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. 君じゃなきゃ意味がない 30
~Cside~
「チャンミン、もう一回」
「………え?///」
「もう一回言えよ」
「…………好き///」
アーモンドの瞳に見つめられ、思わず口をついて出てしまった言葉
そして、あまりのことに俯いてしまう僕に触れたのは………まさかユノの唇?
えっ!!これってまさか!!///
「ユ、ユノ!!///」
「ぷっ、チャンミン顔真っ赤!!」
「なっ!!///
「あーはーはーはー!!」
結局は2人して大笑いしちゃって、さっきまでの甘い雰囲気は何処へやら
せっかく想いを伝えあったっていうのに、僕達らしいっていうか
一頻り笑った後は2人でカップラーメンを啜って、とても幸せだって思ったけど、でも………
「ね、ユノ、聞いて欲しいんだ」
「ん?何?」
「僕のこと好きって言ってくれるのはとっても嬉しいんだけどね」
「うん?」
「ユノはその……芸能人なわけだし、アジアのスターだから……」
「却下」
「はっ?まだ何も言ってな……」
「もう無理、チャンミンだって好きって言ったじゃん」
「えっ?ちょっ!!ユノ!?///」
「俺、一途だから覚悟して?」
そう言ってニヤリと笑ったユノの顔が、今まで見たことないくらい嬉しそうで
結局は何も言えなくなってしまう僕だったんだ
. 二人の天使 11
~Cside~
「ん………あ……れ?」
ふと目を覚ませば見慣れぬ天井、ここは一体?確か僕は家にいた筈……なんでこんな所に………?
「目え覚めたか?」
「……ユノ?」
「気がついて良かった、家で倒れたんだよ」
「………え?あ!!ハルは!?」
「あ、バカ!!急に起きるんじゃねぇよ!!」
心配そうに僕の顔を覗き込むユノ、起き上がろうとする体をそっと押されて思わず睨み返す
「ね、ハルは?」
「今姉貴が見てる、さっきまでついてたんだけど寝ちまったんだよ」
にっこりと笑って僕の髪を撫でるユノ、外はまだ明るい?
仕事を途中で抜けてきてくれたんだ……
お腹に張りを感じて思わずハッとした、もしかしてこの子に何か………?
「子供は大丈夫だから安心しろ、な?」
「ユノ」
「バカ、泣くなって、でも早く外に出たいらしい」
「………え?」
「先生から手術の日、早くしようってさ」
「そっか」
僕の手を握ってキスをするユノ、なんだかハルの産まれる前を思い出してしまう
そして、あの時のことも……
「心配しなくていい、俺がついてるからさ」
「………ユノ」
「チャンミン愛してる」
「ん、僕も///」
ベッドの上で受けるユノのキスがあまりにも優しくて、なんだか泣きそうになってしまう僕だったんだ
. 君じゃなきゃ意味がない 29
~Yside~
「ユノ、ね、聞いて?」
「やだ」
「座って話そう?ね?」
握った手から伝わるあなたの温もり
なんだよ、そんな落ち着いた顔しちゃって、切羽詰まってんのは俺だけなのかよ!!
せっかくの告白もこんなにしまらないとか、天下のU-KNOWが聞いて呆れる
何がアジアの大スターだよ……
「ユノ、こっち、ね?」
「………///」
優しく俺を促すバンビアイ、襟足から伸びた綺麗な首筋がやけに色っぽい
耳が赤く染まってるのは俺のせい?
ダメだ、やっぱり期待しちまうよ………
隣り合わせにソファに座ると、手を離そうとするからギュッと握り締めた
待って、やっぱりこの気持ち止められそうもない
俺のことを否定しないで!!
「………ユノ、僕ね、その……ユノといるといたもドキドキしちゃって、この気持ちが何なのかってずっと考えてた」
「………」
「ユノはかっこいいし、アジアのスターだし、そういうとこ憧れてるからかなって思ってたけど」
「………」
「でも、違うんだ、パフォーマンスがうまくいかなくて悩んでる姿とか、僕の隣でラーメン食べてる姿とか、そういうのがね、好きっていうか……その///」
「チャンミン!!」
「わわっ!!ちょ!!///」
逃げようとする体を抱き寄せて腕の中に閉じ込める
今、好きって言った、よな?
「チャンミン、もう一回」
「………え?///」
「もう一回言えよ」
「…………好き///」
そう言って目線を泳がせるあなたが可愛くて、ちょっぴり尖った唇に触れるだけのキスをしたんだ
. 二人の天使 10
~Yside~
「は?倒れた!?」
『そうなのよ、泣きながらハルから連絡があったの、今病院に来てるから後で寄って!!』
「そ、それでチャンミンは!?大丈夫なのか!?」
『ええ、今のところ薬が効いて眠ってる、あんた、気をつけて来なさいね!!』
俺はスマホをタップするとジャケットを手に取り車へと乗り込んだ
ったく!!こんな時に限って打ち合わせ中とか!!
客先を出て愕然としたのは、画面いっぱいに広がるハルからの着信履歴
きっと泣きながらかけてきたんだろう……
まさか、チャンミンが倒れるなんて!!
姉貴から聞いただけじゃ状況はわからないが、そういや今朝はやけに腹が張るって言ってたっけ
ああ、なんで病院に連れて行ってやらなかったんだろう
『明後日検診だから大丈夫』
そんな風に言われて、明後日なら仕事も休みだし、とか簡単に考えちまって!!
手術日まであと少し、万全を期して迎える準備はできていたはずなのに
子供を産むって本当に大変な事なんだ
幸にしてここから病院までは30分もかからない、テミンにはメッセージは送ったから仕事のことは大丈夫な筈
明日のことは明日考える!!
とにかく早くそばに行ってやらなきゃ!!
焦る気持ちを抑えて深く息を吐くと、ハンドルを握り直してアクセルを強く踏み込んだんだ
. 君じゃなきゃ意味がない 28
~Cside~
「チャンミン好きだ」
「えっ?///」
「好きなんだ」
はじめは何を言われているのかわからなかった……
好き、好きって?
え………ユノが僕のことを………!?
あまりのことにフリーズする僕、待って、それってどういう………?
「ユ、ユノ?///」
「あーもうダメだ!!我慢の限界!!」
「ちょ!!わわっ!!///」
頭をぶんぶん振って抱きついてくるユノに思わずふらりとする僕
僕の肩口に顔を埋めて全く動かなくなっちゃって、何をどうしていいのか……
「………初めて、なんだ」
「……え?///」
「こんなに他人に会いたいって思ったの」
「………///」
「俺……すげ、カッコ悪い」
「ユノ///」
そう言ったっきり動かなくなってしまったユノ
あんまり突然すぎて頭がついていかないけど、でも………
「ユノ、ね、聞いて?」
「やだ」
「座って話そう?ね?」
ゆっくりと離れたアーモンドの瞳があまりにも不安そうで、ぎゅっと握り締めた手にそっと自分の手を重ねたんだ
. 二人の天使 9
~Cside~
「これでよしっ、と」
「ママー?このおもちゃはどうしたらいい?」
「ああ、それはクローゼットに入れておくね、赤ちゃん小さすぎてまだ遊べないからね」
「ふうん?そっか……」
子供部屋の整理を終えてホッと一息をつく
ベビーベッドも用意したし、産着なんかも買い足したからもういつ産まれても大丈夫
ソワソワと落ち着かないのはユノの方で、毎日何かを買ってきたり、連絡を前以上にこまめにしてきたりとか
ハルだって自分のおもちゃをあげるんだって張り切っちゃって、渋々クローゼットにしまう姿が可愛くて仕方ない
そして、どうやら赤ちゃんの名前は2人で考えているらしく、僕には全く教えてくれないんだ
発案はハルだって言ってたから、いったいどんな名前になるのやら……
「ママつかれた?おみずのむ?」
「ふふ、ハルがいれてくれるの?」
「うんっ!!ぼく、おてつだいできるよ、まってて!!」
僕の言葉にパァッと花が咲いたように笑うハル、ああ、この子は本当にユノによく似ている
君もユノに似ているのかな、それとも……
大きくなったお腹を摩りながらゆったりとソファに体を沈めた
ちょっと頑張りすぎたかな、お腹が張ってきたかもしれない
「ママ、おみず!!」
「ありがと、ハル」
「うん、ねぇママ、ねむいの?」
「………え?なん……で……」
ハルの小さな手が僕の頬をふわりと撫でると、僕はそのまま意識を失ってしまったんだ
. 君じゃなきゃ意味がない 27
~Yside~
「あの……その、突然、ごめん///」
「あ、うん……どうぞ?散らかってるけど///」
「あ、ありがとう///」
勢いに任せて来てしまった……!!
インターホンを押すまでは絶対会うまで帰らないって考えていたのに
声を聞いたら途端にビビっちまって、何を話していいのかわからなくなるとか
ああ、俺って本当にガキな気がする
当の本人はといえば突然の俺の来訪に驚いてはいたものの、普段通りにニコニコとしていて
でも、少し髪が濡れているのはシャワーを浴びたせい?
慌てて視線を逸らす目尻が赤いのは気のせいなのか?
「どうしたの?ほら、座って?」
「チャンミン、あのさ」
「なんかあったかいものでも入れようか?あ、思ったより早かったよね、僕びっくりして……」
「チャンミン!!」
「ちょ……ユノ?///」
なかなか目線を合わせてくれないあなたが焦ったくて思わず手を握った
大きなバンビアイがゆらりと揺れて、俺の胸がギュッと苦しくなる
………逃げないで!!
「チャンミン好きだ」
「えっ?///」
「好きなんだ」
そう言って抱き寄せた自分の腕が震えていたのは、カッコ悪いから内緒にしておくよ
. 二人の天使 8
~Yside~
「それで、名前は決まったんですか?」
「ん、ああ、それが……」
「なんです?勿体ぶってないで教えてくださいよ~」
「べ、別に勿体ぶってなんか!!」
じわじわと詰め寄るテミンから慌てて目線を逸らす
独立して以来テミンは俺の片腕となり、メキメキと男らしくなった、てか、元々頼りになる奴なんだが……
近頃ではハルにもすっかり懐かれて俺より好かれてるんじゃないかって思うほど
ま、チャンミンの仕事の都合とかで事務所に連れてくることも多いから……
「ハルも教えてくれないんですよね~」
そんなこんなで2人目の名前を問い詰められて危うくくちを滑らせそうになっちまった
いやいや、ハルと約束したからまだ誰にも言うわけにはいかない、よな!!
「で、手術の日はお休みされるんですね?」
「ああ、悪いけど頼むよ」
「大丈夫ですよ、任せてください!!あ、でも産まれたら連絡くださいね!!」
「おう、勿論だ」
なんとか納得したのか自分の作業に戻るテミン、次の展示会に向けての準備で休日返上で頑張ってくれてる
チャンミンの出産を控えて落ち着かないが、仕事の日程はある程度までしか変えられないから
『ユノは仕事を一番に考えてね』
なんて大きな瞳を潤ませて言われたら、また………
マジで禁欲生活辛すぎるっての!!
「………チーフ、また顔緩んでます」
「なっ!!るせっ!!///」
冷ややかな目で俺を見つめるテミンを思い切り睨み返して、慌ててパソコンの画面に目線を移したんだ
. 君じゃなきゃ意味がない 26
~Cside~
『………もしもし?ユノ?///』
「チャンミン?今どこ!?」
『えっ?あ……えっと、もう家に着くとこ、あの?』
「わかった、今からそっち行く!!」
『へっ?ちょ、ユノ!?///』
突然かかってきたユノからの電話、そういやメッセージも届いていたのに返事もしないままだった
だってね、自覚しちゃったんだ///
僕は、多分ユノのことを…………
スマホをタップして部屋に入ると、じわじわと溢れ出る感情に心臓がバクバクと音を立てる
ちょっと待って、今から来るって言ってたよね?
はた、と部屋を見回して掃除をしてないことに気がついた
あ、片付けなきゃ、でも……ユノってば今ここに来てもいいのかな、マネージャーさんとか……
と、とにかくシャワー浴びて着替えて、それから!!
ぐるぐると考えてても仕方がない、なんでこうなっちゃったのかわかんないけど
バスルームの鏡に映る自分はやっぱり赤い顔をしていて熱があるみたい
心臓もバクバクとして胸から飛び出てしまいそうだし
もしかしたらユノも同じ気持ち、なのかな?
まさかそんなこと………
ピンポーン
静かな部屋に響き渡るインターホンの音、まだ髪も乾かしてないのにこんなに早く?
僕はゴクリと唾を飲み込むと、部屋のモニターの画面をゆっくりと覗き込んだんだ
. 二人の天使 7
~Cside~
「う、あいたた……」
「ママだいじょうぶ?おなかいたい?」
「あ、うん、大丈夫だよ、ありがとねハル」
心配そうに僕を見つめるアーモンドアイ、まるでユノをそっくりと写しとったよう
ふふ、日に日に似てくる気がする///
昨日はその……ユノに襲われちゃって、ベッドに運ばれて甘い夜を過ごしたわけで
今朝は当たり前に腰が怠くて仕方ない……
お腹が張った気がするのは運動したから?
う、運動とか!!///
ユノったらお腹は潰さないでって言ったのに、しっかり僕を抱き締めて寝るから苦しくて仕方なかった
でも、ユノの腕の中はやっぱり安心する///
ハルを産んだときの不安もあるし、肌を重ねることで安心できたっていうか
ユノにもきっと我慢させてしまってるから……
キッチンからハルのいるリビングへと移動すると、ゆっくりとソファへと体を沈めた
途端にハルが駆け寄ってくるから抱き締めずにいられない
ハルにも抱っこを我慢させちゃってる、よね?
「ねえママ?あかちゃんいつでてくるの?」
「んーあとちょっと、かな?なんで?」
「うん、ぼくね、あかちゃんといっしょにねるの、だってあかちゃんはまだいっしょにはあそべないでしょ?」
「ふふ、そうだね、じゃあもう少しだけいい子で待ってようね」
「うんっ!!ぼくいいこでまってるよ!!」
そう言って僕のお腹に話しかけるハルの笑顔に、微笑まずにはいられない僕だったんだ