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. 君を好きでしょうがない 28
~Yside~
「さ、どうぞ」
「お、お邪魔します///」
「来るってわかってたらもう少し片付けてたんだけど」
「ふふ、分かってますから大丈夫です」
あれからすぐに会社を出ると、歩いて40分ほどの道のりをゆっくりと話しながら帰ってきた
帰る途中で覗いた駅は大混雑だったし、勿論道路も渋滞していたから歩いて帰って正解だった、かな
家の近くのコンビニで弁当とビールを買って、次の日の朝はカフェでいいか、なんて話しながら部屋に帰ってきたわけだけど
家に着く前から明らかに動揺している君が可愛くて、今すぐに抱き締めたくなる
そんな自分を誤魔化すように君をバスルームへと押し込んで、その隙にベッドルームを必死に片付けて
そういや一緒に寝るなんて一言も言ってなかった、とか、自分に苦笑いしたりして
まったく、どんだけ期待してんだよ……
風呂上がりの君は艶っぽすぎて先にシャワーに行かせたことを後悔するほど
そのあと食べた飯は全く味がしないっていうか、胸が一杯になってしまった
「……ユノ先輩疲れちゃいました?」
「いや、なんで?」
「だってさっきから黙ったままだし……」
そう言ってしゅんとしてしまう君が愛おしい、他人に心配されることがこんなにも心地いいなんて
「疲れてないよ」
「……そ、ですか///」
「チャンミン」
「はい///」
「一緒に寝ようか」
「!!!!は、はい///」
俺の言葉にみるみる赤く染まる君が愛おしくて、思わず抱き寄せてしまった俺だったんだ
. 君を好きでしょうがない 27
~Yside~
『今日は俺の家にこないか?』
そう言って微笑むアーモンドアイから目が離せない、え………今、なんて?
「えっ?ええええっ!?///」
「ふふ、そんなに驚かなくても」
「で、でも!!///」
「だって帰れないだろ?タクシーだってきっと捕まらないよ?」
夕方のラッシュ前に起こった線路での事故、車から火が出て大ごとになってしまったらしく
皆んな帰りの手段に頭を悩ませていたところだった
た、確かにニュースではタクシーに並ぶ長蛇の列が映されていたし
バスも激混みでとても乗れそうになかったけど……
「うちまで少し歩くけどさ、チャンミンの家程じゃないし、二人で歩けば、ね?」
そう言って僕の肩をポンポンと叩くユノ先輩は、部下達へと指示を出すパク課長の元へと行ってしまった
事務の女の子達は営業が手分けして送っていくらしく、なんだか社内は騒然として
……っていうか、ユノ先輩の家に行くのは決定事項なわけ?///
女の子じゃないんだから、そこまでしなくても良さそうな気も………
とはいえ僕の路線にガッツリ被っちゃってるわけだし、復旧だって目処が立たないって言ってるし
甘えちゃってもいいのかな?
本当なら次の週末に遊びに行く予定だったし、それが早まったと思えば!!///
「おーい、シムは帰れるか?」
「へっ?あ!!大丈夫です!!///」
不意にパク課長から声をかけられて、思わず大声で返事をしてしまった僕だったんだ
. 君を好きでしょうがない 26
~Yside~
「え?事故?」
「ええ、線路に車が突っ込んだらしいですよ、危ないですよねぇ」
「へえ、それは大変な事ですね」
取引先との打ち合わせを終えて、会社に戻ろうとしていた時のことだった
ニュース速報で流れてきたのは、かなり大きな鉄道の事故で
その近くの駅から乗り換えの駅ということもあり、多くの路線に遅れが出ているとのこと
うちの路線に影響はないけど、そこまでの距離はないから
最悪歩いて帰っても、なんて考えていたところだった
その時はあまり気にせず社に戻ったが、社内は軽くパニック状態になっていて
早めに帰宅するよう、パク課長が率先して指示を出していた
「ユノ先輩!!」
「チャンミン、これは?」
「なんか電車が全面的にストップしたみたいなんです」
「全面的?」
「あ、はい、線路に侵入した車から火災が起きて大ごとになってるみたいで」
「ええ!?」
聞けば事故を起こした車から火災が発生して、消化作業に手間取り更に電車に影響が出ているとのこと
少し待てば別の路線は復旧するだろうが、火災の起きた路線はかなり時間がかかりそうだ
「………どうやって帰ろう」
ネットで流れる動画を見ながら考え込むチャンミン、そうか、ちょうどここはチャンミンの家へと向かう路線だった
歩いて帰るには距離もあるし、夜には天気も崩れるとニュースでも告げている
一人で歩いて帰らせるなんて………
「チャンミン」
「はい」
「今日は俺の家にこないか?」
「………へ?///」
俺の言葉に驚いて振り向いた君の耳がみるみる赤く染まるのを、ただじっと見つめていた俺だったんだ
. 君を好きでしょうがない 25
~Cside~
………時々、本当に時々だけど、ユノ先輩が僕をじっと見つめているときがある
別に思い詰めてる風じゃなくて、感慨深げっていうか、その………幸せを噛み締めてる、みたいな
そんな風な甘い視線を向けられたら、いつか穴が開いちゃうんじゃないかって思うほど
次の週末においでよ、なんて極上の笑顔で言われちゃって、ただ頷くことしかできない僕
………それってやっぱりそういうこと、だよね?///
ドライブデートで初めてキスをして、会社帰りにご飯を食べに行って別れる時も何度か……
人気のない路地に連れて行かれて最初は戸惑っちゃったけど
ユノ先輩とのキスは気持ちよくて、その……体だって熱くなって
自分でもどうしようもないほど胸が高鳴って///
キ、キュヒョンの言ってたようにそういう事も色々調べてみたりもした
検索して出てきた内容は驚くものばかりだったけど、こういうのはユノ先輩に任せていればいいんだよね
だって自分からとかとても出来そうにないもの///
ああ、どうしよう!!
好きが溢れて止まらない
そんなことばかりを考えて、仕事中に一人でバタバタと暴れていたら
同僚たちに心配されちゃって、当然説明なんて出来るはずもなく
黙り込むしかない僕だったんだ
. 君を好きでしょうがない 24
~Yside~
帰りに君を誘うのは独り占めしたいから
だってね、君は気付いていないんだ
社内の奴らだけじゃなく、取引先の奴らだって君の笑顔の虜になってること
せっかく恋人になったのにこんな風に思うなんて、なんて小さな男なんだって思うけど
パソコンに向かう真剣な横顔とか
伏せた瞼を覆う長い睫毛とか
ふとした瞬間に見せるくしゃくしゃの笑顔とか
昔から知ってる筈なのに、いや、昔から知ってるからだろうか
ずっと変わらない君が好きで……
会社帰りに寄ったビールスタンド、ついぼんやりと考え事をしていると、心配そうに俺を見つめるバンビアイ
ああ、そんな表情にさえ………
「……ユノ先輩?」
「ん?」
「つ、疲れてますか?あの……///」
「いやまさか、癒されてる」
「………本当に?///」
「ああ、それとチャンミン」
「は、はい///」
「忘れてる、ユノ、だよ?」
「!!!!………ユ、ユノ///」
俺の言葉に途端に頬を染めて俯いてしまう君に、この想いをどう伝えればいいか分からなくて
ただ、見つめることしかできない俺だったんだ