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. 僕は何度でも君に恋をする 30
~Cside~
まるでスローモーションのように落ちてくる唇は甘く優しく、僕の心まで溶かしてしまうようで…
体の奥がジンと熱くなるのはあなたのせい……?
何度も繰り返される口付けにとても立っていられない
ああ、どうしようもなく体が熱い……!!///
「チャンミン、渡したいものがあるんだ」
「……え?」
「きて、歩ける?」
「は、はい…あの、ユノさん?///」
フラフラとする僕を抱えるようにしてベッドルームへと向かうユノさん
キ、キスぐらいでこんなになっちゃうなんて…/////
僕をベッドへと座らせると、ユノさんはチェストの引き出しから一つの箱を取り出して僕の前に跪いた
………これって?
「チャンミン、先を越されちゃったけどもう一度聞いて?」
「…え…あの…」
「君が好きだ、昔の君も、今の君も、俺の全てをかけて愛してる」
「…ユノさ……///」
「チャンミン、もう一度俺の恋人になってください」
そう言って僕の手を握って箱を握らせる
この手はいつだって僕を優しく包んでくれる
「開けてみて?」
ゆっくりと箱を開けると中には大切にしまわれたエンゲージリング
ユノさんはそれを手に取ると僕の左手の薬指に嵌めてくれた
どうしよう、ずっと見ていたいのに涙で滲んでよく見えないよ
「……ありがと…ございま…ふっ……う…く」
「返事を聞かせて?」
「ぼ、僕も……愛して…ます///」
「もう離さない」
そう言ってユノさんは僕の掌へとキスを落とす
見つめ合う二人の影は重なり合い、隙間を埋めるようにベッドの海へと沈み込んだんだ
. 僕は何度でも君に恋をする 29
~Yside~
「僕をあなたのものにしてくれませんか?」
チャンミンの言葉が一瞬では理解できなかった、それってどういうこと…?
真っ直ぐに俺を見つめる瞳は濡れたように艶やかに熱を帯びて、チャンミンの決意をあらわしているようだった
「……チャンミン?」
「僕…ユノさんが好きです、僕が記憶は無くしてからもずっと…その、僕のこと愛してくれて…あなたの気持ちに応えたいって………」
「チ、チャンミン!!」
「ユノさんは…僕が….欲しくないですか?」
顔を真っ赤にして目をぎゅっと閉じる君が愛しくてたまらない
ああ、まさかそんな言葉が君から聞けるなんて…!!
腕の中に閉じ込めて力いっぱい抱き締める
おずおずと背中に手をまわす君、これは夢じゃないんだ……!!
「今日ね、君にもう一度告白しようと思ってた」
「……ユノさん?」
「なのに、まさか君から告白してくれるなんて、思いもよらなかった」
「……あの///」
「ふふ、先を越されちゃったね、ずっと君を愛してる………君が欲しい」
「……ユノさん、僕も…んっ…/////」
俯いたままの顎を掬って、桜色の唇に貪るようにキスをしたんだ
. 僕は何度でも君に恋をする 28
~Cside~
「今日病院行ってきたんだろ?変わりはなかった?」
「あ、大丈夫でした、どこも異常はないって」
「そう、よかった……なのに、なんでそんな食欲がないの?」
「…えっ!?/////」
言われてみれば殆どパスタも減っていなかった、そしてユノさんは心配そうに僕の顔を覗き込む
………そ、そんなに見つめないでほしい/////
慌ててパスタを口にいっぱい頬張る僕、緊張しちゃって味なんてわからないよ……///
ホントにこれ美味しいのかな、なんてぐるぐると考えてると、そんな僕をみてクスクスと笑うあなた
やばい、溶けちゃいそうだよ……///
「お、美味しいです、か?」
「ふふ、とっても美味いよ?おかしなチャンミン」
そう言って笑うあなたの笑顔が眩しくて、僕はモグモグしながら俯いてしまうんだ
先にシャワーを済ませた僕はキッチンでグラスの用意をしていた、バスルームからはユノさんの鼻歌が聞こえてくる
…緊張しちゃうな
胸に手を置いてぎゅっと目を閉じる
大丈夫、僕は上手く言えるはず……!!
「チャンミン」
ワインクーラーに氷を入れていると不意に伸びてきた腕に体を包み込まれた
背中に感じるのはあなたの温もりで、途端に僕の心臓はバクバクと音を立て始める
「………髪、乾かしてないんじゃ」
「ん、待ちきれなくて」
「か、風邪ひいちゃう」
「チャンミン話って?気になって仕方がないんだ」
耳元で聞こえるあなたの声が心地いい、そのまま振り返ると目に飛び込んでくるのは真っ直ぐに僕を見つめるアーモンドアイ
「チャンミン?」
「ユ、ユノさん、あの……僕を///」
「うん?」
「僕を………あなたのものにしてくれませんか?」
やっと言えた心からの言葉、僕は祈るように目をぎゅっと閉じたんだ
. 僕は何度でも君に恋をする 27
~Yside~
仕事帰りにワインとチーズを買って、インターホンを鳴らせば迎えてくれる君の笑顔が眩しくて
「ただいまチャンミン」
「おかえりなさい、あ…ワイン!!」
「ん、お土産、君の好きなチーズも買ってきたよ」
「わあ、美味しそう、ありがとうございます」
俺の手から嬉しそうにワインとチーズを受け取ると、君はクスクスとそれを見て笑う
「実は僕もワイン買ってきたんです、あとね、ユノさんの好きな苺のケーキ」
「ええ?気があうね、今日はどっちを飲もうかな?」
お互いがお互いの好きなものを買ってくるなんて………
心が通じ合ってる証拠かも、なんて、無意識に口元が緩んでしまうよ
「今日はワインに合うようにボンゴレにしたんです、チーズも切って出そうかな、あ!!クラッカーあったっけ?」
パタパタとキッチンへ行こうとする細い体を抱き寄せる
鼻腔いっぱいに広がる君の甘い香り……
「…ユ、ユノさん?///」
「今日ね、聞いてほしいことがある」
「………ユノさん、僕もあの….話があるんです」
「うん?じゃあ食事の後話そうか?」
「はい…/////」
ゆっくりと振り返る君、なにかを秘めた瞳はゆらゆらと揺らめいて
俺達は……吸い寄せられるように唇を重ねたんだ
. 僕は何度でも君に恋をする 26
~Cside~
「元気そうだね、顔色もいい、で、何か思い出した?」
ナム先生はコーヒーカップをテーブルに置くと、僕の向かい側にゆっくりと座った
人懐っこい笑顔に心が癒される、いつも相談にのってくれる優しい先生なんだ
「以前先生が言われてましたよね、思い出したくないことがあるから余計に思い出さないんだって」
「ああ、無意識に記憶に鍵をかけてしまうんだよ、事故に遭っての記憶障害というのは物理的なショックもあるけど、精神的なこともあると言われているからね」
「………そ、ですか」
「チョンさんとはどうなの?一緒に暮らしてるんだろう?」
「……あ、はい、それから精神的にも落ち着いて」
「 そっか、で、恋人には戻ったのかな?」
「ナ、ナム先生!!///」
「医者として聞いてるんだよ、それにしてもその動揺の仕方じゃまだ戻ってないんだ」
さ、さすが心療内科の先生、なんでもお見通しなのかな
僕は熱くなった顔をパタパタと手で扇ぐ
「チョンさんは我慢強いんだね、いやぁ、彼の君に対する愛情にはほんと頭がさがるよ」
………それは、僕もそう思う、ユノさんの愛は海のように深くて優しく僕を包んでくれるんだ
「先生?もし…記憶を取り戻したら、今の僕は消えてしまうんじゃないですか?」
「シムさん?」
僕はすうっと息を吸い込んで大きく深呼吸した、ずっと不安に思っていることを口にするのは少し勇気のいることだったから
「もし、記憶を取り戻すことができて、僕が昔の僕に戻ってしまったら、今の僕は何処へいくんだろうって、事故から数ヶ月、ユノさんと一緒に色々と乗り越えてここまできたから、忘れたくないんです!!」
僕の勢いに驚いた顔のナム先生、フム、と手を顎において僕の顔をじっと見た
「君はシム・チャンミン君だろう?」
「…はい、先生あの?」
「だったらチョンさんにとっては今の君も昔の君もないんじゃないかな?」
「でも!!」
「チョンさんは、記憶をなくした君を見てこう言ったんだよ『絶対にもう一度好きにさせる、すべてをかけてチャンミンを取り戻します!!』ってね」
「………///」
「だからね、安心してチョンさんの腕の中にいていいんだよ、彼がそれを望んでいるんだから」
そう言ってナム先生はにっこりと笑うと、僕の手をぎゅっと握ったんだ