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. 鈴カステラのお店やさん 19
~Cside~
「やだっ!!離してっ!!」
「くふふ、チャンミンさん泣き顔も可愛いですねぇ」
「いやあっ!!触らないでっ……グスッ」
馬乗りになるパクさんからどうにか逃れようとバタバタと足を動かした
苺で僕を釣るなんて本当に酷い!!
苺を好きな人に変な人は居ないって思っていたのに、まさか変態さんだなんて……!!
もがく僕の服を掴んでバリバリと破るパクさん、ああ、バイトのシャツをこんなにしちゃうなんてドンヘさんごめんなさい!!
「は、離せっ!!///」
「おわっ!!」
勢いよく投げた枕がパクさんの顔面にメガヒットして、僕はコロコロとベッドの下に転がった
逃げ出そうとするのに力が入んなくて、モタモタしてる間に起き上がったパクさんが僕に迫るのが見える!!
「こら、いい子だから大人しくしな!!」
「い、いやあっ!!(泣)」
「ぐへへへへへ」
「うわ、気持ちわりっ」
「………はっ?ぐえっ!!」
再び僕にのしかかるパクさんの後ろから聞き覚えのある声がした瞬間に、パクさんは変な声を出して部屋の隅へと吹っ飛んでいったんだ
. 奥様はご多忙につき 21
~Yside~
「ユンホさんダンス出来るなんて凄い!!」
「ふふ、ちょっとは見直したかキュヒョン」
「いやいや、ずーっと見直してますよ~ね、チャンミン!!」
「……へっ?あ……うん///」
ダンスが終わって席に戻ると、早速シウォンがチャンミンに触ろうとしていて本当に焦った
ったく、油断も隙もない奴だ!!
シウォンから遠ざけるように隣に割り込むと、当のチャンミンは顔を真っ赤にして視線を逸らしてしまった
「どうしたのさっきからボーッとしちゃって、顔赤いよ?」
「チャンミン?」
「ぼ、僕トイレ!!///」
「あ、おい!!」
パタパタと慌てて飛び出すチャンミンを追いかける、一体どうしたっていうんだろう
走る後ろ姿もなんだかフラフラしているし、まさか体調でも悪くなったんじゃ……
「チャンミン、待てって」
「………///」
「どうしたんだ、ん?」
「ユ、ユンホさん………ユノは!!///」
「え?」
「か、かっこよすぎて狡い、です!!///」
そう言って俺の胸に飛び込んできたうちの奥さんに、胸が苦しくなるほど愛おしさが込み上げる俺だったんだ
. 鈴カステラのお店やさん 18
~Yside~
「一応警察にも届けておいたよ」
「ありがとう、ドンヘ」
「いや、俺のせいみたいなもんだしな、本当に申し訳ない!!」
そう言って俺に平謝りするドンへ、何もお前のせいじゃないのに
とはいえ手がかりは防犯カメラに残された大学生風の男の姿のみ
スマホの位置情報も切られているみたいだし八方塞がり、だな
ああ、こんな時にあの人がいれば………
「マスター、アメリカーノ1つ」
「え?はい!!あ、あれ?」
店内のカウンターにゆったりと佇む一人の男、確かに入り口の扉はしっかりと閉まっているはずなのに
「あ!!イェソンさん!!」
「や、久しぶり~」
「な、何でここに!?」
「やだなぁ、決まってるじゃないか」
「……へっ?」
「ベイビーのピンチなのに来ないわけにはいかないだろう?ね、マスター?」
「あ、はあ///」
パチンとウィンクを決めたイェソンさんは、側にあった苺味の鈴カステラをパクリと口に放り込んだんだ
. 奥様はご多忙につき 20
~Cside~
………息が、止まるかと思った
何となくだけどユノがダンスをしていたのは知っていた
ドンヘさんからチラッと聞いたこともあったし、昔の写真で見たこともあったし
僕に言わないのは何か理由があるからだと思うから、自分から聞くことはしなかったけど
こんなに………!!///
「チャンミン、チャンミン!!」
「……あ?へっ?///」
「チャンミン見惚れすぎだって(笑)」
「あ、えっと///」
「てか、ユンホさんあんなに踊れるんだね!!凄いじゃん!!」
「う、うん///」
ユノのダンスが終わって次の余興が始まっても、僕の顔の火照りは治んなくて
ああ、どうしよう、もっと好きが広がって///
「チャンミン可愛いなぁ、顔真っ赤だぞ!!」
「………あ///」
「おいシウォン!!勝手に触るな!!」
シウォンさんの手が僕の頬に伸びてきたその時、額に汗を浮かべたユノが不機嫌そうに立っていたんだ
. 鈴カステラのお店やさん 17
~Cside~
「………ん、あ……れ?」
重い瞼を擦って目を開けると見たことのない天井、ここって……?
確かパクさんの家にお邪魔して、ストロベリーティーをいただいて……それから?
起き上がろうとするのに何故だか体が言うことを聞いてくれない
必死に周りを見渡すと僕はベッドに寝かされていて………
シャリン
聞きなれない音にどうにか起き上がり、違和感のある足を見てみる
すると僕の足首には映画で見たような足枷がつけられていた!!
「なっ、何これ!?やだっ」
「なんだ気がついたのか、残念、今からお着替えタイムだったっていうのに」
「パ、パクさん!?」
「少し薬が足りなかったかな~」
そう言って僕に躙り寄るパクさんはニヤニヤと嫌な笑いを浮かべる
「き、着替えって!?ぼ、僕をどうするつもりなんですか!?……グスッ」
「ん~どうもしませんよ、僕の特製苺パジャマを着て欲しいだけなんですよ」
「……へっ?///」
「あ、勿論下着は全部とらせてもらいますからね、 さて」
「へ、変態さんだったんですね!!いやあっ」
バタバタともがく僕の上に馬乗りになったパクさんは、僕の腕を力任せに押さえつけたんだ
. 奥様はご多忙につき 19
~Yside~
実はチャンミンにはずっと言ってなかった事があった
昔諦めてしまった夢、いや、今でも焦がれているには違いないが……
芝生の上ですうと息を吸うと、見上げた先にはキョトンとしたうちの奥さんの姿
バーベキューの余興の一つになんて、軽い気持ちで言ったものの性格上手を抜くなんて有り得ないから
司会のヤツに軽く目配せをして派手な音楽が流れ始める
そして俺は音楽に合わせてステップを踏み始めた!!
「ユノーーーカッケーぞ!!」
「いいぞやれやれ!!」
「きゃーチョンさんカッコいい!!」
声援だか野次だかが飛び交う中で、夢中でダンスを踊る俺
さっきまでのモヤモヤとした気持ちも何処へやら
だってね、たまにはカッコつけてもいいだろう?見て欲しいのはただ1人の人なんだ
そう、君のためだけに……
そして、華麗にターンを決めて踊り終わった視線の先には
潤んだ瞳で俺を見つめるチャンミンの姿があったんだ
. 鈴カステラのお店やさん 16
~Yside~
「で、どこ行ったかわかんねぇのか!?」
「ああ、近くの100均に行くって言ったっきり、近くだから油断しちまって、すまん!!」
「いや、ここから見えてるとこだしな、とりあえずそこで聞いてみるか」
「ああ、さっきも聞きにいったんだがな、確かに店にはいたみたいなんだが……」
そう言ってがっくりと項垂れるドンヘの肩をポンポンと叩く
……何もドンヘだけのせいじゃない
まさかこんな近くで居なくなるとか、きっと本人だって思いもしなかっただろうし
ましてや通い慣れたこの辺りでなんて!!
そういや変な奴が出没するって話も聞いていたのに、もっと気をつけろって言ってやれば良かった
持たせたはずのスマホも全く応答がないし、何度か送ったメッセージも既読のつかないまんまで
ああ、八方塞がりじゃないか……
店で聞き込みをしてみたものの手がかりもなく、頼み込んで見せてもらった防犯カメラには怪しげな奴も映っていなかったし
いや、1人チャンミンに話しかけていた奴がいるな、これってずいぶん若い、そう……大学生くらいの
「………こいつ、気になるな」
「うう~ん、良い勘してるね♡」
「はっ?///」
いつの間にか俺の隣に座ってコーヒーを啜るその人は、他でもないイェソンさんだったんだ
. 奥様はご多忙につき 18
~Cside~
「やあキュヒョン、よく来たね」
「こんにちはユンホさん、今日は呼んでいただいてありがとうございます」
「なんだなんだ~?やけに殊勝だなぁ、またなんか企んでないか?」
「ちょ……ユ、ユンホさん///」
「こら」
「あ!!……ユ、ユノ///」
そんな僕とユノの会話に目を丸くするキュヒョン、向かい側に座ったシウォンさんもクスクスと笑っているし
………本当に恥ずかしい///
テミンさんも戻ってきたから皆んなで改めて乾杯をして、なんだか余興まで始まっちゃって
キュヒョンが来てくれて本当に良かった……
そういえばユンホさんは全然飲んでいないから、ちょっぴり気になってこっそり聞いてみたら
「後で見せたいものがある」
なんて耳元で囁くからドキドキして顔が熱くなってしまった
キュヒョンには散々からかわれるし、何故かシウォンさんも会話に割んできて
思わず僕はユノの後ろに隠れる羽目になった
でも……思ったよりキュヒョンとシウォンさんの気が合っているみたい
2人でスマホの画面を覗き込んでケラケラと笑っているし……
「ユノ!!次頼むぞ!!」
「おう!!」
余興の司会らしきの人の声に立ち上がったユノは、僕に軽くウィンクをすると前に飛び出して行ったんだ
. 鈴カステラのお店やさん 15
~Cside~
「えっと、パクさんまだですか?」
「うん、もうすぐそこですよ」
「そ、そうですか……」
鈴カステラ特設コーナーの設置の途中で、足りないものが出てきて近くの100均までやってきた僕
そこでこの前ラップスで知り合った大学生さんのパクさんに呼び止められて
『実は家に苺が大量にあるんですよ、貰ってくれませんか?』
なんて言われて、言われるがままに着いて来ちゃったけど
………これってあんまり良くないんじゃない、かな
すぐ近くだからと言った割には結構お店から離れているし、この辺りは人気も少なくてなんだか薄暗い
店に戻るのも時間がかかりそうだし………
そう思って声をかけようとするのに、パクさんは僕の前をひたすらに無言で歩いていく
……ドンヘさんに連絡ぐらいしておけばよかった
「着きましたよ!!」
「………へっ?///」
「さあ中へどうぞ、遠慮はいりませんから」
「あ、はあ///」
にっこりと笑顔で振り返ったパクさんが案内してくれたのは家と言うよりは倉庫のような所
……こんな所に?
そう思いながらも重い扉を開けると、中はいたって普通の部屋で
「そこで待っててください、すぐに用意しますね」
「あ、ありがとうございます///」
「僕の作ったストロベリーティーです、良かったらどうぞ」
「わあ、いただきます///」
差し出されたストロベリーティーを飲んだ瞬間、ふわふわと気持ちよくなった僕はそのままソファへと倒れこんでしまったんだ
. 奥様はご多忙につき 17
~Yside~
『おっ、チャンミンは優しいねぇ、旦那とはえらい違いだ!!』
そう言ってニヤニヤとするシウォンを思い切り睨み返す
ったく、人の嫁をそんなにジロジロ見るんじゃねぇよ!!
思ったより強い力で肩を抱いたもんだから、驚いたチャンミンが不安そうに俺を見上げる
ああ、そんな顔をさせたいわけじゃないのに……
「ユ、ユノ……あの///」
「ん、怒ってないから、腹減ったろ?冷めちまったけど食べよう、な?」
「は、はいっ!!///」
「おっ、いただきまーす!!」
「お前はこっち!!」
「ちぇっ」
俺とシウォンのやり取りを見てクスクスと笑うチャンミン、やっと笑ってくれたからこっちがホッとしてしまうよ
………全く、どれだけお前に夢中なんだか
「うん、美味しい!!」
「そうか?ガーリックシュリンプもあるらしいぞ?」
「ええ!?凄い!!///」
「俺俺、俺が持ってきたんだって!!」
「えっ?シウォンさん凄いです!!///」
「だろー?惚れるだろ?」
「ちょ!!シウォン!!」
そう言って腕を組んで得意げに頷くシウォンに、溜息しか出てこない俺だったんだ