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. 君がいるだけで 13
~Yside~
遅い………!!
家のソファでクッションを抱えて時計をチラチラと見る
今日は友達と飲みに行くって言っていたから、一応時間は見計らって帰ってきた筈なのに
時計の針がやけに遅く感じられて溜息しか出てこない
早くあなたの温もりを感じたいと思うのに、ほんと神様って意地悪だって思うよ
連絡してみようとスマホを手に取ったけど、せっかく遊びに行っているチャンミンの邪魔をするのもどうかと思うし
これはもう先に寝てしまう方がいい!!
そう思ってベッドに潜り込んだものの、全く眠れる気配なんてなくて
憂鬱なままゴロゴロとしていると、玄関のドアが開く音が静かに鳴り響いた
そろりと起き上がりリビングを覗くと、真っ暗や部屋でソファに座るあなたの後ろ姿
「………遅い」
「……ユンホ君?///」
思わず漏れた言葉にキョトンとするあなたを引き寄せて、隙間なんてないくらいに強く抱き締めたんだ
. 君がいるだけで 12
~Cside~
キュヒョンと久しぶりに飲んで、ユンホ君とのことを色々と聞いてもらって
少しだけ気が楽になったっていうか、やっぱり持つべきは友達だって思った
いつもならこのまま部屋に雪崩れ込んで飲み直す所だけど、流石にそれはやめておいた
だって家にはユンホ君が待っているわけだし、顔を見れば当然甘えたくなってしまうから
なのに家に帰っても君の姿はなくて、部屋だって暗いまんまで
………まだ、帰ってない?今日はレッスンだけじゃなかったっけ?
なんだか気が抜けてがっくりと肩を落としソファへと沈み込む
するとカチャリと音がして僕の部屋から君がそろりと顔を覗かせた
「………遅い」
「……ユンホ君?///」
そう言って拗ねたように僕を睨むアーモンドの瞳は、何故か寂しげにゆらゆらと揺れていたんだ
. 君がいるだけで 11
~Yside~
「えっ?海外の公演、ですか?」
「ああ、アーティストたっての希望なんだ、ユノには大きなチャンスだと思うぞ!!」
「……あ、はい」
「なんだお前らしくないな!!もっと喜べよ!!」
事務所の社長から急な呼び出しがかかり、何事かと思ったけど
まさかこんな大きな仕事の話だったなんて……
この前バックダンサーを務めたアーティストが大層俺を気に入ってくれたらしく、わざわざ事務所に連絡をくれたらしい
有名なアーティストのバックダンサーを務めるということは、知名度も上がるわけだし
当然仕事の内容も変わるし勿論収入だって上がるはず
確かに滅多とないチャンスだけど……
詳しく話を聞けば1ヶ月近くは海外で過ごさなければならない
そうなるとチャンミンとも離れなきゃいけなくなるわけで………
それはちょっと嫌、だな
やっと最近恋人らしくなったっていうか、二人の距離が近づいた気がするのに
それでもまだチャンミンには見えない壁があるような気がして
心の奥は見えていないような……
『とにかく考えとけよ!!滅多とないチャンスなんだからな!!』
そう言って俺の肩を叩く社長に頷きながらも、もやもやとした気持ちを抑えられない俺だったんだ
. 君がいるだけで 10
~Cside~
「で、彼とはうまくいってんだ?」
「うん、まあ///」
「なんだ~浮かない顔だな、悩みがあるなら言ってみたまえ」
「ぷっ、なんだよそれ」
今日は久しぶりに親友のキュヒョンと飲みに来ている
思えば引越しの後すぐにユンホ君が転がり込んできたから、落ち着いて話す暇もなかったっけ
あれからユンホ君はバックダンサーの仕事が忙しくなり、夜も遅くなることも増えてきた
あの夜から二人で寄り添って眠るようにはなったものの、その先には進展してない
「男同士の恋愛ってどうなんだろね」
「………なんだよ唐突に///」
「いや、愛し合い方も色々あるじゃん」
「なっ!!///」
ニヤニヤと笑うキュヒョンを思い切り睨みつける、まったく、他人事だと思って!!
そりゃ僕だって先に進みたいし、もっとユンホ君を感じたい、けど……
もしかしたらこの前そうなってがっかりさせちゃったのかもって
もう嫌になっちゃったのかって……
「うわ、泣くなよ!!」
「ばっ!!泣くわけないじゃん!!」
「チャンミンはさ、考えすぎなんだよ~」
「………///」
「もっと自分に素直になっていいと思うよ?」
そう言って僕の肩をポンポンと叩くキュヒョンに、本当に泣きそうになってしまった僕だったんだ
. 君がいるだけで 9
~Yside~
「………やっ、ユンホ君///」
「チャンミン可愛い」
「………んっ……ああっ!!///」
薄く開いた唇、ハアハアと漏れる吐息
はだけたTシャツから溢れる肌は、ほんのりと赤く染まっていて
少しだけ、なんて言っておいて何度も触れてしまったから
後から随分怒られてしまった……
想像以上に艶やかな肌に頭が真っ白になって、止まらなくなってしまったから
最後までシなかった自分を褒めてやりたいくらいだよ
バスルームに逃げてしまったあなたは暫くは目も合わせてくれないほど恥ずかしがっていたけど
そんな姿も堪んない、なんて言ったらまた怒られるかな
その日の夜は狭いベッドに寄り添って二人で眠った
大の男二人が眠るにはちょっと狭いけど、いつかデカイベッドが買えたら、なんて
いつも甘えてばかりの俺だから頼りないけど、あなたを守る為なら強くなれるって
腕の中で寝息を立てるあなたを見つめながら、そっと髪にキスをしたんだ