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. ユノ社長は新人秘書がお好き 40
~Yside~
夜は二人で過ごせるかと思っていたけど、相手先のお誘いで蟹をご馳走になることになった
この辺りは海の幸が豊富で、こちらのハン社長の知り合いが店を営んでいるとかで是非にと言われて
まあ、君のそんな嬉しそうな顔を見たら断れるわけなんてないけど(笑)
すっかり陽が落ちるとぐっと冷え込んできて、身を固くする君を抱きしめてやりたいけど
それはホテルに帰ってのお楽しみとするか……
「チョン社長はまだご結婚はされていないのですね?」
「はは、いい縁に恵まれていないんですよ」
「モテすぎて困るということでしょうか?いい男ですもんなぁ」
「いやいや」
必死に蟹にかぶりつく君を見ていたいのに、酔って饒舌になったハン社長は次々と話題をふってくるからそうもいかない
「うちにも娘がいるんですがどうです?」
「ええ?」
「我が娘ながら中々の美人なんですよ?」
「はは」
視界の端にはハン社長の言葉にフリーズする君の姿、チラチラとこちらを伺っているのが見てとれる
我が恋人は中々にヤキモチ妬きのようだ(笑)
「まあ一度会ってやってください、明日にでも会社に呼びますので」
「はは」
そう言って酒を注ぐハン社長に適当に返事をしながら、君の事ばかりを考えてしまう俺だったんだ
. クリスマスに願いを込めて 2
~Yside~
「は?クリスマスマーケット?」
「はい!!ドンへさんが教えてくれたんです///」
仕事から帰るなり飛びついてくる鈴カステラ、相変わらず可愛くてこのまま襲ってやろうかと考えていたのに
抱きしめる腕を必死に振りほどいて、なぜか手に持ったチラシを見せようとグイグイと押し付けてくる
つか、なんでこんなシワシワに?(笑)
「なんだこりゃ、ぐしゃぐしゃじゃねーか!!」
「あ……さっきこれを眺めてたら眠っちゃって、その、涎とかで……ご、ごめんなさい///」
「ま、まあ読めるからいいよ、で?なんだ、近くの広場で毎年やってるやつか」
「し、知ってるんですか?///」
「ん、行ったことはないけどな、これに行きたいのか?」
「はい!!///」
シワを伸ばして日付を確認する、へぇ、クリスマス当日までやってんだ
ここのところ仕事が立て込んでて帰りも遅いし、寂しい思いさせちまってるしな
「ん、どうにか調整してみるよ」
「ほ、ほんとに!?嬉しいっ!!ユンホさん大好き!!」
「おわっ!!」
いきなり視界が遮られたかと思ったら、俺は鈴カステラにぎゅうぎゅうと抱きしめられていて
全く、そんなに喜ぶならもっと早くに連れてってやればよかったな
……なんせさらわれ癖があるから出かけるのにも注意が必要だし
「連れてってやるから俺の側から絶対離れんじゃねーぞ!!」
「はい、ユンホさん///」
にっこりと笑う鈴カステラの紙を撫でて、もう一度ぎゅっと抱きしめてやったんだ
. ユノ社長は新人秘書がお好き 39
~Cside~
社長ってば本当ににずるいと思う!!
背中から急にハグとか、その……キスとか!!////
僕だってずっとドキドキして期待しちゃってるけど、これってもしかしてこの出張で社長とそうなっちゃうって事、かな?
嫌ってわけじゃないけど、その……心の準備っていうか、体の準備っていうか!!///
か、体とか////
でも、フリーズする僕に爆笑する社長は、そういう雰囲気とか全然なくて
か、からかわれてるのかなって思っちゃったり…
当たり前の男の体で、柔らかいとこなんか1つもなくて、髪だって短いしで
そういう気にならないかもって心配したり……
なんか僕だけがいっぱい好きみたいでオロオロしちゃって、社長は余裕たっぷりで本当に悔しいっていうか
切なくなってしまうよ///
ホテルにチェックインした後は取引先に向かって、僕は必死についていくだけで、全然サポートできなくて
パソコンだってバグっちゃうしで落ち込んじゃって本当にどうしようもない
でも……
『蟹の美味い店があるんですよ、夜はそちらにご案内しますね』
なんて取引先の方に言われて、俄然テンションが上がって、また社長に爆笑されてしまった僕だったんだ
. クリスマスに願いを込めて 1
~Cside~
「え?クリスマスマーケット、ですか?」
「ああ、近くの広場で毎年やってんだけどな、チャンミンは行ったことなかったんじゃないか?」
「な、ないです///」
「チラシ貰ってきたから、ほら、ユノと行ってこいよ、な?」
「あ、ありがとうございますドンへさん///」
バイトがちょうど終わったところでドンへさんに止められて、また何かやらかしたのかと思ったけど
クリスマスマーケット、とか///
ずっと缶詰の中にいたから、クリスマスとかあんまりしたことがなくて
何をすればいいのかもわからないけど
こういうイベントってすごく楽しいんだよね、きっと
ユンホさんとはうまくいってるって思うし、毎日僕の缶詰からはポコポコと鈴カステラが産まれていて、不満なんて1つもないけど
ユンホさんの仕事が忙しくてあんまり外にも出られないから、さ、誘ってみようかな///
クリスマス当日はケーキとかチキンとかは家で用意するつもりだけど、大きなツリーとか2人で眺めてみたいし
夜は鈴カステラも凍っちゃうほど寒いけど、きっのユンホさんと2人で歩いたらあったかいんだろうな///
僕は貰ったチラシをじっと眺めながら、ユンホさんとのデートの事ばかりを考えていたんだ
. ユノ社長は新人秘書がお好き 38
~Yside~
「……え、ここ、ですか?///」
「ああ、昼間は忙しいが夜はゆっくりできるだろう、気に入った?」
「あ、はい!!勿論!!あの、でも……」
「何?」
「お、同じ部屋だなんてその……社長と///」
目的地に着くなり先にホテルに荷物を置きにきたが、オーナーの計らいで早めに部屋に案内して貰えた
海を一望できる最上階の部屋、スウィートとまではいかないが中々に雰囲気のある広々とした部屋で
まあ、この辺りはリゾート地になっているからこういうオーシャンビューを楽しめるホテルが多くあるのだけれど
父がここのオーナーとも懇意にしているから、本当に良くしてもらっている
早めの飛行機に乗れたから取引先への訪問もゆっくりと迎えるし、ほんの少しなら君と2人きりで過ごせるかな
飛行機の中ではかなりの爆睡で、子供みたいな寝顔に思わず笑ってしまったけど
キョロキョロと落ち着かない君は、あちこち見て回ったり荷物を開けてみたり
パンパンに詰まった鞄には何が入ってるんだか(笑)
「……チャンミン」
パソコンを取り出そうとする腕を掴んで背中から抱きしめる
途端に真っ赤に染まる耳が堪らないな
ぎゅっと抱き締めると腕の中でフリーズするから、髪や耳に沢山キスを落としてやった
「し、社長!!///」
「ん」
「あ、あのっ……ま、まだダメです///」
「まだ?じゃあ後でならいい?」
俺の言葉にまたまたフリーズする君に、遂には吹き出してしまった俺なんだ
. 君に会うまで 45
~Cside~
「先生、お世話になりました」
「ああ、慣れないうちは大変だと思うが頑張って」
「……はい///」
「何かあればすぐに来てください」
「ありがとうございます///」
今日は待ちに待った退院の日、ユノも休みを取って迎えにきてくれたし、母さんもハルを抱っこして嬉しそうで
……本当に無事に産まれてくれて良かった
自分が危険な状態だったなんて全くわからなかったけど、意識のない深い眠りの中で僕を呼んだのはきっとハルの声、だよね
最近病院に来る度に怒っていたユノも、今日はニコニコとしててホッとした
だって、なんで怒ってるのかわかんなくて(笑)
まだ小さいハルをベビーシートに乗せて車を走らせると、久しぶりに外の空気が気持ちよくて思い切り息を吸い込んだ
「ユノ、今日は久しぶりにご飯作るからね」
「ええ!?」
「だってロクなもの食べてないでしょ?(笑)」
「そ、そりゃまあ///」
「チャンミン大丈夫よ、今日は私が沢山用意してきたから、ね?」
「……母さん///」
「当たり前でしょう?あなたは母親一年生なんだからね、今日ぐらいは甘えなさい、ね?」
にっこりと笑う母さんの言葉に胸がいっぱいになる、だって本当は不安でしかたなかったから
ちゃんと育てられるのかって……
母親一年生
そうだ、そうだよね
僕もユノも親になりたてで、ハルは産まれたばかりで、きっと一緒に大きくなるんだよね
まだ、家族になって間もないのだから…
ふと見上げた空には白い雲が浮かんでいて、冬の風は冷たくて
でも僕達3人の未来は、あの太陽のようにキラキラと輝いているって信じたい
ずっと君を待っていたよ
僕達の子供に産まれてきてくれてありがとう
. ユノ社長は新人秘書がお好き 37
~Cside~
「チャンミン、さあこっちへ」
「……あ、はい///」
最近の社長は社内でもちゃんと名前を呼んでくれる事が多くなった
特に2人の時には……///
前までは『新人君』って呼ばれていたから、急にそんな風に呼ばれるとびっくりして真っ赤になっちゃって
いつも皆んなに笑われちゃうんだよね
今日はいよいよ社長との出張の日で、昨日は緊張して眠れなかったから少し寝不足気味
移動手段は飛行機だからそんなに時間はかからないけど、1時間くらいは乗るのかな
国内線だしエコノミーだと思っていたのに、しっかりビジネスクラスにされていて
ホテルの手配なんかはイトゥクさんがしてくれたみたいで、僕なんてほんと役に立ってない気がする
せめて書類と資料だけは揃えなきゃって思ったら、思いの外荷物が多くなってしまって
朝一社長に爆笑されてしまった///
それにしてもビジネスクラスってほんと広いんだ、学生の時とかLCCにしか乗った事がなかったから余計かもしれないけど
機内でやりたい事もあったのに、パソコンを広げるとうつうつとしてしまって
「そんなに眠いなら寝たらいい」
「あ、いえ!!大丈夫です///」
「だって目が半分くらいになってるよ?」
「………へ?あ、いや///」
「そんな顔も可愛いな」
「!!!!///」
「いいからおやすみ、ブランケットを貰おう」
そう言って僕の手を握るアーモンドアイから目が離せなくて…///
でも、結局は眠気に勝てず、社長にもたれてしっかり爆睡してしまった僕だったんだ
. 君に会うまで 44
~Yside~
全く!!病院ってとこは油断も隙もないところだ!!
入院期間が長くなったってのもあるから仕方ないのかもしれないけど
その……チャンミンに触れる奴が多すぎんじゃねーか!!
仕事だってのは分かってるけど、元々美人なうちの奥さんのこと
看護師だって先生だってデレっとしちまって、果ては掃除のおばさんまで病室を覗く始末で
……ったく、気安く話しかけてんじゃねえっつーの!!
ま、当の本人は全く気にしていなくて、まるで天使のような笑顔を振りまいてるから
『気をつけろ!!』
なんて言ってもクスクス笑うだけで、俺の心配事は絶えねーんだけど(笑)
そしていよいよ明日は待ちに待った退院、しっかり休みもとって準備も万端
家の掃除は姉貴が手伝ってくれたし、買い出しも済ませたし、後は2人が帰ってくるだけになっていて
実はばあちゃんも来るってきかなかったんだけど、そこはチャンミンの体力も考えて少し間を置いてから
だいぶん文句を言ってたけど、そこは我慢してくんねーとな!!
さて、賑やかになりそうだ(笑)
まだ誰もいない子供部屋を眺めながら、明日が待ち遠しくて仕方がない俺だったんだ
. ユノ社長は新人秘書がお好き 36
~Yside~
「準備するのはこの資料とこの書類、そしてこの本を読んでおくように」
「は、はい!!///」
「あと客先と外食予定もある、そのつもりで」
「わ、わかりました!!///」
出張が決まってからというもの、二人の会話は仕事の話ばかりで
少し味気ない気もするが新人君にとっては初めての出張、致し方ない、かな
俺の言葉に緊張気味にメモをとる君が可愛くてつい口元が緩んでしまうから
周りにバレないようにするのがなかなかに難しい
(笑)
恋人同士になったものの、途端に忙しくなってろくにデートも出来ていないし
愛想をつかされるんじゃないかってヒヤヒヤしてしまうよ
せめてホテルはいつもよりは良いところにして、部屋は勿論ツインで頼んだから
少しは恋人の時間が持てるだろうか
いよいよ明日に迫った出張は、君との距離を少しでも縮められたらって思ってるなんて
全く、公私混同もいいところだ(笑)
ま、でも、最近は仕事にハリが出てきたというか、やりがいが出てきたから
……きっといい影響なんだろう
無論仕事のことも考えてはいるけど、本当は君と過ごす事で頭がいっぱいだなんて
とても君には言えない、かな(笑)
. 君に会うまで 43
~Cside~
……ハル、一日一日を大切に行きて欲しい
ユノがつけてくれた名前は、二人の想いのこもったとても素敵なもので
ユノにありがとうって言いたいのに、先に涙ばかりが溢れてどうしようもなくて
まだしっかりと腕に抱くことは出来ないけど、小さな頬を擦り寄せれば気持ちよさそうに目を細めるから
きっと君にも伝わってるんだよね///
術後の入院期間は3週間ほど、本当なら10日ほどで退院の予定だったけど
緊急手術な上に僕の体力も落ちてしまったから入院が長引いてしまった
勿論ハルも同じくで、少し黄疸が出ていたのものの1週間ほどで普通の状態に戻ってきた
紫外線を当てられて小さなサングラスをかけさせられてたのには笑っちゃったけど
『大物の予感がする』
なんて、ユノは腕を組んで納得しちゃってて、僕は隣で爆笑してしまった
アーモンドの瞳はまるでそっくり写し取ったようにユノに似ていて、でも、赤ちゃんなのに手足が長くて
……きっと大きくなるんだろうって
初乳だけは飲ませなきゃいけないから、母乳マッサージもしてもらったけど
睨みつけるユノに看護師さんが怖がっちゃって大変だった(笑)
「チャンミンのおっぱいを触っていいのは俺とハルだけだ!!」
なんて真剣な顔して訴える新米パパはちょっとズレてるけど、やっぱり頼りになるって思った僕だったんだ