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. 王子の気持ち 12
~Yside~
『僕は枕じゃない!!////』
ベッドの中でそう言って怒っていたくせに、抱き締めればあっという間にすうすうと寝息を立てる君
朝食を食べた後昼まで仮眠をとろうと二人で横になったところだった
そりゃそうか、長時間のフライトを終えてここにきたのに、一睡もしてないんじゃ眠たくもなるよな
久しぶりの再会だっていうのに早速一波乱とか、先が思いやられる(笑)
1時間ほど仮眠を取ると俺はそっとベッドを抜け出した
自分の部屋に連れてきてしまったから、キュヒョンには連絡しておいた方がいいか
ま、この調子じゃ夕方まで起きないだろうが
気持ちさそうに寝息を立てる王子にキスをして部屋を後にする
気分は乗らないが仕事に行かなきゃ、な
……どうにか大人しくしていてくれよ
「ユノ!!お前、あの女優からクレームがあったぞ!!」
「ん、ああ、すまん、一大事だったから」
「ったく、あの王子にも困ったもんだ」
「まったくだ(笑)」
事務所に入った途端詰め寄るシウォンに、どうにも苦笑いするしかない俺だったんだ
. 熱血!!ユンホ先生 6
~Yside~
『怪我をされたんですね、どうぞこちらへ座ってください』
保健室に入るなり白衣の天使にそんなこと言われちまって、俺は素直に椅子に座った
見上げた先には困ったように眉を下げるバンビアイ
ああ、そんな瞳で見つめられたら……!!////
「……あ、あの?///」
「……は、はい///」
「………怪我をされたのって、その……?」
「……へ?///」
「せ、先生!!」
ドヨンの声でハッと我にかえる、しまった!!怪我したのって俺じゃなかった!!(汗)
「ああああすすすすいません!!!!/////」
「あ……だ、大丈夫ですよ?///」
「やだなぁ、先生何やってんの~(笑)」
「わ、悪い悪い!!ほら、診てもらえ!!」
俺は慌てて立ち上がるとドヨンを椅子へと座らせた、全く俺ってば何やってんだ!!(泣)
「足を怪我したの?ああ、ひどく切れてるね、痛かったでしょう?」
そう言ってドヨンの足を診るその人、きっと新しい先生、だよな……?
ほんのりと染まった特徴的な耳から目が離せなくて、ついついじっと見つめてしまった俺だったんだ
. 王子の気持ち 11
~Cside~
ユノにいっぱい抱きしめられて、蕩けるようなキスをたっぷりとされて
……安心したらお腹が空いてきちゃったんだよね
だって昨日コンビニで買ったものとかそのまま玄関に放りっぱなしだし、アイスなんてドロドロに溶けちゃってるし
空腹で暴れる僕にユノは呆れながらもパンとコーヒーを用意してくれたから
二人で向かい合ってテーブルへとついた
「うまいか?」
「………うんっ///」
夢にまでみた恋人が目の前で笑っているとか、なんだか急に照れ臭くって目のやり場に困ってしまうよ///
「今日は昼から仕事がある、夜には戻るから大人しくしとけよ」
「わ、わかってるってば////」
じっと見つめられるとドキドキと胸が高鳴って、心臓が口から飛び出してしまいそう
ユノって本当にかっこよくて困っちゃう///
「でも仕事って……ユノ、寝てないよね?」
「ん、今から仮眠とるから」
「……へ?///」
「ちょうど抱き枕もあることだし」
「だ、抱き枕?///」
何のことか分からずキョトンとする僕、クスクスと肩を揺らすユノにやっぱり見惚れてしまうんだ
. 熱血!!ユンホ先生 5
~Cside~
「こちらが保健室ですよ」
「はい、わざわざありがとうございます」
「鍵は1つは持っていてください、こちらにスペアはありますので」
事務の先生に丁寧にお礼を言うと、僕はゆっくりとドアを開いた
ここは赴任先の学校の保健室、勤めるのは来週からだけど挨拶を兼ねて荷物を置かせて貰いにきた
グラウンドからは部活をする生徒達の声が聞こえてきて、僕はなんだかワクワクしてしまう
………ここで、働くんだよね
前の先生は女性の方だって聞いていたから、がっかりされてしまうかも、とか思ったけど
僕は僕なりに頑張ればいい、よね
本棚に本を並べて机の上を整理しているとガチャリとドアの開く音が聞こえる
あ……誰か入ってきた?
入り口はベッドの仕切りのカーテンで見えないから、僕は立ち上がってそちらを覗きこんだ
「どうされました?」
緊張しながらも精一杯の落ち着いた声を出して、するとそこにはジャージ姿の先生と生徒の姿があって
………わ、凄いイケメンの先生!!////
「あ……?いや、えっと………?」
「怪我をされたんですね、どうぞこちらへ座ってください」
「あ………はあ///」
随分なイケメンのくせにポカンと口を開けたその先生は目の前の椅子にトスンと座ると
キラキラとしたアーモンドの瞳をじっとこちらに向けてきたんだ
. 王子の気持ち 10
~Yside~
『ユ、ユノなんか嫌いっ……ぼ、僕がどんなにっ……』
そう言ってポロポロと涙を零して逃れようとするお前、ばかだな、離してやれる筈がないのに
無意識なのか服の裾は掴んだまま、睨み返す表情すら愛おしいとか
全く、カケラほどの理性も飛んじまいそうだ
安心させるようぎゅっと抱きしめて、噛み付くように口付ける
このまま勢いに任せて抱いてしまいたいところだがそうもいかない
一応今日も仕事だし、な
………そんな王子が落ち着いたのはもうすっかり夜も明けた頃で
大人しく腕の中にいたと思ったら今度はバタバタと暴れ始めて何事かと思ったら
「ユノ!!お腹すいた!!」
そんな一言に爆笑しちまった俺に、また拗ねてシーツに包まってしまったお前だったんだ
. 熱血!!ユンホ先生 4
~Yside~
「先生!!ドヨンがまた怪我しました!!」
「何!?またあいつ転んだのか!!」
「ちょっと深く切れてるみたいで、保健室連れていきますか?」
「ああ、俺が行くわ、お前は練習に戻れ!!」
「ウィッス!!」
放課後のグラウンド、部員同士での練習試合中一年生のドヨンが怪我をした
サッカーの練習中の怪我なんてしょっ中過ぎて見逃しがちだけど、中には放っておいて酷くなるケースもあるからそこは慎重に
今時の若者はひ弱っていうか、貧弱っていうか
俺の学生の頃なんて舐めとけ!!とか言われて済まされていたのに
ま、今は親も煩いご時世だから仕方ないか
俺は大きく溜息をつくとキャプテンのテイルに伝言してドヨンと保健室へと向かう
保険医は不在でも薬ぐらいはあるはずだから俺でもなんとかできんだろ
ガチャリとドアを開けると保健室独特の匂いに混じって甘い香りが漂う
……なんだろう、何かいい匂いが
「どうされました?」
「…………へ?////」
誰もいないはずの保健室から聞こえる静かな声、白いカーテンが風でふわりとなびいて
窓辺に浮かぶ細いシルエット……!!
そこには大きな瞳をキラキラとさせた白衣の天使が俺達を見て微笑んでいたんだ
. 王子の気持ち 9
~Cside~
夜中のコンビニで絡まれて、もうダメだって思ったけどユノが助けに来てくれて
やっと会えた、やっとユノの顔が見れたってそう思ったのに!!
強い力で引っ張られてエレベーターの中でもずっと黙ったままで
痛いって言っても離してくれないし!!中に入ったら怖い顔でおでこなんて突かれちゃうし!!
ユノは僕に会えて嬉しくないの、かな……
僕はずっとユノに会いたくて堪らなかったのに、それって僕だけだったのかな……
「……は、離せっ……///」
「おい」
「ユ、ユノなんか嫌いっ……ぼ、僕がどんなにっ……」
「チャンミン」
「バカバカ、ユノのバカ………や……んっ///」
もっと文句を言ってやりたいと思うのに唇を塞がれて何も話せない
久しぶりに感じるユノの唇はあったかくてふわふわしていて僕は蕩けてしまいそう
それでも必死に身を捩るのに、息も止まるほどのキスをたっぷりとされてしまって
「……んっ……くるし……///」
やっと離れたと思ったら今度はぎゅうぎゅうに抱き締められて、呼吸困難でクラクラとしてしまう
「………ユノ?///」
「…無事でよかった……!!」
僕を抱きしめたまま微動打にしないユノがぼそりと呟いた言葉に、胸がぎゅっと苦しくなる僕だったんだ
. 熱血!!ユンホ先生 3
~Cside~
「え?臨時講師?」
「ああそうなんだよ、急な事でね、是非ともお願いしたいんだが」
「……そんな、僕なんかでいいんでしょうか?」
「勿論いいに決まってる、理事長から人を探してくれと言われてすぐに君が浮かんだんだ、こちらから連絡しておくから」
「……は、はあ///」
大学で懇意にしていただいていたコ先生、とてもよく相談にのってくださって、まさか大学を出てからも就職の口添えまでしてもらえるなんて
せっかく試験に合格して養護教諭の資格を取ったものの、この辺りの高校の募集が少なくて今年は見送ろうかと考えていたところだったから
……これはチャンス、だよね
全体的に見ても養護教諭の募集は少ないから、待ってたらいつ就職出来るかわかんないし
スポーツの盛んな男子校とか、泥まみれの生徒達な囲まれちゃったりして(笑)
ふふ、考えるだけで楽しそう
早速、親友のキュヒョンを呼び出して近況報告と言う名の飲み会
同じ大学に通っていた僕の大親友、何かと理由をつけては飲みに誘ってる
何だかんだ相談にのってくれるいいやつなんだよね
「へえ、東方高校?」
「うん、急なんだけどね」
「いいじゃん、進学校だしスポーツだって盛んなとこだし」
「ふふ、今から忙しくなりそうで心配だよ」
「……チャンミン、別の心配もしとけよ?(笑)」
「………は?」
にやにやとしながら僕ににじり寄るキュヒョン、ちょっと気持ち悪いんだけど!!
「生徒達に迫られないようにってこと!!チャンミン先生は美人だからな~」
「は、はあ!?///」
思いもかけないキュヒョンの言葉に、思わず大声で叫んでしまった僕だったんだ
. 王子の気持ち 8
~Yside~
「ちょ……!!ユノ!!痛いってば!!」
「煩い」
バタバダと暴れる王子の腕を引いてコンビニからマンションのエントランスへと向かう
ったく、あんな所であんな奴らに絡まれやがって
震え上がって動けなくなっていたくせに、俺の顔を見ると途端に華が咲いたように笑うから、周りにいた奴らまで見惚れてるとか!!
まず最初は王子の腕を掴んでいた奴に一発、それから隣にいた奴をひと蹴り、後はついでにその後ろにいる奴も蹴り上げやった
声もないまま吹っ飛んでいく仲間に慌てて逃げ出した奴は同僚に任せて、ポカンとするコンビ二の店員に警察を呼ぶように頼んだ
「ユ、ユノ、ねぇってば!!」
「いいから入れ!!」
「も、もう///」
無言のままエレベーターへと乗り込み部屋へと戻った
このまま抱きしめてしまいたいけど、どうにも腹の虫が治まらない
リビングのソファに座らせるとキッと睨み返すから思わず頭を小突いてやった
「痛っ!!////」
「このバカ!!何かあったらどうすんだ!!」
「だ、だって……////」
「だってじゃない!!」
叱りつけると大きな瞳にみるみる涙を浮かべて、ああ、こんな時ですら可愛くて仕方ないとか
「……お、怒ってばっか……」
「……は?」
「せ、せっかく会えたのにっ……ユ、ユノったらちっとも嬉しそうじゃない……ふっ…く」
「……チャンミン」
ポロポロと溢れる透明の雫、俯いてしまった髪をそっと撫でて腕の中に閉じ込めたんだ
. 熱血!!ユンホ先生 2
~Yside~
「え?ハン先生が?」
「ああ、急な入院なんだそうだ」
「へえ、それは大変だな」
昼休みの休憩時間、俺は同僚であるシウォンと飯を食っていた
我が校の保健医であるハン先生の妊娠がわかって3ヶ月ほど、先々は産休に入るとはいえ本人の希望でギリギリまで勤める予定だったが
体調を崩して入院してしまったらしい
「でさ、すぐに臨時講師が来るらしいんだけど……」
「ああ、うちはスポーツも盛んだしな、保険医は必要だよ」
「違うって!!すげー美人だったって話」
「……は!?」
わざわざ身を乗り出して何を言うのかと思えば、それになんでそんな得意げなんだか(笑)
「おまえ……美人って、今度は男だって聞いてるぜ?」
「そうそう、そこなんだよ!!」
腕を組んでウンウンと頷くシウォン、こいつってばいい奴なんだがいちいちリアクションが大きくて笑っちまう
「とにかくうちの生徒達をちゃんと診てくれたらいいさ」
「なんだよお前はほんと真面目だな~」
「男にゃ興味はねぇよ」
「ほんとは女にも興味ねえんじゃねえの?」
「なんだとこら!!」
「バカ!!やめろって!!ああ飯が!!」
「やったな!!」
全くシウォンと話すといつもこうなんだ(笑)
職員室の隅でわあわあと騒ぐ俺達が、この後教頭からこってりとお説教を受けたのは言うまでもないよな