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苺な彼とビールな僕

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. バンビな君にくびったけ ~キスまでの距離~ 4






~Cside~




偶然にもショッピングモールでユンホさんに会って、落ち込んでいたから凄く心配しちゃったけど



……まさか買い物に来たのにお財布を忘れて来ちゃうなんて、ほんとユンホさんらしい/////



何が欲しかったのかは教えて貰えなかったけど、少し恥ずかしそうにするユンホさんがなんだか可愛いくて♡



なんだか困ったクマさんみたい(笑)



地下鉄の駅までの道のり、ユンホさんは自転車を押して一緒に歩いてくれて



明日はデートなのに、今日もこんな風に会えるとか、なんだか得しちゃった気分/////



……ほんのちょっとだけ、いいかな?



信号待ちでユンホさんがよそ見してる間、そっとジャケットの裾を掴んでみる



ユンホさんはとっても恥ずかしがり屋さんで、なかなか手を繋いでくれないから……/////



「チャンミン/////」


「……ダメ、ですか?/////」


「ま、まさかっ!!/////大歓迎に決まってる!!/////」



いったん空を見上げたユンホさん、フウーッと大きく息を吐くと、僕の手をぎゅっと握って歩き出す





手から伝わる温もりに、なんだかもっと恥ずかしくなってしまって、なにも話せなくなってしまった僕達だったんだ



















. バンビな君にくびったけ ~キスまでの距離~ 3







~Yside~





せっかく姉貴が服を買いに行かせてくれたのに、俺ってばガッツリ財布忘れてきちまって


いざ服を選んでレジで並んでる途中でそのことに気づいて慌てて店の人に謝って…


……ああ、我ながらほんとに情けない(泣)



仕方なくトボトボとショッピングモールを歩いていたけれど、やっぱりあのセーター欲しかった



『I LOVE BANBI♡』



デカデカと胸の位置にこんな素敵なロゴが入ったデザインとか!!マジで素晴らしすぎる!!服にも一目惚れってあるんだって思ったのに……買えなかったとか酷すぎる



逃げるように店を出てきたけれど、もう一回財布を取りに帰るにはモチベーションが下がりすぎちゃって、ほんっと俺ってイケてない(泣)



項垂れつつ足元を見ながら歩いていると不意に後ろからポン、と肩を叩かれた



「…ユ、ユンホさん?/////」



……え?この声ってまさか!!/////



「…え……せ…チャンミン?」


「やっぱりユンホさんだ/////こんなところでどうしたんです?」


「あ……いや、買い物に来たのに、俺ってば財布忘れちゃって……ほんと情けないっていうか……ははっ(泣)」


「……そ、そうなんだ、あの……良かったら貸しますよ?」


「い、いやっ!!そんなのダメです!!/////いやっ!!明日の服にしようと思ったけどっ!!そのっ!!」


キョトンと首を傾げるバンビアイ、ああ、今日も超絶可愛い俺の恋人!!



「……明日の服考えてくれてたんですね/////じゃあ、明日一緒に見にいきましょう、その次のデートで着てください、ね?」


「……へっ?/////」



バンビ先生はにっこりと笑って、俺の手をぎゅっと握ったんだ





















. バンビな君にくびったけ ~キスまでの距離~ 2







~Cside~





ユンホさんの家にお見舞いに行って以来、なんだか2人の距離がぐっと近くなった気がして



毎日のメッセージのやり取りや、たわいのない話が楽しくて仕方ない



……こういうの世間ではラブラブって言うんだろうな、うん/////



正直、最初は不安もあったけど、何に対しても前向きなユンホさんのことが、とても……好きになってしまったから/////




と、とにかく!!/////僕は今、明日に迫ったリベンジデートに向けて、ユンホさんにプレゼントを選ぶべくショッピングモールへとやってきたワケだけど……何が良いだろう



着ていく服とかは散々迷って決めたからもういいんだけど、ユンホさんから貰ったボールペンのお礼が何かしたくて



色々とお店をまわって見ていたけど、気になったのは色々とカスタマイズできるキーホルダーのお店、これならユンホさんの好きなのも作れるかもしれない……



沢山並んだパーツの中から、ユンホさんの好きなものをチョイスして小さなカゴへと入れていく



苺でしょう、あとソフトクリーム、あとは……やっぱりバンビ……かな?/////



バンビ……って、僕、だよね/////




わ……!!/////自分で想像して自分で恥ずかしくなっちゃうなんて!!僕ってこんなキャラだっけ



熱くなった顔をパタパタと扇ぎながらレジへと向かうと、店の前をトボトボと歩くユンホさんの姿が目に入ったんだ
















. バンビな君にくびったけ ~キスまでの距離~ 1







~Yside~




バンビ先生……いや、チャンミンと付き合い始めて早2週間!!



ようやく名前を呼ぶのにも慣れてきて……だってさ、最初はなかなかうまく呼べなくて(笑)



どもってみたり、視線を合わせられなかったりして、なかなか慣れない俺を優しく見つめるバンビアイ



『ゆっくりでいいですよ/////』



なんて言うくせに、俺が名前で呼ぶと頬を染めて嬉しそうに微笑むとかもう……!!いったいなんなのそれ!!/////



まだまだ余裕のない俺だけど、少しずつでも前進してるかなって思ってて



根掘り葉掘り聞いてくる姉貴には正直参ってるけど、割と的確なアドバイスをしてくれたりするから助かってる(笑)



なんだかんだ言っていい奴なんだよあいつも!!



せっかくだから即興ソングで感謝の気持ちをプレゼントしようとしたのに



『歌はいいから明日のデートの服でも買いに行ってこい!!』



と、閉店間際の店を追い出されちまって(笑)



まあ、こんな時はありがたくお言葉に甘えておくか、なんて思いながら、俺は自転車で街へと繰り出したんだ




















. バンビな君にくびったけ ~姉的考察~







~Bside~





『はんは~ん♪今日も君は素敵~~なバンビアイッ♪あぁん~はぁ~~♪』




今日も朝からご機嫌MAXのうちの弟、全くなんなのその歌は(泣)


最近お気に入りの即興ソング達、どうも出来たばかりの恋人を想ってつくった歌らしいけど


……相変わらずの自由な曲調というか、歌詞というか


寒い寒いと震えながら店先を掃除するユノは、時々何かを思い出したようににやにやとしていて



……悪いけど不審者にしか見えないってーの!!



まあ、今まで恋愛とは無縁の不憫な弟だから、
まさかこんなにうまくいとは思わなかった



私の的確なアドバイスのおかげよね



やっぱり私の見る目は正しかった、バンビ先生は、真正面からうちの弟のことを受け止めてくれたみたいだし



とはいえまだ手しか繋いだことがないみたいだし、前途多難な予感しかしないんだけど(笑)



「ほらユノ、いつまでやってんの!!次は裏の掃除!!」


「……ちぇっ、人使い荒いんだから」



ほうきをブンブンと振り回し口を尖らせる我が弟に、幸せを願わないではいられない私だった
































. プロフィール

紫苑☆

Author:紫苑☆
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