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苺な彼とビールな僕

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. 遠距離恋愛ノススメ 3













~Cside~










「………遅い、遅すぎる!!」









落ち着きなく部屋の中をウロウロとする僕、もう、せっかく定時で会社を上がってきたっていうのに!!







先輩から連絡があってキュヒョンとの約束をキャンセルして家まで帰ってきたけど







そういや冷蔵庫の中空っぽだった、なんて思い出して慌てて買い出しに戻ったり







お風呂も掃除しなきゃ、とか、ベッドルームも片付けなきゃとか色々やって落ち着いたのがもう9時を回ったところで








考えたらどのエアーに乗って何時に着くとか全く情報がないわけで







何度かメッセージを送ってみたものの、返事が来るわけでもなく!!







一体僕にどうしろって言うんだ!!







出来る事なら空港まで迎えに行きたいのに、どの便に乗ってるかわかんなきゃ迎えに行きようがないじゃないか!!







はあ、と大きく溜息をついてへなへなとソファへと座り込む






ああ、久しぶりに会えるっていうのにこんなにももどかしいなんて///







『チャンミン好きだ、俺と付き合ってくれ』







なんてドラマばりに抱えきれないほどの花束を持って告白されちゃって






強引に押し切られた感じで恋人になって







でも………あなたを知るたびもっともっと好きになっちゃって







なのに急な転勤で海の向こうに行ってしまった勝手な人







『空港に着いたらすぐに連絡してください!!』








こんな切ない僕の願いが、空の上にいる恋人に届くよう祈るばかりの僕だったんだ








































. 奥様は不機嫌につき 26













~Cside~










「あのさ、シウォンさんがチャンミンに謝っておいてくれってさ」





「……え?」





「なんかほら、ユンホさんが言い寄られてるとかって話!!」





「ああ、そのことか、うん、もういいよ、大丈夫だったし」





「……え?大丈夫だった?もしかしてその人に会ったの!?」





「あ……うん、多分そう」






「すげーーー!!泥沼の戦い!?チャンミン強っ!!」








凄い凄いと騒ぐキュヒョンをギロリと睨み返す、元はと言えばこいつが発端だった気がするのに







まったく能天気にも程がある、よね(笑)








あれからユノと話して何でもないってわかったから本当に安心した







ユノがモテるのは今に始まったことじゃないのに、結婚してからそういう事がなかったから耐性ができてなかったっていうか、油断してたっていうか






僕がユノを好きな事に変わりはないし、その……ちゃんと愛されてるのもわかってるけど






それに胡座をかいてちゃいけないって思える出来事だった







だってね、ずっと愛して欲しいから








『チャンミンはそのままでいい』









そう言ってくれるユノにいつでも誠実でいたいから………








「でさ!!次いつご飯行く?」





「は?そんなの約束してないけど!!」





「シウォンさんがすげー肉食べさせてくれるんだって!!」





「………肉」






「あー!!チャンミン目の色変わった!!」






「キ、キュヒョン!!///」








いつだって僕ら夫婦に波乱を持ち込んでくる親友とその恋人に、呆れながらも笑ってしまう僕だったんだ



























. 遠距離恋愛ノススメ 2












~Yside~










「ええ?チョンさん週末に帰国するんですか?」





「ああ、なんとか仕事のカタがついたからさ」





「ふふん、カタをつけたんでしょう?(笑)」





「ははっ、とにかく後はたのむよ、月曜の夜には戻るから」





「はいはい、了解しましたよ」









やれやれと両手を広げるジフンにサムズアップする俺







……そう、昨日やっと仕事の目処がついた








俺の名前はチョン・ユンホ、この会社に入ってから早5年が過ぎた







社長命令でアメリカに渡ることになったのはほんの数ヶ月前のこと







まさか新しい事務所を立ち上げるスタッフに選ばれてしまうなんて






しかも俺とジフン以外はほぼ新人で固められているとか







まったく、あのワンマン社長ときたら!!






せっかく出来た恋人ともあまり連絡もとれず、寂しい思いをさせてしまっている






この一ヶ月ほどはその事ばかりを考えていて、とにかく一度君のそばに帰りたくて







『頑張ってください、くれぐれも体には気をつけて』







そう言って瞳を潤ませて唇を噛む姿が忘れられない







搭乗前に送ったメッセージに返信はなかったが、きっと待っていてくれるはず







何より早く君の顔が見たいんだ








機内から見る空に君への思いを馳せながら、ゆっくりと目を閉じる俺のだったんだ





























. 奥様は不機嫌につき 25











~Yside~









「チャンミン大丈夫?」





「……ん……大丈夫///」





「水持ってこようか、待ってて?」





「……ん、ありがと///」








あれからバスルームから出て、そのままベッドへとなだれ込んで






濡れた体のまま何度も求めあって、二人して熱を放った






俺の腕の中で啼くうちの奥さんは世界一エロくて可愛い






最初はあんなに恥ずかしがって、顔だって隠してばかりだったのに






最近では声を抑えられないのか、行為の途中でしきりにキスを強請ってくる






そんな姿にも煽られちゃって、歯止めが効かなくなるのも悩みの一つで






気を失わせないように優しく、ゆっくりと……








体を起こしてコクコクと水を飲み干す姿を見つめていると、不思議そうに首を傾げるから堪んない








「………ユノ?///」





「ん?どした?」





「あの………ちゃんと、その……気持ちよかった?///」




「……はっ?///」




「………ちゃんと僕でその///」




「チャンミン!!」




「………わっ!!///」





「ったく!!また襲われたいの?」





「………へっ?あっ///」







キョトンとする君をシーツごと抱きしめて、綺麗な首筋に思い切り赤い跡を残してやったんだ



















. 遠距離恋愛ノススメ 1










~Cside~








『夜中に着く便で帰る、空港から真っ直ぐそっちに向かうから』








そんなメッセージを見たのは仕事を終えて会社を出てすぐの事だった






何これ……!?この前話した時はそんな事一つも言ってなかったのに!!







あまりのことにその場でフリーズしてしまう僕!!






今日は飲み会の約束だってあるっていうのに……






とりあえずは店に向かわなきゃと一歩踏み出したものの、やっぱり気になってスマホばかりを見てしまう






ダメだ、やっぱり帰らなきゃ!!






数ヶ月ぶりに会えるのに飲みになんて行っていられない!!







……ああ、なんて勝手な人なんだろう









僕の名前はシム・チャンミン、社会人になってもう2年が過ぎようとしている







大学の先輩である今の恋人と付き合うようになったのは同じ会社に入社して暫く経ってからのこと







あの時はまさか同性から告白されるなんて思ってもみなかった






でも、押しの強さと真剣な眼差しに断わることも出来なくて結局……






でも、僕も憧れていた先輩だったから///








「あ、もしもしキュヒョン?今日行けなくなった!!この埋め合わせはまたするから!!」




『はあーー!?おい!!チャンミン!!』








電話の向こうで叫ぶキュヒョンに謝りながら、早足で駅への階段を駆け下りる僕だったんだ























. 奥様は不機嫌につき 24










*ちょっとR18です♡


~Yside~










「ほら、ちゃんと後ろ向いて?」




「……やぁ………ああっ///」




「ちゃんと洗わなきゃ、だろ?」




「………んっ……ユノ……もう///」




「ん、イっていいよ」







ふわふわの泡を素肌に撫で付けると、ピクピクと跳ねるから止まらなくなる







だってね、一緒にシャワーを浴びるなんて滅多とないチャンスだから







元々恥ずかしがり屋のチャンミンは、普段の着替えですら俺の目の前ではしない程なのに







こんな風に乱れて腰を揺らすとか、動画に撮っておきたいくらいだよ







スライドする手を早めると、可愛い声を上げて熱を放つ可愛い後頭部






濡れた前髪がやけに艶っぽくて、このまま後ろから押し入ってしまいたくなる







「………はあっ……ユノ……熱い///」




「ん、逆上せちゃうな」




「………もう……立ってられ……ない///」




「ん、掴まって?」




「………あ///」









ぐったりとしたチャンミンをふわりとタオルで包むと、そのまま抱き上げてベットルームへと向かったんだ



























. チョン家の休日 24











~Cside~









「なんだ、ハルはもう寝たのか?」




「うん、流石に疲れちゃったみたい」




「帰りの車でもはしゃいでたからな(笑)」




「ふふ、こんな時間から寝たらきっと明日は早く起きるから覚悟しとかないと」




「ああ、まったくだ」








お祖母様のサプライズで過ごした二泊三日の休日は、本当にあっという間に終わってしまった







一番喜んでいたのはお祖母様のような気もするけど、ハルもいつもとは違う自然の中で過ごす時間を堪能したようで







『ぜったいまたくるからね!!まっててね!!』







そうジョンデにしきりに伝えていたっけ……







だってずっと一緒に遊んでくれていたものね







ハルの笑顔とそれを見守るユノの優しい顔がとても印象的な休日だったな……






それに、もしかしたら…………






「チャンミン?そろそろ寝ようか」




「あ、うん///」




「どうかした?顔が赤いけど」




「ううん、何でもない///」








心配そうに僕の頬を撫でるユノの手に擦り寄って、このワクワクとする予感に密かに胸を踊らせる僕だったんだ























































. 奥様は不機嫌につき 23












~Cside~









「ちょっ……ユノ、待って!!///」




「いいからおいで」




「何でそんなに………んっ///」







タクシーを滑るように降りてマンションのエントランスへ







オートロックを解除してエレベーターに乗り込むと、息もできない程のキスが降ってくる







「……あ……んっ……ユノ///」




「チャンミン煽りすぎ」




「……や……あっ……ふっ///」







エレベーターの扉が開くと同時に離れた唇、ああ、それだけで寂しく感じてしまうとか







部屋に着くまでの短い廊下も待ちきれないほど、お互いに顔を見合わせて触れるだけのキスをして







部屋に入るとそのまま玄関へと倒れ込んだ!!








「ユ、ユノ!!……シャワー!!///」




「待てない」




「ダ、ダメッ……あっ///」






耳元で囁く低い声にゾクゾクとしてしまうけど、流石にこのままそうなってしまうのは……







「ね、ユノ……やっぱりシャワー///」




「いいって」




「い、一緒に浴びる……から///」




「………えっ?」









僕の言葉に一瞬フリーズしたユノは、困ったような顔をして僕の肩口に顔を埋めたんだ















































. チョン家の休日 23











~Yside~









「そっか、で、鳥さんはどうした?」





「えっとね、そーっとちかづいたらはねをバサバサしてね、そこでおばあちゃまがクシャミをしちゃったの」




「ええ?(笑)」





「それでね、ぼくがおおきなこえでわらったからとんでいっちゃったんだ~」







ガックリと肩を落として項垂れるハル、なんでも朝からばあちゃんに連れられて散歩に行ってきたらしい






勿論二人じゃ心配だからジョンデも駆り出されていたようだが






ま、ばあちゃんも気を遣ってくれたんだろう







昨日のチャンミンは本当にエロくてヤバかった、俺の上で快楽に身を任せて髪を振り乱す姿が忘れられない






本当なら朝まで離してやれないところだが、流石に意識を飛ばしてしまったら、ね







ま、しっかり朝一に襲ってやったから、起きた時には軽く睨まれてしまった






そんな顔も可愛いくて仕方ないのに、君って本当にわかってない









「ユノ、コーヒーはもういい?」




「ん、ご馳走さま」




「じゃあ片付けちゃうね、あ///」




「座ってろよ、俺が運ぶ」




「……ユノ///」




「バカ、そんな目で見んなよ」




「あーーー!!パパとママおててにぎにぎしてる!!」









膨れっ面で怒るハルの顔が可笑しくて、思わず顔を見合わせて吹き出してしまう俺達だったんだ


















. 奥様は不機嫌につき 22












~Yside~









「チャンミン疲れた?」




「ん、少しだけ」




「着くまで休んでていいよ、手握っててあげる」





「………ん///」








俺達はパーティ会場を早めに出ると滑るようにタクシーへと乗り込んだ






終わりの挨拶が残ってるって専務がヤイヤイ言っていたけど、そろそろチャンミンも限界みたいだし、また来週にでも謝りをいれておけばいいさ






ヤキモチを妬いてくれるのは嬉しいが、やっぱり美人なうちの奥さん






……実はあれから人に囲まれて大変だった







『噂に違わぬ美形ですね!!』








なんて随分冷やかされたけど、見せびらかしたかったのも事実だったり(笑)






だってね、誰にだって敵わない、うちの奥さんは世界一可愛いから!!









「………ん、ユノ?」




「ん、どうした?もうすぐ着くよ」




「……………キス…したい」




「ふふ、何?誘ってんの?」




「……………さ、誘ってる///」





「!!!!///」








ボソリと呟いた君の言葉に驚いて、思わず声を上げそうになってしまった俺だったんだ




























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紫苑☆

Author:紫苑☆
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