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. 俺の最強様 ~あなたに触れたくて~ 4
~Yside~
「うん、美味い!!」
「ふふ、良かった、ここのお肉美味しいんですよね」
「まさか家で出来ると思わなかったなぁ、流石チャンミン!!」
「い、言い過ぎですよ///偶々です!!」
そう言って口元を緩ませる可愛い恋人、家で飯を食えることがこんなにも幸せな事だったとは!!
さっきは抑えきれずキッチンで追い詰めてしまったが、あのまま暴走しなかった自分を褒めてやりたい
最近は一刻も早く俺のものにしたいって気持ちが強くなっちまって、少々焦っているのかも
だって他のやつに狙われるとか本当に勘弁して欲しい……
一応結婚を前提にした付き合いって事だけど、まだまだそこまで気持ちが追っ付かないっていうか
まあ、俺として全然OKなんだが、チャンミンがどう思ってるのかもわかんないし
「ユンホさん、もうお腹いっぱいですか?」
「あ、いや///」
「キムチも焼きましょうか?海苔もありますよ」
「いや、俺も手伝うよ、さっきからずっと立ちっぱなしじゃないか」
「えっ?いいんですよ、だって///」
「ん?」
「ユンホさんに、食べて欲しいから、その///」
そう言って真っ赤になって俯いてしまうチャンミン、なんだよそれ!!破壊級の可愛いさじゃないか!!
「やばいな、それ///」
「えっ?///」
「俺を殺すつもり?」
「えっ?えっ?ちょ………ユンホさん?///」
「早く触れさせて?我慢できそうもない」
俺の言葉に真っ赤になって逃げていく後ろ姿に、緩む口元を抑えきれない俺だったんだ
. オオカミなんかじゃない 11
~Cside~
いったい、何が起こったんだろう………
もしかして僕、寝ぼけてる?昨日あったことって全部夢だった、とか?
いやいや、キッチンのゴミ箱にはカップラーメンが残されているし、ソファにはかけてあげたブランケットがキチンと畳んである
部屋の中を一通り見回してからソファへと座り、じっと考えてみる
あれって耳だったよね、そしてパタパタと揺れていたのは確かに尻尾だった
あれって俗に言う狼男ってやつ?
銀の玉でやっつけなきゃ死なないとか、そういう系?
…………もしかして僕、狙われていた、とか?
いやいや、とてもじゃないけどそんな風には見えなかった
具合だって本当に悪そうだったし、あの真っ直ぐな黒目がちな瞳は嘘をついているようには見えなかった
『甘い………』
あれってどういう意味だったんだろう、別に香水とか付けてる訳じゃないのに
熱い吐息が首筋にあたるたびにドキドキと胸が高鳴って、体の奥がジンと熱くなって………
いやいやいやいや!!///
とにかくもう出て行ったんだし、まさか戻ってきたりはしないだろう
でも………行くあてもなさそうだった、よね
天気予報じゃ明日まで雨だって言ってたし、またどこかで野宿とかするのかな
お兄さんには連絡…………
色んな考えが止まらなくなって思わず頭を横に振る
きっと僕、疲れてるんだ、忘れよう、うん、こんな事滅多にあるもんじゃない
夜はまたキュヒョンを飲みに誘ってもいい、そうだ!!夜通しゲームもいいかもしれない
僕はブランケットを洗濯機に放り込むと、気を取り直して部屋の掃除を始めたんだ
. 俺の最強様 ~あなたに触れたくて~ 3
~Cside~
「…………んっ………ユンホ……さ///」
「チャンミン可愛い」
「ま、待って……んん///」
期待してなかったといえば嘘になる
そりゃ僕だって先には進みたいし、ユンホさんと触れ合いたいって思ってはいるけど………
シンクに追い詰められて、舌を絡めるように唇を奪われてまったく動けない
なんだろ、今日はやけに積極的な気がする、いつもは焦ったいくらいに慎重なのに
ユンホさんの手はそろそろと僕の腰のあたりを撫でていたけど、遂にはシャツの隙間からつるりと指を差し込んだ
甘い刺激に堪らず跳ねる体、触れただけでこんなにも感じてしまうとか!!
しかもそんな風にされたら体の奥が…………!!///
「………ベッド、行く?」
「ダ、ダメです///」
「ん?なんで?」
「お、お肉食べなきゃ………それに///」
「ん?」
「シャワー浴びたい、です///」
「うん、じゃあ後で一緒に浴びよう」
「なっ!!!!///」
「あーはーはーはー!!」
思いもよらない言葉にフリーズしてしまう僕に、ユンホさんは笑いながらもそっと腕を離してくれたんだ
. 俺の最強様 ~あなたに触れたくて~ 2
~Yside~
「やあ、いらっしゃい」
「あの、遅くなっちゃって///」
「いや、俺もさっき帰ったばっかだよ、入って?」
「あ、はい///」
チャンミンにメッセージを送った後、仕事を早めに終わらせて家へと戻った
予め掃除はしておいたから、問題は散らかった部屋の中
脱ぎっぱなしの部屋着やらバスタオルやらせっせと洗濯機に放り込んで、出しっぱなしのゲームも引き出しへと押し込んだ
クローゼットから服がはみ出てる気もしたけど、それはそれでいいだろう
うん、完璧!!
「ユンホさん、あの、これ///」
「おっ!!旨そうな肉!!」
「ふふ、焼いて食べようと思って、サンチュも買ってきたんです、あとサムジャンも///」
そう言って肉を持ってにっこりと微笑むバンビアイ、ああ、今すぐ抱きしめてしまいたい!!
「すげ、焼いてくれるの?」
「はい!!あ、ちょっと油が飛んじゃうけど///」
「全然大丈夫、あ、ビール買っといたよ」
「わ!!ありがとうございます///」
キッチンいそいそと荷物を片す我が恋人、鼻歌なんて歌っちゃって可愛いったらない
飯もいいけどそれより………
「チャンミン」
「わわ、ユンホさん?///」
「ちょっとだけ抱き締めていい?」
背後から閉じ込めるようにそうっと抱き締める、強引すぎるのは良くないけど、これくらいは許して貰えそう?
「も、もう、抱き締めて、ます///」
「ん、じゃあキスしていい?」
「!!!!そ、そんなの聞かなくても///」
俺の言葉に顔を真っ赤にして振り返る君、睨んでるわりには潤んだ瞳がやけに艶っぽい
堪らずチュッと軽く口付けると、ピクンと体を震わせるから止まらなくなる
「……んっ……ユン…ホさ///」
「ちょっとだけな?」
くるりと体を返してもう一度抱き締めると、浅く開いた唇にねっとりと口付けたんだ
. オオカミなんかじゃない 10
~Yside~
「チャンミン」
「ち、近寄るな!!」
「チャンミン」
「き、君っていったい!!」
あまりに驚いたチャンミンの顔に、居た堪れなくなった俺はそのまま部屋を飛び出してしまった
やばい、胸が苦しくて堪らない
気をつけていたのになんで………普段ならこんな事はないはずなのに
そう、俺は普通の人間じゃない
こっちの世界とは別の狼人間の世界からやってきた
遥か昔は人間と共存していたこともあるらしいが、今はひっそりと紛れ込んで暮らしている
見かけは人間と別段変わった所はないが身体能力が高かったりだとか、獣の姿に変わったりだとか
大人になるにつれ姿もコントロールできるようになるから、こっちの世界で暮らしてもなんの問題もない
現に兄さんだって普通の人間としてこっちの世界で暮らして居るわけだし
こちらで暮らすルールとして当たり前に正体を知られるのはまずい事で
まあ、それが恋人や結婚相手なら話しは別だろうが………
「どうしよう、また野宿かよ」
仕方がなく元いた公園に戻り、奥まった場所にあるベンチへと腰掛ける
せっかく優しくしてもらったのに、あんな別れ方をして、しかも何度も抱きついたりしてしまったし………
あの、甘い匂いのせいだろうか?
「チャンミン」
さっき別れたばかりの人のことが頭から離れなくて、公園のベンチで膝を抱え込む俺だったんだ
. オオカミなんかじゃない 9
~Cside~
「ねえ、チャンミンって何か香水付けてる?」
「え?香水?わわっ!!///」
「なに、すごく甘い」
「ちょ!!やめろって!!擽ったい!!///」
いきなり腕を引かれたと思ったら、僕はユノの腕の中にいてぎゅうぎゅうと抱き締められていた!!
しかも首筋に顔を埋めてスンスンと匂いを嗅ぐからたまったもんじゃない!!///
「………んあっ!!///」
自分でも甘い声を出しちゃって慌てて口を押さえた、どうにか逃れようと踠いていると、視界の端に見慣れぬものが映る
パタパタッ
え…………これって?まさか…………尻尾?
ぴったりと僕に張り付く体をどうにか剥がして振り返る、するとユノの頭の上にはぴょこんと耳が飛び出していた!!
「チャンミン?」
「み、耳!!!!それに尻尾!!!!」
「へっ?あ!!///」
慌てて耳と尻尾を押さえるユノ!!てか、そんなんじゃ隠れるわけがない
「チャンミン」
「ち、近寄るな!!」
「チャンミン」
「き、君っていったい!!」
僕の言葉に悲しそうにキュッと下唇を噛んだユノは、そのまま部屋を飛び出してしまったんだ
. 俺の最強様 ~あなたに触れたくて~ 1
~Cside~
『今日は早く帰れそう、良かったらうちに来ない?』
そんなユンホさんからのメッセージが届いたのは、ちょうど取引先を出たところだった
やばい、顔がにやけちゃう///
ユンホさんと付き合い始めてもう1ヶ月が経った
付き合い始めは本当にぎこちなくて、恋愛下手っていうか、不器用っていうか
お互いがお互いを過剰に意識しちゃってて(笑)
それに、最初はうちの叔母とかチョン夫人とかも探りをいれてきたりしてたから余計だったかも
そこはユンホさんがご両親に『僕達のことは静かに見守って欲しい』って伝えてくれたから
あんまり詮索されるとこっちも構えちゃうし///
忙しかった仕事も落ち着いて、最近では食事に行ったりユンホさんのお家に通ったりしている
なんでもユンホさん曰く、僕の酔った顔を他人に見せたくないそうで、お家飲みがもっぱらになっちゃって
それに………キスより先にも進めたら、なんて///
どうしよう、一旦家に帰ってシャワーを浴びようかな、下着も新しいのに変えるべきだろうか
し、下着とか!!女の子でもないのに!!///
「やっぱり一旦帰ろう、うん///」
ミラーに映る火照った顔をパチンと叩いて、急いで家へと車を走らせる僕だったんだ
. オオカミなんかじゃない 8
~Yside~
「は?仕事で帰れない!?」
『そうだよ、てか、お前どこにいるの?』
「あーえっと、その///」
『来るなら来るって言っとけよ!!父さんが心配してただろ!!』
「…………」
『とにかく俺が戻るのは最短でも2日後だ!!他人に迷惑かけてんじゃねぇ!!戻るのが嫌なら野宿でもして待ってろ!!』
やっとの事で連絡がついた兄さんは激怒りで電話を切ってしまった
まさか仕事で海外に行ってるとか思いもよらなかった
やばい、俺ってばマジで行くとこないじゃん、やっぱり帰るべきなのか、いやいや、こうなったらどっかでバイトして……
「えっと、ユノ、君?」
「ユノでいいよ、あ、電話ありがとう」
「ううん、お兄さんなんだって?」
「あーなんか、仕事で海外にいるらしくて、帰ってくるのは2日後だって」
「そ、そっか」
足元に落ちたブランケットを拾いながらチラリと見上げるバンビアイ
出てかなきゃ……いつまでもこの人に甘えてばっかじゃいられない
そう思うのに、なんだろう、やっぱり甘い………
「ねえ、チャンミンって何か香水付けてる?」
「え?香水?わわっ!!///」
「なに、すごく甘い」
「ちょ!!やめろって!!擽ったい!!///」
逃げようとする体をグッと引き寄せて、甘い匂いのする首筋に顔を埋めたんだ
. オオカミなんかじゃない 7
~Cside~
なんでこんな事になっちゃったんだろう………
まるで捨て犬みたいに人を拾ってきちゃって、最初はトイレだけって思っていた筈なのに
気付けばその人はうちのソファですうすうと寝息を立てていて……
長い体をクルンと丸めて、まるでワンコみたいに小さくなってる
黙っていればクールなイケメンなのに、喋るとどこか舌っ足らずで子供っぽいとか
どうにか事情を尋ねてみたら、お兄さんと連絡が取れなくて困っているみたい?
一応僕のスマホからメッセージを送ってみたけど、まだ返事は既読がつかないまんまだし
財布も携帯も持ってないとか、何か事情がありそうだけど、ま、そこまで聞かなくてもいい、よね
外もまだ大雨が降っているし、ここに連れてきてしまった以上は僕にも責任がある
危害を加える感じもしないし、なによりあの真っ直ぐなアーモンドアイ
とても、放ってはおけないよ……
そんな事を考えながらシャワーを済ませると、当の本人はとっくに夢の中だった(笑)
ビールを片手に寝顔をじっと見つめる、うん、やっぱり凄いイケメンだ///
丸くなった体にタオルケットをそっと掛けると、僕はリビングを後にした
朝起きたらいないかもしれないけど、それはそれでいいだろう
僕の家には盗るようなものもない事だし
「おやすみユノ」
「ん……」
人の家で穏やかに寝息を立てるそいつに、思わず苦笑いしてしまう僕だったんだ
. 俺の最強様 ~恋人初心者~ 27
~Cside~
「シウォンさん、僕、このお話はお受けすることができません」
「ん、そっか」
「すいません、あの……」
「いや、いいんだ、わかってたんだ、ただ……君がもしかして無理をしてるんじゃないかって思ってさ」
そう言ってシウォンさんはバツが悪そうに頭を掻いた
どうやらシウォンさんは僕の縁談の話を聞いて、僕がその……屋敷の為に身売りしたのかと思っていたらしい
どうりで………急に帰って来てプロポーズだなんておかしいと思ったよ
そりゃ確かにチョン夫人には助けて貰っているけど、ユンホさんとのことは全く別の話
僕が僕の意思であの人を好きだと思っているから///
「チャンミン、今幸せか?」
「はい、勿論です!!」
「ならいい、結婚式には花でも贈るよ」
こうしてシウォンさんは僕の前を去っていった
シウォンさんを見送った後、すぐにユンホさんに連絡をしてプロポーズを断ったことを伝えた
別に怒ってはないけどちょっぴり不機嫌なユンホさん
僕が誰かと2人で会うことが気に入らないとか、子供みたいに口を尖らせて
そんな、ユンホさんも好きだ、なんて
僕も相当なのかもしれない、よね