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苺な彼とビールな僕

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. 二人の天使 24















~Yside~















「………ユノ?///」





「お前は俺の腕の中にいなきゃ、だろ?」











そう言った途端に真っ赤になるお前が愛おしい







いくら性別関係なく妊娠出産できるようになったとはいえ、男の出産にはリスクが伴う








まったく、生きた心地がしなかった………









暫くはぴったりと寄り添ってそうしていたけど、自然と唇が重なるのは仕方のないことで……






クチュ、と音を立てて舌を差し込めば、そろそろと応えるから堪んなくなる







「………ユノ、待って///」





「ん、わかってる」





「……もう少しだから、ね?」





「ああ」









諭すように背中を撫でられて、なんだよ、俺の方が赤ん坊みてぇじゃねえか……







ったく、いつの間にかお前の方がすっかりと親らしくなっちまって








「お前余裕だな」





「……え?///」





「覚悟しとけよ?」




「えっ?あっ……ん///」











俺の言葉にキョトンとするバンビアイが悔しくて、蕩けるようなキスをたっぷりとしてやったんだ








































. 二人の天使 23













~Cside~










「ふう、さっぱりした」









バスルームから出てふわふわのタオルに顔をうずめると、やっと家に帰ってきたんだって実感する








やっぱり家が一番落ち着く、よね








退院してユノに迎えに来てもらって、バタバタと片付けをしてるうちにあっという間に夜になっちゃって








子供部屋は用意してあったから問題は無かったけど、ユノとハルのいた家は当然散らかってない訳もなく








はしゃぎ回るハルは夕食前に寝ちゃうし、シウは泣き出すしでてんやわんや(笑)








まったく、先が思いやられる……








母さんが食事を用意しててくれたから本当に助かった








それにしてもハルがあんなに喜んでくれるなんて、もしかしたらヤキモチを妬くんじゃないかって心配していたのに



  




眠い目を擦りながらずっとベビーベッドを覗いているとか








しかも退院のお祝いだって僕とシウの絵まで描いてくれて









『シウはちいさいからぼくがまもってあげるね!!』








なんて、得意げにガッツポーズを決めるから笑ってしまった








髪を乾かしてリビングへと向かうと、ちょっぴり拗ねたようなアーモンドの瞳が僕を捉えて話さない








やだ、そんな目で見ないで欲しいのに///










「チャンミン遅い」





「ご、ごめん///」





「ったく、やっと帰ってきたってのに!!」





「………ユノ?///」





「お前は俺の腕の中にいなきゃ、だろ?」










 
そう言って僕を抱き寄せる逞しい胸に顔を埋めて、ユノの香りを胸いっぱいに吸い込む僕だったんだ

























. 二人の天使 22














~Yside~










我が家に新たな家族が産まれてから一週間、チャンミンの容態も落ち着いてやっと安心する事ができた








後から聞いた話じゃ、子供を産んだ後一時的に血圧が下がったらしい








それだけ体の負担が大きかったということ、麻酔がきいていても無意識のうちに子供だけは守ろうとしたのか








とにかく二人とも無事で良かった!!










ハルとの共同生活にも慣れてきて、まあその、部屋はそこそこ散らかっているが……








いつ二人が帰ってきてもいいように準備は万端!!









「ねえ、パパ?シウとママはいつかえってくるの?」




「んーそうだな、あと三回寝たら帰ってくる、かな?」




「さんかい……」




「どうした?寂しいか?」









うーんと小さな手を顎に置いて盛大に悩むポーズ、こういうとこ俺にそっくりだってチャンミンが言っていたっけ(笑)









「まにあわないんだよね、ぷれぜんと」





「うん?」





「シウとママにぷれぜんとのよういしなきゃだから!!だっておいわいでしょう?」





「ハル……」










そう言ってにっこりと笑う我が息子の笑顔にジンときて、不覚にも泣きそうになっちまった俺だったんだ


















   


 













. 二人の天使 21
















~Cside~












「うふふ、シウかわいいね、おててぎゅってしてるね~」





「ハルもこんなに小さかったんだよ?大きくなったね」





「うん!!ぼくおおきくなったの!!おにいちゃんだしね!!」











術後の回復を待って、やっと今日我が子をこの手に抱くことができた








ハルがもう一人の天使につけた名前は『シウ』だった



 



どうしてその名前にしようと思ったのかはわからない








ハル曰く彼はお腹にいるときから『シウ』なんだそう(笑)







最初は戸惑っていたユノも、ハルの意見を尊重してその名前にしたんだそう







シウ、漢字では『時宇』と書く







今を生きる人という意味


かけがえのない人生、今を大切に生きて欲しいから



 




とってもいい名前だと思うんだ、うん///








枕の横に寝かせてもらったりしたけど、こうして起き上がって抱っこするのは初めてになる






ふふ、本当に可愛い






ハルとはまた違ったふわふわの髪に、大きな耳は僕に似てる?







眠っているのに顔を胸に摺り寄せてくるのは甘えん坊だからかな








今日もユノに連れられてやってきたハルは、新しい家族をニコニコと眺めてる








手を握りたいみたいでソワソワしてて、我慢してるのが可笑しくて仕方ない








弟のこと、大好きなんだよね!!










「チャンミン、退院の日が決まったぞ、おっ、シウは寝てんのか?」





「うん、さっきまで起きてたんだけどね」





「なんだよ、残念だな~」





「パパ、ハルはおきてるよ~」









しきりに残念だと項垂れるユノの足の間からハルが登場して、大爆笑してしまった僕達だったんだ























. 二人の天使 20













~Yside~











「あかちゃんかわいいねー」




「ああ、ぐっすり眠ってる」




「まつげながいねーママみたい!!ね!!」








新生児室ですやすやと寝息を立てる俺達の天使、元気で産まれてくれて本当によかった






産まれた時はクシャクシャでわかんなかったが、どうやらうちの次男はチャンミンに似ているらしい







ハルが産まれた時も母子ともに弱っていて、最初のうちは誰に似てるんだかわかんなかった







そういやチャンミンだけは『アーモンドの瞳がユノそっくり』って言っていたっけ







母親ってのは正に神秘、だよな!!








さっき目を覚ましたチャンミンは、息子の顔を見ると安心したのか今はぐっすり眠ってる







ハルがはしゃぎまくって困るから病院内を散策したり、アイスを食べたり






お義母さんは一旦家に帰って行ったし、海外にいたばあちゃんも明日には戻ってくるらしい






また、余計なものを大量に持ってきそうで不安しかない(笑)







「ねえパパ、もうおなまえでよんでいいの?」





「うん?そうだな」





「うふふ~ぼくがはじめてよぶんだね」





「そうだな、ハルがつけたもんな」





「うんっ!!」





「じゃあせいのでパパと一緒に呼んでみるか!!」




「はーい!!」











満面の笑みで片手をあげるハルを抱っこして、新しい家族に改めて挨拶をしたんだ



























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紫苑☆

Author:紫苑☆
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