいけど、それはとても心地のいいものだった
それから暫くはお互いに照れ臭くて、すぐには恋人同士のようには振る舞えなかったけど
以前とは違う甘い空気感に幸せを感じずにはいられなかった
「……え?引っ越し?」
「うん、一人で住もうと思うんだ」
俺達が付き合ってから二ヶ月ほど経った頃、チャンミンから切り出されたのは一人暮らしの話だった
「ぜ、絶対反対!!一人なんて、何かあったらどうするんだよ!!」
「……ユノ?////」
「チャンミンは無自覚過ぎんだよ!!」
「ねえ待って、僕男だよ?////」
クスクスと笑いながら俺の髪を撫でるあなたは、俺の気持ちなんて全くわかってないみたいでイライラとしてしまうのに
「ユンホ君が来てくれるから大丈夫でしょ?」
なんて、そんな殺文句を平気で言うあなたに、やっぱり敵わないって思ってしまう俺なんだ
. 愛をもっと!! ~その男変態につき 7~
~Cside~
『渡さねー……』
いつものユノだけどユノらしくない、強引な所とか、ちょっとチャラい物言いとかは変わんないけど
職場のトイレに連れ込まれて、こんな風に甘いキスまでされちゃって
怒ってもいいはずなのに、何か違う……よね////
流石に仕事中だし、どうにか二人で熱をおさめたけど、ちょっと拗ねたようなユノが可愛く見えてしまった
僕の方が怒ってた筈なのに
二人で汗だくになって個室を出てからは、新人の女の子には気をつけろだの、無駄に愛想を振りまくなだの……
まったくわけわかんない、それはこっちのセリフだよ////
部屋に戻れば部署の皆んなに何故だか冷やかされちゃって、チーフには
『なんだ、布団でも敷いてやろうか?』
なんて言われちゃって、折角引いた汗もまた吹き出しちゃって色々と大変だった
ユノが僕を追いかけ回してたのは社内でも有名だったし、まさかバレてないとは思うけど
流石に付き合ってることは話せないよね/////
取り敢えずは離してもらえたから家に帰って聞けばいいか
あ……ユノが今日も来るかはわかんないけど
この時の僕はユノが何を企んでいたのか、さっぱり分かっていなかったんだ
. ユンホ君のいちごのパンツ 15
~Cside~
『チャンミン、俺の恋人になってください』
ユンホ君はそう言うと頭を下げて手を差し出した、よく見れば君の手は少し震えていて
……ほんと君って一途だと思う////
あんまり僕が黙っているから、頭を下げたままチラリと様子を伺う君が可笑しくて笑ってしまったけど
「……笑うとこじゃない」
「ふふ、ごめん、あんまりユンホ君が可愛くて////」
「……////」
「ね、ユンホ君、僕は男だよ?」
「……んなの知ってる////」
「歳だって10歳も上だし…」
「そんなこと分かってる!!でも!!」
「僕も君が好きだよ////」
「!!!!////」
「もうね、自分の気持ちに抵抗しても無駄みたい////」
「!!!!チャンミン!!」
「……わっ!!////」
いきなりぎゅうぎゅうと抱き締められて声も出ないほど、いつの間にこんなに大きくなったんだろう////
こんなに肩幅も広くなっちゃって、僕はすっぽりと君の腕の中にいて
でも、ここはこんなにも居心地がいい/////
広い背中に腕を回して、もう二度と離れないようにぎゅっと抱き締めたんだ
. 愛をもっと!! ~その男変態につき 6~
~Yside~
まとわりつく女の子達をどうにか振り切って先輩のいる部屋へと飛び飛んだ
「なんだ、今度はお前か?」
なんて、チーフの呆れた声が聞こえたけどそんななの気にしてなんていられない
中をズカズカと歩いて目指すはパーテンションから覗く丸い背中
………やっぱりだ
不安げな瞳を揺らして視線を逸らすから、腕を掴んでそのまま部屋を出た
そんな細っこい腕で抵抗したって無駄なのに
トイレの個室に連れ込むとそのまま唇を塞いでやった、だってすぐに可愛くないこと言うでしょう?
「………んっ、ユノ……やめ////」
「ダメ」
「し、仕事中!!////」
「知ってる」
「だったら!!……あっ………////」
「しっ、声抑えて?」
口とは裏腹に俺の服をぎゅっと握っちゃって、ほんと可愛くて堪んない
シャツのボタンをプチプチと外し、目指すは可愛く主張を始める胸の突起
ピクピクとする身体はすぐに力が抜けちゃって、俺にしがみつきながらも睨みつけるバンビアイ
ああ、あなたは俺だけのものなのに
「渡さねー……」
「………えっ?////」
「何でもない」
「!!!!////」
熱を持ち始めたあなたのソレを布の上からそっと撫でて、もっと甘いキスをしてやったんだ
. ユンホ君のいちごのパンツ 14
~Yside~
『チャンミン、俺を捨てないで?』
あんなカッコ悪いセリフ言うつもりなんてなかった
徐々に途切れていく連絡に、日々募るのはあなたへの想いばかりで
俺だけ……俺だけが好きなの?
あなたは俺のことどう思ってる?
このまま自然に会わなくなってしまうつもり?
溢れ出した不安は止めることなんて出来なくて、気付けば俺は家を飛び出していた
突然の連絡に慌てて駆けつけてくれたあなたに、泣き落としなんてしたくなかったのに
それでもあなたは俺を抱きしめてくれた、バカだねって髪を撫でてくれた
「チャンミン、俺の恋人になってください」
そう伝えたのはその夜から一週間後のこと、やっぱりちゃんと申し込みたかったから
だってね、俺はまだ子供なんだ、ただがむしゃらにあなたが好きなだけ
駆け引きなんて出来るわけもなくて……
あなたへと伝える愛の言葉はとても幼いものだったけど
どうか頷いて貰えるようにって、祈るように手を差しだしたんだ
. 愛をもっと!! ~その男変態につき 5~
~Cside~
僕があんまり慌てて駆け込んだもんだから、チーフや同僚が目を丸くして僕の方を一斉に見た
「どうしたシム、珍しいな」
「……な、なんでもないです////」
「そうか?顔色悪いぞ?」
「すいません、ちょっと体調悪くて」
「そっか、無理すんなよ」
皆んなの視線に耐えきれず、僕は自分のデスクへと逃げ込んだ
ここならパーテンションのお陰で誰に見られることもない、なんか冷や汗まで出てきちゃったよ
僕は一息つくと側にあったミネラルウォーターを口にした
……あの新人の子可愛かったな
艶々の長い髪、柔らかそうな肌は白くて滑らかで、女の子なら当たり前のこと
でも僕は……ゴツゴツした体に無駄に身長だけは伸びちゃって、ただのひょろ長い男じゃないか
きっとユノだって………
「先輩♡」
「わっ!!ユ、ユノ!?////」
「ほら、こっち!!チーフすいません!!シム先輩ちょっとお借りしまっす!!」
「……ちょっ!!バカ離せっ!!////」」
「いいから」
有無を言わせぬユノの迫力に、僕は腕を引かれるままに部屋を出てトイレの個室へと連れ込まれてしまったんだ
. ユンホ君のいちごのパンツ 13
~Cside~
少しずつ大人になっていく君に置いていかれそうで少し怖くなる
僕と君との間は永遠に埋まらないのだから……
そんな風に思ったのはユンホ君が高校に入ってからのこと
真新しい制服に身を包み、これから始まる新しい生活に期待を膨らませ
ああ、こうやってどんどんと大人になっていくんだ……って
あの容姿に明るい性格、彼がモテないワケはない、一緒の高校に進んだドンへ君と一年生の二代イケメンなんて呼ばれちゃって
風の便りに聞く二人の噂に、チクリと胸が痛んだりした
高校生活も落ち着いてユンホ君がダンス部に入ったと聞いてからは、僕からはあまり連絡はしないようにしていた
君の邪魔をしたくなくて…
そんな日々が幾日か続いた後、ある夜君は突然家の近くの公園に現れた
真夜中だったし、何かあったのかと慌てて家を飛び出したけど
そこにいたのは、まるで捨て猫のように小さくなってベンチに座るユンホ君の姿で
「チャンミン、俺を捨てないで?」
アーモンドの瞳に涙を浮かべて僕を見上げる君のことを、抱き締めずにはいられなかった