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. 君といたいから 24
~Cside~
「全く、勝手に連れ回して一体どういうつもりですか?」
「どういうつもりもなにも、元は儂の部下だ」
「今は俺の部下です、行くぞチャンミン」
「え、し、社長?///」
グイと腕を引かれてあっという間に部屋を連れ出されて、なんで社長がそんなに怒っているのかよくわからないけど
部屋を出る前にチラリと見えた会長はクスクスと肩を揺らしていたような
どうもこの親子ってよくわからない……
早足で前を歩く社長は黙ったまんまだし、握られた手は緩めてくれそうもない
迎えに来てくれたのは嬉しいけど、どうして……?
「勝手に居なくなるな」
「……す、すいません///」
「親父と何を話した?」
「……何をって、普段通りの」
急に足を止めるから背中にぶつかりそうになって慌てて踏みとどまる
振り返ったあなたは拗ねたように僕を睨んでいるし
なんだろ………不謹慎だけどちょっと可愛いかも(笑)
「何がおかしい?」
「い、いえ///」
「だって笑ってるだろう?」
「気のせいですってば///」
「………言わないとキスするぞ?」
そう言って思い切り顔を近づけてくる社長が子供みたいで、思わず吹き出してしまった僕だったんだ
. 君といたいから 23
~Yside~
どうも合点がいかない……
立食パーティーって話も聞いてはなかったし、よく見れば女性の姿もちらほらと見える
ただの会食と聞いていたのに……
それに、俺の前で笑顔で話すコ・ユジンという女性、どうにも推しが強くて離してくれそうもないし
腑に落ちないまま話を合わせていたが、なかなか戻ってこないチャンミンの事が気になってそれどころじゃない
親父に連れられてどこへ……?
「申し訳ありません、ちょっと失礼しますね」
「え?チョン社長?」
話の途中で悪いとは思ったが適当な言い訳をしてその場を離れる
ユジンはなにかを言いたげにこちらを見ていたが、そんなことに構ってなんていられない
確かこの会場の奥には別に部屋があったはず……
早足で会場を抜けて別室へと向かえば、楽しそうに笑うチャンミンの声
……ったく!!あいつ
ノックもせずに開いた扉の向こうには、楽しげに俺を見つめる親父と、目を丸くしたチャンミンの姿があったんだ
. 君といたいから 22
~Cside~
『ふむ、ユンホのことは構わなくていい、それは儂が貰おう』
そう言って会長に連れて行かれたのはパーティ会場の奥にある個室のような所
社長に一言も言わずにこんなところに来て良かったんだろうか、せめて伝言くらい
それに、社長と話していたあの女性も気になる……
随分親しげに話していたから知り合いなのかもしれないけど、あの距離の詰め方は……
「チャンミン」
「……す、すいません、ぼうっとして///」
「いや、構わんがそんなにユンホの事が気になるか?」
「あ……いえ///」
「ふふ、随分大人びた表情をするようになったものだ」
「……え?///」
「嬉しいような寂しいような……」
「………会長?」
僕の顔を見てしきりに感心する会長をじっと見つめる、なんだか一人でわかった風に頷いているし
こういうところは社長に似てる気がする、な///
優しいアーモンドの瞳とか、がっしりとしたガタイの良さとか
似てる顔でそんなに見つめないで欲しい///
「どうやら儂の思っていた通りかな?」
「……え?///」
「ほら、来た(笑)」
「チャンミン!!!!」
「し、社長!?///」
バタバタと外から足音がしたと思うと乱暴に扉が開いて、そこには血相を変えた社長が肩で息をしながら立っていたんだ
. 君といたいから 21
~Yside~
『失礼いたしました、私、コ・ユジンと申します』
そう言って深々とお辞儀をするご令嬢、どこかで会ったことがあっただろうか
名前はともかくとして、会ったことがあるなら顔だけは覚えている自信があるのに
「あの……失礼ですが」
「ふふ、初対面ですわよ、こうしてお話しするのは」
「……はあ」
「そんなに警戒なさらないで下さい、落ち込んでしまいますわ」
「あ、いや」
そんな会話の途中で目に入るのは遠くで親父と話すチャンミンの姿、ああ、あんなに顔を近づけて!!
全く、少しぐらいは警戒してもいいと思うのに…
「あの……チョンさん、何かお持ちしましょうか?」
「あ、いや、連れが居りますので」
「あら、宜しければご一緒に」
「……」
見かけによらないなかなかの推しの強さに少々圧倒されてしまう……
そんなコ・ユジンとの会話に気を取られている隙に、会場から君の姿が消えていたことに
この時の俺はまだ気づいていなかったんだ
. 君といたいから 20
~Cside~
取引先との会議が終わり次は会食とか、早くホテルに帰りたいって思っていたのに
会食がまさかの有名レストランでの立食パーティーとか!!
料理はビュッフェ形式だし、勿論飲み物も好きなものを頼める
そりゃあ立場上そんなにがっついたりは出来ないけど……
綺麗な料理がズラリと並んでるのを見るだけでも圧巻、だよね!!
ワクワクとしながら社長の分を先にお皿へと盛り付けてみる
何がいいかとキョロキョロとしていると、目線の端に映るのは知らない女性と話す社長の姿
………誰だろう
取引先重役達に混じって女性も何人かいたから知り合いがいたとしてもおかしくはない
うちの社長にはいつだって人が寄ってくる
外面だけの魅力じゃない、内側から溢れる情熱に惹かれていつの間にか大勢の人に囲まれてしまうんだ
お皿を持ったままどうしようかと悩んでいると、不意に肩を叩かれて料理を落としそうになってしまった!!
「なんだ、相変わらずの食欲だな」
「か、会長!!///」
「そんなに沢山どうするんだね?」
「あ、社長に持って行こうと……その///」
「ふむ、ユンホのことは構わなくていい、それは儂が貰おう」
「は、はあ///」
そう言って会長は僕の肩を優しく抱くと、そのまま奥の席へと連れて行かれてしまったんだ