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苺な彼とビールな僕

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. 愛しのチャンスニ 4








~Cside~






「……あっ……ん…ユノ////」




真剣に話す僕の言葉を遮るように唇が落ちてきて、そんなの抗うことなんて出来るはずもない



だって僕だってずっと触れたかった



深くなる口付けは次第に熱を帯びて、Tシャツの隙間からスルリとユノの指が肌に触れる



「……あっ////」


「チャンミン、嫌?」


「……嫌なわけない////」


「!!!!そんなセリフやばい////」


「何言って………んっ……!!////」




肌に触れられると痺れたように体が熱くなって女の子みたいな声が出てしまう



足のあたりに感じるのはユノの昂りで、考えただけで顔から火が出そうだよ




「チャンミン真っ赤だ」



「……う、煩い////」



「ここも赤い」


「……あっ……ああっ!!////」




いつの間にか捲られたTシャツ、露わになった胸の突起をペロリと舐められて、もう片方の突起は指で弄ぶように撫でられて




じわりと涙が溢れて僕は枕をぎゅっと握った




「可愛すぎだから、それ」


「……な、何言って……んっ……////」




甘いキスでたっぷりと唇を塞がれた後、僕はユノにトロトロに蕩かされてしまったんだ























. 愛しのチャンスニ 3








~Yside~






出張から戻るとすぐに会いたくなるのは仕方のないこと



もう日付も変わってしまったけど、空港からタクシーを走らせて君の元へ




……だってね、一週間も離れていたんだ




電話で話してもやっぱり触れたくて仕方ない、本当なら店に出ることだって辞めさせたいくらいなのに




いっそ閉じ込めてしまいたいよ




最近はやっと素直に甘えてくれたり、俺の言うことに応えてくれたり




細い身体を擦り寄せて、抱きしめた腕を背中に回すとか、随分な進歩じゃないだろうか




本当は夢なんじゃないかって思うけど、腕の中にある確かな温もりに、欲張りな自分を抑えるのに必死な俺がいて



なのに、宝石みたいな瞳を潤ませてキスをねだるとか



…いっそこのまま俺のものにしてしまいたい




「ねえ、ユノ聞いてる?」


「……ん、ああ」


「もう、必死に考えてるのに!!」


「ごめん、君に見惚れてた、で、何?」


「!!!!////だ、だから…一度シウォンさんとキュヒョナを誘って食事でも……わっ!!////」




最初はおかえりのキスだけで我慢していたけど、流石にもう我慢の限界がきたみたい




まだ話そうとする唇を塞いで、息が止まるほどきつく抱き締めた




「………んっ…ユノ////」


「ごめん、ちょっと触れさせて?」


「………あっ////」




抱き締めたままの君をソファに押し倒すと君の首筋に顔を埋めて、甘い香りを胸いっぱいに吸い込んだんだ











. 愛しのチャンスニ 2








~Cside~





『それでママの話って何だったの?』


「あ……うん、キュヒョナのことだったんだ」


『キュヒョナ?あの店に新しく入った子?』



ガサガサと音を立てながら聞こえるユノの声、ママとご飯を食べに行くって言ったら、心配だから帰ったら連絡しろ、なんて言われて……



ユノだって接待でホテルに戻ったのはさっきだって話してたのに、まだシャワーも浴びてないんじゃないかな




出張でもう一週間も会えてなくて、待ち遠しいのは仕方ないけど声を聴くと余計に会いたくなるのに////



『……で?』


「あ……実はこの前シウォンさんと揉めてね、理由はよくわからないんだけど」


『揉めた?シウォンさんが?珍しいな』




そう、ほんと珍しいんだよね、シウォンさんが怒るなんて



とても穏やかで優しい人なのに……その後キュヒョナは泣いてしまうし、一時は店内も騒然としちゃって



とりあえずはママが宥めてその場は収まったんだけど、キュヒョナは断固として口を割らなくて




でも……ママ曰くキュヒョナはどうやらシウォンさんに恋してるみたいだって言ってた



まるで僕がユノに再会した頃みたいだって////



自分の気持ちがわからなくて八つ当たりしてしまう気持ちは、僕ならわかってあげられるんじゃないかって言われて




『なんかややこしいみたいだね』


「………うん、まだ知り合ったばかりだし」


『帰ったら相談に乗るよ、明後日には戻れるから、ね?』


「うん、ありがと////」


『早く逢いたい』


「……////」


『チャンミン愛してる』


「…ぼ、僕も////」




ユノとの電話を切った後、不器用な僕に何が出来るだろうって考えながら眠りについたんだ



































. 愛しのチャンスニ 1








~Cside~





「ママ、お疲れ様でーす」


「お先に失礼しまーす」


「はーい、気をつけて帰るのよ」



先に出て行くスタッフ達を見送ると僕はママと一緒に店を出た



閉店時間には早いけど、今日はお客さんも少ないし、早めに閉めることにしたみたい



ママってばユノが出張で来れなくて元気のない僕に、何かご馳走してくれるんだって



どこに行くかは教えてくれないけどタクシーに乗せられて、時間がもったいないからとメイクにドレスもそのままで(笑)



うちのママは人気者だから、閉店後はアフターが多いんだけど



なんかママと2人きりとか久しぶりでちょっと嬉しいな



だって、とてもお世話になった人だから……




「なあに?ニヤニヤしちゃって」


「いや、ママとご飯なんて久しぶりだなって思って」


「あらあら、何も出ないわよ~それにね、ちょっと相談にも乗ってほしいのよ」


「相談、ですか……?」


「大したことじゃないんだけどね、ちょっと」


「……は、はあ////」






そう言ってママは車の外に目線を移すと、物憂げな様子で溜息を一つついたんだ




























. チャンスニの憂鬱 ~彼は恋人~ 14








~Tside~





「じゃあママお先に失礼します」


「お先でーす」


「はいお疲れ様、気をつけて帰るのよ~」


「はーい♡」




表通りで店の女の子達と別れた途端、タイミング良く私の前で止まった白のアウディ



……ほら、やっぱり現れた



「ママお疲れ様、ちょっと付き合って?」


「シウォンさん……まったく仕方のない人ね」


「ふふ、慰めてくれないの?」



この前チョンさんにチャンスニとの中をカミングアウトされちゃって、俺はカッコ良く見守るよ、なんて言っていた筈なのに



……やっぱりショックだったって訳ね




シウォンさんはうちの店でも開店当初からの常連さんで、今までも店の子と色々あったりもしたけれど……チャンスニには結構本気だったみたい



しかも自分が引きあわせるキッカケになっていたなんて、運命ってほんと残酷



チャンスニも満更でもないのかしらって思ったこともあったけど、あんな素敵な王子様が現れちゃったら叶わないわよね/////



あんなに真剣な目をして、誠実に通ってくれる人なんて、なかなかいないし




ハンドルを握ったまま黙ってしまったシウォンさん、いつもの饒舌さは何処へやら、だけど(笑)




また店には新しい子も入るし、きっとまた違う風が吹いてくれるわよね




「ママ、ラーメンでも食いに行こうか」


「やだ!!太っちゃうじゃない」


「いいからいいから、今日はやけ食いだ」




まあ、そんなことくらいでシウォンさんが元気になってくれるならお安い御用♡




明日はちょっとにんにく臭いかもだけど、まあ、どうにかなるわよね






























. プロフィール

紫苑☆

Author:紫苑☆
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