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. 二人の未来 7
~Cside~
「チャンミン、改めて俺と結婚して欲しい」
「………はい///」
ユノさんの言葉に胸がいっぱいで何も言えなくなってしまう
僕も大好きですって、心から愛してますって伝えたいのに
抱えた花束に顔を埋めて甘い香りを吸い込むと、視線の先にはそれより甘いあなたの顔があって
驚いて後ずさる僕の腰を抱えて不適に笑うとか
もう……心臓が飛び出してしまいそうだよ///
「さて奥さん、俺にもプレゼントをくれないか?」
「えっ?///」
ユノさんの突然の言葉に呆然とする僕
どうしよう、何も用意していないのに………
「ユ、ユノさん、あの、わっ///」
「ふふ、何慌ててるの?」
「だ、だって急に!!///」
急に視界が歪んだと思ったら僕はユノさんに抱き上げられていて
こんな状況で冷静になんていられるわけがないのに!!///
「もうシャワーも済ませた事だし」
「で、でも///」
「俺の人生最高のプレゼントは君だ」
「………ユノさん///」
ああ、どれだけ僕を夢中にさせれば気が済むんだろう………
あなたの腕の中で幸せを噛みしめながら、その胸にそっと寄り添う僕だったんだ
. 二人の未来 6
~Yside~
「リウからの連絡はあった?」
「あ、はい、まだ機内からですが」
「そうか、かなり弾丸だったからね、君は少しは休めたの?」
「えっと、はい///」
夕食を摂りながらの何気ない会話、普段と変わらないのに何故かこそばゆいのはお互いに意識をしているから?
何年経っても変わらない反応に俺の方がドキドキとしてしまう
君にはなるべく知られないようにしなきゃ格好がつかないな
こうして新鮮な気持ちになれるのは君がそばにいてくれるから
食事を済ませると交代でシャワーを浴びて、隠しておいた花束を用意する
何か記念になるものをと思ったが、それはまた二人で買いに行けばいいだろう
偶には2人で旅行もいいかもしれない………
「………ユノ、さん?///」
「やあ来たね、奥さん」
「お、奥さん!?///」
俺の言葉に驚いてフリーズしてしまう君
花束を差し出すとみるみる透明な膜に覆われるバンビアイが愛しくて堪らないよ
「………どこに、隠してたんです?」
「ふふ、なかなかうまくいっただろ?」
「……はい、流石チョングループの社長ですね?」
「ああ、チョン社長はいつでも君に夢中だ」
「………ユノさん///」
「チャンミン、改めて俺と結婚して欲しい」
「………はい///」
君の言葉が終わらないうちに細い腕を引き寄せて、腕の中に閉じ込めてやったんだ
. 二人の未来 5
~Cside~
夢中でピアノを弾いていたら、いつの間にかすっかり陽は落ちて外は夜の帳に包まれていた
いけない、もうユノさんが帰ってくる頃かも
僕は慌ててピアノから離れると、ソファに置いたままのスマホを手に取った
コンコン
と、ドアをノックする音が響いた同時に現れたのは僕の一番大切な人
い、いつの間に帰ってきたんだろう?玄関を開ける音すら聞こえていなかった!!
「ただいまチャンミン」
「ユノさん!!すいません僕、全然気がつかなくて」
「いや、いいんだ、きっとここだと思った」
「………え?///」
「きっとお母さんに報告してるだろうってね」
「あ///」
そう言ってにっこりと微笑むアーモンドの瞳に胸がジンと熱くなる
どうしてあなたには何もかもバレてしまうんだろう///
「で?おかえりのキスはしてくれないの?」
拗ねたように僕を軽く睨むから、思わずその胸に飛び込んだ
ああ、なんだか泣いてしまいそうになる……
「こら、また泣いてる」
「……な、泣いてません!!///」
「ふふ、嘘つきさんだな、ほらちゃんと顔見せて?」
「………や……ん///」
必死に顔を隠そうとするのに、容赦なく顎を掬われて蕩けるようなキスが落ちてくる
やだ、そんな風にされると体が熱くなっちゃうのに///
チュッと音を立てて離れた唇が名残惜しくて思わず手を伸ばす
「このままここで襲いたいくらいだが、君のためにもとりあえず腹ごしらえをしないとね」
「なっ!!///」
「ほら、お腹と背中がくっついてしまいそうだ」
「ユ、ユノさん!!///」
クスクスと肩を揺らすあなたの胸をトンと叩いて、思い切り睨み返してやったんだ
. 二人の未来 4
~Yside~
「社長、今日の会食の予定ですが……」
「ああ、今日は予定があると断りの電話を入れておいた」
「そ、そうですか」
「あと、すまないがここの花屋に連絡してくれないか?」
「えっ?あ、はい!!」
「頼むよスホ」
「はいっ!!」
バタバタと部屋を出ていくスホに思わず口元が緩む
まったくなんであんなに嬉しそうなんだか
空港での経緯を知っているからだとは思うがニヤケすぎじゃないのか、いや、それだけ喜んでくれているということか
あれでは後で室長にどやされそうだが(笑)
会社に来れば当然仕事が山のようにあるわけだが、今日はそうも言ってはいられない
実はずっと前から君に内緒で書類だけは用意をしておいた
君がパートナーである事に変わりはないが、名実ともに認められるという事はとても重要な事だし
とりあえず思いつくものは全て手配した、花束、ケーキ、ワイン、食事はまた日を改めて出かけるとしよう
久しぶりにチャンミンの実家に顔を出すのもいいかもしれない
だって報告もしなきゃ、ね
まだ明るいうちに仕事を終わらせて、車を走らせれば真っ赤な夕陽が落ちてくる
さっき入れたメッセージには既読がつかないまま
君の事だ、きっと……
後部座席に置いた薔薇の花束を眺めながら、はやる気持ちを抑えきれない俺だったんだ
. 二人の未来 3
*リウの帰還のその後のお話です^^
~Cside~
「じゃあ行ってくるよ、君も少しは休みなさい」
そう言って触れるだけのキスをすると、ユノさんはスホさんの運転する車で会社へと向かった
車の中での濃厚なキスとか、いくらスホさんが運転してるからっていってもミラーには映っているのに
………は、恥ずかしいから本当にやめて欲しい///
こういう時のユノさんはちょっぴり意地悪で、本当に困ってしまう
ああ、リウとミヌを送りに行っただけなのに、なんだかドッと疲れた気がする
いや、疲れたっていうか、心臓がドキドキして今にも飛び出してしまいそう
今日は休みをとっておいて本当に良かった
エントランスを抜けてエレベーターのボタンを押すと、ふうと大きく息を吐いた
ここに越してから十数年、ユノさんと出会ってから本当に色々な事があった
母さんのピアノの前でプロポーズを受けた日のこと、今でも鮮明に覚えている
まさか法律上で認められる日が来るなんて思いもしなかった
どうしよう、幸せすぎて泣いてしまいそう………!!
家に帰ってからも落ち着かず、部屋の片付けや晩御飯の下ごしらえを黙々とこなす
こういう時はお祝いのケーキとか買いに行くべき?
父さんに報告したほうがいい?
あ………そうだ!!
家の用事を一通り済ませると、僕はピアノのある部屋へと向かった
一番先に報告しなきゃならない人を忘れていた
僕はピアノに一礼すると、真っ白な鍵盤へと指を置いた
ポーン
ひとつ目の音、うん、この前調律してもらったからとても良い音だ
すう、と息を吸い込むと昔よく弾いた練習曲を奏で始めた
昔は家族や友人のために弾いていたっけ
今は僕らの大切な宝物、リウのために
そして愛してやまないあなたのために
ユノさん
ユノさん
心から愛しています
どうやってあなたへの気持ちを伝えたらいいんだろう
僕には大きすぎてとても伝えられそうにありません
夕暮れに染まる空を眺めながら、僕は大切な人への想いを込めてピアノを弾き続けたんだ