苺な彼とビールな僕

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～Cside～










ガラガラガラガラガラガラガラガラ








スーツケースを押してガタガタの歩道を歩く僕







この辺りは坂が多いから大変なのに、空港から地下鉄で帰ってこいなんて！！







この急な坂を上ったところにモデルの事務所があって、僕は一週間の海外撮影を終えて帰国したところ







なのに迎えにも来てもらえないし、もう１つ仕事が入ってるから事務所へ来いと言われた！！






……まったく、なんて人使いが荒いんだ






あの日……ユノヒョンとラーメン屋で会って逃げ出した日からずっと悩んでいたのに、あまりのハードスケジュールで考える暇もなかったよ






ああ、一週間もあの横顔が見れてない……会いたいな……





切れ長の黒目がちな瞳とか、まっすぐ伸びた鼻筋とか、綺麗な顎のラインとか







幼い頃の面影を残したまま大人になって、あんな素敵な人に……






………/////






やっぱり会ってちゃんと伝えないと、このままじゃ唯の不審者じゃないか！！


今度会ったら絶対に話しかける！！







……でも、いつ会えるんだろ？






まさか、知らない会社の休憩室に入り込むわけにもいかないし







偶然を装って会うのが一番自然なんだよね…







はあ、難しい……


なんであの時逃げちゃったんだろ、僕（泣）







坂の途中で止まって大きく溜息をつく、気を取り直して歩こうとスーツケースを左手に持ち替えたその時！！






「ああああっ！！（汗）」







ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ






手が滑りスーツケースは坂を一人で下り始める！！





結構な急斜面をスーツケースはスピードを上げて急降下をはじめた！！






やばい！！これはやばい、慌てて追いかけるけど僕って走るの苦手だった（泣）






とても追いつけないよ、どうしよう坂の下の角から人がこっちに来る！！






「危ないっ！！スーツケースが！！そこの人避けてぇーー！！！！」



「……はっ！？えっ、ええええっ！？」







最初は僕の声に驚いてフリーズしたその人、ひらりと自分の鞄を投げると、迫り来るスーツケースを果敢にも両手で受け止めた






「ナイスキャッチ（笑）」






……あ！！あれは…！？/////








坂の下でスーツケースを持ってサムズアップしていたのは、僕が一番会いたいと思っていたユノヒョンだったんだ

2020-05-01 22:30 ｜カテゴリ : Puppy Love ｜コメント(-) ｜トラックバック(0)