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. 奥様は絶体絶命 27
~Yside~
「ちょっと待って!!ウイッグが引っかかってる!!」
「ん、どれどれ?ああ、しっかり絡んじゃってるな」
「シウォンさん痛い」
「ああ、可愛そうに、俺のキュヒョンの髪に絡むとはいい度胸だ!!」
チャンミン達のイベントが終わってシウォンとロッカーに向かったが、途中トイレにいたキュヒョンに呼び止められて足留めをくってしまった
なんでも髪にウイッグが絡んでしまったらしい
トイレの鏡の前でいちゃつく2人を待っているだけとか!!
一刻も早く奥さんの顔が見たいのに………
「で?チャンミンはもう着替えたのか?」
「あ、今着替えてる途中だと思います、先にロッカーに行ってて貰っても……」
「そうするか」
「おー後で行くわ、チャンミンの生着替えも見たいしな」
「シウォンさん!!」
ギャアギャアと騒ぐ2人に苦笑いしつつ奥のロッカーへと向かう俺
なんだか知らないうちにシウォンもキュヒョンの尻に敷かれてる気がする(笑)
ま、それはうちも一緒かな
ロッカーに到着すると中からガタンと音が聞こえる、不審に思いドアノブに手をかけるがピクリとも動かない
………鍵がかかっている?
『やだっ!!来ないでっ!!』
中から聞こえたチャンミンの叫び声に頭が真っ白になった俺は、咄嗟にドアを蹴破って中へと飛び込んだんだ
. ユノ社長の恋人 21
~Cside~
「チャンミン、こっちの資料も!!」
「あ、はい!!」
「あとこっちのタブレットに必要なことは入ってるから!!」
室長に連れられてカフェに着いたと思ったら、すぐにテミンさんから連絡があって呼び戻されてしまった
なんでも急な外回りとか!!
しかもまた社長のお供だとか!!///
まあ、仕事っていうよりはちょっとしたお説教って感じだったから別に支障はなかったけど
『常に冷静を心がけて欲しい』
まさかあんなこと言われるなんて思わなかった
上司って見てないようでしっかり部下のこと見てるってこと、なんだよね
………き、気をつけなくちゃ///
鞄は持ったし、資料もファイルもちゃんと入れたし、タブレットも持った!!
あと必要なものといえば………
「チャンミン、車の手配!!」
「あっ!!」
「早く連絡して!!」
「は、はいっ!!」
慌てて電話を手に取る僕に、テミンさんはため息をつきながらもミントのガムをそっとくれたんだ
. 奥様は絶体絶命 26
~Cside~
「チャンミンお疲れ様!!」
「キュヒョン、ウイッグずれてるよ(笑)」
「ああ、いいのいいの、この後きっとご飯行くよね?片付けはいいんだっけ?」
「うん、朝準備したから僕達はいいんだって」
店の裏のロッカールームで着替える僕とキュヒョン、カフェイベントのメイドダンスも無事に終わって一安心
意外と人も集まってたし、これって成功したってことだよね!!
邪魔な服はさっさと脱いでしまいたいけど、背中のファスナーが上手く外せない
ユノが来るのを待っててもいいけど、こんなに汗だくの体に触れられるのはちょっと、ね……///
「僕トイレ!!」
「……へっ?」
乱暴に服を脱ぎ捨てて部屋を出て行くキュヒョン、ファスナー下ろしてもらおうと思ったのに……
「……1人じゃ脱げないじゃん」
「お手伝いしましょうか?」
「……えっ?」
不意に声がしてハッと後ろを振り返る、そこにはさっき僕の手にキスをした初老の紳士の姿があって
な、何でこんなところに……?
「メイドさんはもう終わりかね?」
「あ……えっと///」
「こんなに似合ってるのに取ってしまうのは勿体無いね」
「………」
じわじわとにじり寄るその男は後手にドアを閉めると、カチャリと音を立てて部屋の鍵を閉めたんだ
. ユノ社長の恋人 20
~Yside~
「イトゥク、戻ったのか」
「はい、会議は順調に終わったようでなによりです」
「ただの打ち合わせだ、で、何を言った?」
「……何のことでしょう?それより昼からの予定を申し上げてもよろしいですか?」
澄ました顔でスケジュールを読み上げるイトゥクを軽く睨む
チャンミンを連れ出しておいて何の報告もないとか、いい度胸じゃないか
お陰で会議中も気が気じゃなかったってのに!!
ま、家に帰ってから直接聞く方が早い、かな
………俺に嘘はつけない筈だから
「で、夕方の外出はシムを連れて出られるのですか?」
「ああ、ドンへのたっての願いでね」
「はあ、よくおもてになりますね」
「まあね、気に入ってるようだ」
「心配が絶えませんね」
「!!イトゥク」
「これは失礼しました」
クスクスと肩を揺らすイトゥクをもう一度睨み返すと、山ほどある書類へと目線を移す俺だったんだ
. 奥様は絶体絶命 25
~Yside~
「じゃあ行ってきます!!」
「おー!!頑張って行けよ!!」
緊張した面持ちでステージ裏へと消えていくメイド姿のチャンミンとキュヒョン、先頭を切るのはもちろんメインのシンドンさん
てか、一人汗だくで首にはタオルを巻いたままで、あんなんでいいんだろうか(笑)
野外に造られた小さな特設ステージで次々と催される余興、それにわざわざ足を止めて行く人はまばらだったのに
チャンミン達のイベント時にはかなりの人だかりができていて
ま、そりゃ午前中のカフェがあれだけ盛況だったんだから仕方ない、よな
ったく、うちの嫁を見世物にしやがって……
「おいユノ、その顔どうにかしろよ」
「はっ?」
「だから怖えーって、せっかく頑張って練習したんだ、ちゃんと見てやれよな!!」
「んなこたわかってるよ!!」
「あ、ほら!!始まったぞ!!」
おお、というどよめきと共に軽快な音楽が流れて、可愛くダンスをするうちの奥さんが登場する
ああ、そんなにクルクルと回ったらスカートの中が見えてしまいそうで逆にドキドキとしてしまう
悩ましげな腰つきに歓声が上がり、チャンミン可愛い笑顔に観客の視線が一新に集まる
「うちの大学へようこそ!!カフェでは癒しの時間を提供しております!!」
汗だくのシンドンさんのセリフにどっと笑いが起こり、ステージは無事に幕を閉じた
「なんだ終わっちまったな~」
「ああ」
「どうだ?この後4人でメシでも行くか?」
「ああ、チャンミンに聞いてみるよ」
やけに張り切って鼻息を荒くするシウォンに苦笑いしながら、俺達はまたステージの裏へと向かったんだ
. ユノ社長の恋人 19
~Cside~
「……あの、室長、いったいどこへ?」
「ちょっとサボリに」
「えっ!?///」
「ふふ、半分くらいは冗談だよ」
「……あ、えっと///」
室長に言われるがまま秘書室を出てエレベーターへと乗り込む僕
沈黙に耐えられず声をかけたはいいけれど、なんだかぼんやりとした答えしか返ってこないし
室長も社長に負けず劣らずイケメンなんだもの、あんまり見つめられるとドキドキしてしまう
スタスタと前を歩く室長の後ろをついて行くしかないけど、一体どこへ……?
「さ、入りなさい」
「え?ここって」
「そう、君が働いていたカフェ、今はオーナーが変わったんだよ」
「そ、そうだったんだ……」
しばらく来ないうちにオーナー変わっちゃったんだ、そういや店の外装もずいぶん変わってる
最近この辺りは通らないからすっかり忘れていた
思えばここでバイトをしていてイトゥクさんに声をかけてもらったんだっけ
三ヶ月の研修期間はあっという間に過ぎて、それから社長……いや、ユノさんの恋人になって
あれからまだ一年も経ってないっていうのに……
「なあシム、秘書の仕事ってのはさ、いかに上司を立ててうまく動いてもらうか、なんだよな」
「……え?」
「まあ、随分な裏方だとは思うがね、だからいつでも冷静でいなきゃいけない」
「………///」
「ま、社長が君に夢中なんだから仕方がないところもある、かな」
「し、室長!!///」
「はは、別にプライベートに干渉する気はないよ、ただ注意が必要なのはわかるよな?」
「………はい」
「常に冷静を心がけて欲しい」
そう言って微笑む室長の笑顔に、なんだか胸がいっぱいになって泣きそうになる僕だったんだ
. 奥様は絶体絶命 24
~Cside~
「ユノ………ごめんなさい、あの///」
「消毒」
「………えっ?///」
僕の手を握ったと思ったらにっこりと笑って唇を寄せるユノ
手の甲に感じる温もりに思わず泣きそうになっちゃったけど
あんまり離してくれないからちょっと笑ってしまった
だってね、本当にショックだったから……
あんなに品の良さそうな紳士だったのに、まさかあんな事をしてくるなんて!!
………誰にだって触れて欲しくないのに
手を握ったまま見つめ合う僕とユノ、ああ、このままその胸に飛び込んでしまいたい
「ちょっとユンホさん!!そんなところでイチャつかないでくださいよ!!」
「なんだよキュヒョン、お前は無事だったのか?」
「何ですかそれ?無事だったのが悪いみたいじゃないですか~」
「何!?俺のキュヒョンには手出しはさせないぞ!!」
「だから何もされてませんてば(笑)」
「とにかく気をつけなきゃな、何があってもチャンミンは俺が守るから」
「………ユノ///」
そんなユノの言葉に胸がいっぱいになっちゃって、遂には泣き出してしまった僕だったんだ
. ユノ社長の恋人 18
~Yside~
「イトゥクはどうした?」
「只今外出中です」
「そうか、で?チャンミンもいないが?」
「室長が連れて行かれましたよ、全く、この忙しいのに!!」
そう言って秘書室に消えていくテミンに思わず苦笑いをする
応接室での対応をおえて部屋に戻ったはいいが、珍しくテミンの機嫌が悪いらしく秘書室の皆んながヒヤヒヤとしているようだ
彼が中心となって仕事を回しているから仕方はないと思うが
………何か、あったのか?
懐かしい人との再会はさておいて、ヨク開発の本部長との打ち合わせうまくいった気がする
ま、美人を隣に置いておけば機嫌がいいのは無理もないか(笑)
緊張気味にお茶を運んできたチャンミンのこともジロジロと見ていたし
まったく、食えないオヤジだよ
それにしてもコ課長がこちらに戻ってくるのはいいが、チャンミンが余計な心配をしなければいいが
なんせ心配症な君だから……
いや、ヤキモチを妬かれるのも悪くはない、かな(笑)
「社長、会議のお時間です」
「ああ、イトゥクが戻ったら連絡するように伝えてくれ」
「わかりました」
まだ不機嫌そうなテミンの肩をポンポンと叩いて、ミーティングルームへと向かう俺だったんだ
. 奥様は絶体絶命 23
~Yside~
「おお、ユノ!!こっちこっち!!」
「ああシウォン、遅くなった、カフェの方はどうだ?」
「それがすげー盛況でさ、なかなかは入れなくて困ったよ」
取引先での色校を終わらせてやっと大学に来れたのはちょうど11時を過ぎた頃
シフトの都合上早めに休憩をとったとメッセージがあったから、時間的にはちょうどいいはず
シウォンについて店の裏に行くと、そこにはメイド服のキュヒョンとチャンミンの姿があって
「チャンミン!!」
「あ!!ユノ!!///」
「あーー!!ユンホさんやっときた!!早くチャンミンを慰めてやってくださいよ~」
………慰める?
キュヒョンの声にシュンと項垂れてしまううちの奥さん、ああ、そんな姿も可愛く見えてしまうとか!!
「変なオヤジに絡まれたんだと」
「は!?」
「シ、シウォンさん!!///」
「おまけに手にキスまでされちまったらしい」
「はあ!?」
シウォンの言葉に頭にカアッと血がのぼる!!
なんだって!?どこのどいつがうちの嫁に何してくれてるんだ!!
「チャンミン」
「ユ、ユノ……ごめんなさい」
「どこにキスされた?」
「ち、ちゃんと洗ったから、その///」
「見せて?」
「………あっ///」
おずおずと左手を差し出す君は今にも泣き出してしまいそう
何度も洗ったんだろう、手の甲は赤く腫れてしまっている
「ユノ………ごめんなさい、あの///」
「消毒」
「………えっ?///」
震える手を取って両手で包み込むと、怒りを堪えて何度もキスをしたんだ
. ユノ社長の恋人 17
~Cside~
「えっ?新しい上司?」
「うんうん、恐らくは総務に配属になるんじゃないかな?」
「………コ課長」
「そ!!会長のお気に入りだしそれに……」
「そ、それに?」
「社長と噂のあった人だよ!!チャンミンピーンチ!!(笑)」
「テ、テミンさん!!///」
応接室から戻ったところにテミンさんが押しかけてきて、何を言われるのかと思ったら……
………社長と噂のあった人?
さっき応接室でチラッと見ただけだったけど、確かに綺麗な人だった
てっきりヨク開発の人だと思ったのに、違ったんだ
………新しい上司、とか
色んなことを言われて軽くパニック陥ってしまう僕、落ち着かなきゃって思うのに心臓はバクバクと音を立てていて
社長が部屋に戻ってからも気になっちゃって、テミンさんに何度か怒られちゃうとか
でも、まさか本人に聞くわけにもいかないし……
「こらシム!!集中しろ」
「あ!!す、すいません室長!!」
「仕方ないな、この後外出するから一緒にくるように」
「は、はいっ!!」
「いい気分転換にはなるだろう?」
「………へっ?///」
そう言ってにっこりと笑う室長の後ろには、ちょっぴり不機嫌なテミンさんが僕を睨んでいたんだ