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苺な彼とビールな僕

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. 愛をもっと!! ~その男変態につき 8~








~Yside~






……あれからどうも気に入らない




どうやらソナの友達の……ヒョナって言ったっけ、大人しそうに見えて随分と積極的らしく



どうやら本格的に先輩にアプローチをかけ始めたようなんだ



いつものごとく熱く先輩を見つめる視線の隅っこにどこかしら紛れてくる彼女、あれって所謂隠れ肉食系ってやつなんじゃねーの?



熱っぽい視線を先輩に向けるけど、割と鈍感な先輩はあんまり意に介してないからホッとする




……こういうとこは救われてんな(笑)




とはいえ元々当たり前に女の子が好きな先輩だし、ここで手をこまねいてるのは俺らしくない



先輩の気が変わるとは思えないけど、ここは一発手を打っておくか



せっかくペナルティプレイで愛を深めようと思ってた矢先なのに……ったく、とんだお邪魔虫が入ったもんだ



ここまでかなり強引に事を進めてはきたけど、やっぱりちょっぴり自信のない俺がいて



思ったより素直に従ってくれる先輩が堪んないけど、他の誰にも邪魔なんてされたくない



おそらく敵は歓迎会あたりを狙ってるんだろう



幸いにも幹事は任されてるワケだし、ここは一発ガツンと俺の愛で悪い虫を追い払ってやるか



俺は一人でガッツポーズを決めると、残りの仕事を片付けて先輩の家へとダッシュしたんだ





















. 愛をもっと!! ~その男変態につき 7~








~Cside~





『渡さねー……』




いつものユノだけどユノらしくない、強引な所とか、ちょっとチャラい物言いとかは変わんないけど



職場のトイレに連れ込まれて、こんな風に甘いキスまでされちゃって



怒ってもいいはずなのに、何か違う……よね////



流石に仕事中だし、どうにか二人で熱をおさめたけど、ちょっと拗ねたようなユノが可愛く見えてしまった



僕の方が怒ってた筈なのに



二人で汗だくになって個室を出てからは、新人の女の子には気をつけろだの、無駄に愛想を振りまくなだの……



まったくわけわかんない、それはこっちのセリフだよ////



部屋に戻れば部署の皆んなに何故だか冷やかされちゃって、チーフには



『なんだ、布団でも敷いてやろうか?』



なんて言われちゃって、折角引いた汗もまた吹き出しちゃって色々と大変だった



ユノが僕を追いかけ回してたのは社内でも有名だったし、まさかバレてないとは思うけど



流石に付き合ってることは話せないよね/////



取り敢えずは離してもらえたから家に帰って聞けばいいか



あ……ユノが今日も来るかはわかんないけど




この時の僕はユノが何を企んでいたのか、さっぱり分かっていなかったんだ























. 愛をもっと!! ~その男変態につき 6~







~Yside~





まとわりつく女の子達をどうにか振り切って先輩のいる部屋へと飛び飛んだ




「なんだ、今度はお前か?」




なんて、チーフの呆れた声が聞こえたけどそんななの気にしてなんていられない



中をズカズカと歩いて目指すはパーテンションから覗く丸い背中



………やっぱりだ



不安げな瞳を揺らして視線を逸らすから、腕を掴んでそのまま部屋を出た



そんな細っこい腕で抵抗したって無駄なのに



トイレの個室に連れ込むとそのまま唇を塞いでやった、だってすぐに可愛くないこと言うでしょう?



「………んっ、ユノ……やめ////」


「ダメ」


「し、仕事中!!////」


「知ってる」


「だったら!!……あっ………////」


「しっ、声抑えて?」



口とは裏腹に俺の服をぎゅっと握っちゃって、ほんと可愛くて堪んない



シャツのボタンをプチプチと外し、目指すは可愛く主張を始める胸の突起



ピクピクとする身体はすぐに力が抜けちゃって、俺にしがみつきながらも睨みつけるバンビアイ


ああ、あなたは俺だけのものなのに



「渡さねー……」


「………えっ?////」


「何でもない」


「!!!!////」



熱を持ち始めたあなたのソレを布の上からそっと撫でて、もっと甘いキスをしてやったんだ






























. 愛をもっと!! ~その男変態につき 5~








~Cside~






僕があんまり慌てて駆け込んだもんだから、チーフや同僚が目を丸くして僕の方を一斉に見た




「どうしたシム、珍しいな」


「……な、なんでもないです////」


「そうか?顔色悪いぞ?」


「すいません、ちょっと体調悪くて」


「そっか、無理すんなよ」




皆んなの視線に耐えきれず、僕は自分のデスクへと逃げ込んだ


ここならパーテンションのお陰で誰に見られることもない、なんか冷や汗まで出てきちゃったよ



僕は一息つくと側にあったミネラルウォーターを口にした



……あの新人の子可愛かったな



艶々の長い髪、柔らかそうな肌は白くて滑らかで、女の子なら当たり前のこと



でも僕は……ゴツゴツした体に無駄に身長だけは伸びちゃって、ただのひょろ長い男じゃないか



きっとユノだって………




「先輩♡」


「わっ!!ユ、ユノ!?////」


「ほら、こっち!!チーフすいません!!シム先輩ちょっとお借りしまっす!!」


「……ちょっ!!バカ離せっ!!////」」


「いいから」




有無を言わせぬユノの迫力に、僕は腕を引かれるままに部屋を出てトイレの個室へと連れ込まれてしまったんだ
























. 愛をもっと!! ~その男変態につき 4~








~Yside~





『チョンさん今度の歓迎会の場所決まったんですか~?』



シナを作って迫り来るのは会社で噂の新人女子社員、確かソナとか言ったっけ……まったく朝っぱらから勘弁してくれよ



顔を見れば目一杯にうるうると見上げる瞳、確かに可愛くないこともないけど



……なんか違うんだよね



宝石みたいなでっかい瞳、長い睫毛は音を立てるほどにバサバサで、すぐに赤くなる耳とか綺麗な首筋とか




まあ、比べる方がおかしいんだけど




厄介なことに俺は歓迎会の幹事を任されていて、最近やたらとこの子達が絡んできて困ってる



そういやさっき先輩がこっち見てたような……



ああ見えてヤキモチ焼きの先輩のこと、こんなの見たらまた裏でぐるぐるしてるのかも



ふふ、これがまた可愛いんだよね♡




「そういえばチョンさんってシムさんと仲がいいんですよね?」



話なんてまともに半分も聞いてなかったけど、先輩の名前に意識がピンと張り詰める、何、先輩がなんだって?



「……そうだけど、それが何か?」


「あっ……あの、彼女とかいるのかなって………友達がシムさんのこと気になってるらしくて////」



ソナの後ろでモジモジと恥ずかしそうに俯く女の子、ここにきてまさかのライバル出現か!?



「さあ、知らないけど、そういうのは本人に聞く方がいいんじゃない?」



彼女達には悪いけど、思ったより冷たい言い方になってしまったのは仕方のないことだと思うんだ


























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紫苑☆

Author:紫苑☆
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