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苺な彼とビールな僕

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. 出会った日から恋に堕ちてます 2













~Cside~















「いらっしゃい、お客さんですよね?」




「へっ?///」









背後から突然声をかけられて慌てて振り返る







そこに立っていたのは白のシャツに黒のカフェエプロンをしたバーテン風のイケメン?







眼鏡がないから顔はよくわかんないけど、かっこいいって雰囲気が身体中から漂ってる!!







「あ、えっと///」



「さあ、遠慮しないで入ってください、夜は天気が下り坂だそうでお客さんが少なくて」



「いや、僕は……」



「ビラを見てこられたんですよね、特別にサービスさせていただきますよ」






ぐいぐいと背中を押されて店内へと押し込まれる僕






いや、そりゃ飲むつもりだったけど……こんな強引にされたらちょっと引いてしまうに決まってる!!






それにてっきり居酒屋かなんかだと………






「さあどうぞ」




「あ、はい///」






店内に入るとさっさとカウンターへと案内されて、椅子まで引かれちゃって座らされてしまった!!






「ビール飲み放題でいいですか?」




「あ、はい///」




「軽く何か作りますね、お疲れのようですし」






コトリと前に置かれたグラスには並々と注がれたゴールデンな飲み物!!






恐る恐る手にして一口飲むと、クリーミーな泡と芳醇な香りが鼻腔をくすぐる






うわ、なんだこれ……美味い!!








「お気に召したようですね?」




「あ、はい///」




「飲み放題ですからどんどん注文してくださいね、ビールも何種類かありますので」








メニューを指差しながらにっこりと笑うイケメン、ぼんやりとしか見えないけどアーモンドの瞳が優しそうでドキドキしちゃうよ///







ビールを飲みながら周りを見渡すけど、ひょっとしてお客さんって僕1人?






うわ、まさかぼったくりとかじゃ………?







「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」




「えっ?///」




「さっき団体さんが帰られたんです」




「あ///」







心を見透かされてるようでなんだかバツが悪い、そりゃだってこんなふうに店に連れてこられたら誰だって………







「生ハムのサラダとかいかがですか?後でパスタもお出ししますよ」




「な、生ハム、美味しそう///」




「おや、とうとう雨が降り出しましたね」




「………え?」





「せっかくですからゆっくりしていってください、ね?」





「は、はあ///」







     

カウンターから外を眺めるバーテンさんの横顔があまりにも綺麗で、暫く見惚れてしまった僕だったんだ















































. 出会った日から恋に堕ちてます 1
















~Cside~












その日僕は散々だった………









仕事でやらかして上司にこっ酷く怒られ、昼にはメールでできたばかりの彼女に振られ







フラフラになってデスクに戻ると書類が山積みだったし、歩けば机の角で足をぶつけて





かけてる眼鏡のフレームは根元から見事にポッキリと折れてしまうし(泣)









いったいなんだっていうんだこの仕打ち!!


僕が何をしたっていうんだよ!!










それでもなんとか残業をして仕事を終わらせて、とぼとぼと歩く帰り道に投げつけられるように貰った一枚のビラ









『ストレス発散しませんか?こちらのチラシをご持参の方、ビール飲み放題大サービス』








なんだよこのタイムリーなキャッチコピーは!!


僕にヤケ酒を勧めにきてるのか!!









ようし、こうなったら今日は飲んでやる!!


フラれて落ち込んでヤケ酒とかベタ過ぎて辛いけど、こういう時は飲んで忘れるのが一番だ!!






僕はチラシを片手にキョロキョロと辺りを見回した



地図によるとこの辺りの路地を入って奥に行ったところか






会社の近くのわりにこの辺りは来たことがなかったな、こういうところに意外とレアな店があるのかもしれない








路地を抜けて開けたところにポツンと佇む一軒の店







見たところバーのような?こんなところに随分と洒落た店があったもんだ







ガラス張りの店内は照明を落とした雰囲気のある感じで、ああ、眼鏡が割れてなきゃもう少し中も見えたのに








「いらっしゃい、お客さんですよね?」




「へっ?///」







チラチラと店の中を覗く僕の背後に現れたのは、スラリと背の高いバーテン風のイケメンだったんだ































. 帰ってからのお楽しみ 後編












~Yside~









なんだ、そっか


そりゃそうだよなぁ……








先日日本でのスケジュールを終えて帰国したのは10日ほど前の事だった






日本に長くいると当然2人で過ごすことも多くて、チャンミナの手料理なんかも当たり前になってきて





今日は何を作ってくれるのか、なんて毎日の楽しみになってたっていうのに!!






帰国した途端パタリと連絡が途絶えて、いや、そりゃ俺も出かけてばかりだった気もするが……






と、とにかくまた2人で過ごせるのが嬉しくて仕方がなかった





空港で会った時はあんなに可愛く微笑んでいたくせに





チャンミナときたら本当に素直じゃない!!






ガシガシと髪を洗って少々膨れっ面でバスルームを後にすると、なにやらキッチンでゴソゴソと料理をする愛しい恋人の姿!!






「チャンミナ!!」




「ヒョン、髪まだ濡れてる」




「チャンミナ乾かして?」




「ダメ、今料理中」




「えっ?カルボナーラ!?」




「ふふ、それは流石に無理、サンドイッチですよ、ハムとチーズの簡単なやつ、これなら朝ご飯に食べれるでしょ?」






うわ、マジか………良妻過ぎる!!






フンフンと鼻歌なんて歌っちゃって、キッチンに立つ姿も絵になるっていうか







「可憐、だな」




「はっ?///」




「チャンミナ、今日は俺のベッドな」




「やだ、狭い……」




「チャンミナが居ないと寒くて眠れない」




「そんなの知るか!!ちょっ、包丁持ってるのに!!///」





「チャンミナ~」







今がチャンスと背中から抱きしめて首筋に顔を埋める





触れるたびに赤く染まる肌が堪んないな








「……ヒョン、当たってる///」




「ん、早くシャワー浴びてこいよ」








やっと素直になった可愛い恋人をぎゅっと抱き締めて、甘い匂いを胸いっぱいに吸い込んだんだ





























. 帰ってからのお楽しみ 前編











久々のリアルホミン、サラッと読んでね☆



~Cside~









「あー疲れたっ!!」



「ヒョン、またそんなとこで転がってたら寝ちゃいますよ、ほら、早くシャワー浴びてください」



「ええ~今帰ってきたとこじゃん、ちょっとぐらい余韻に浸らせてよ」





ソファの上で長い手腕を伸ばしてうーんと背伸びをするユノヒョン




全く、何が余韻だよ……


ついこの前までここで過ごしてたっていうのに





きっと、またそこでうたた寝コースだ(笑)





ゴロゴロとするヒョンを尻目にさっさと荷物を部屋へと片付けると、冷蔵庫の中身を確認する





うん、頼んでおいたものは大体買っておいてくれてる




僕らは不用意に外に出かけるわけには行かないからこういうのは本当に助かる





夕方に母国を発って日本の宿舎に戻ったのはかなり夜も更けてからのことで





打ち合わせも兼ねて事務所に寄ったりと、いつもながらの過密スケジュール






時計の針は遠に日付を超えている






ヒョンと二人暮らしのこの部屋は数年前とは違うけど、置いていた食器とかインテリアとからちゃんと保存されていたから






マネージャーにはひたすら感謝しなきゃ、だよね







「チャンミナ~喉乾いた」




「はいはい、もう遅いから水しか取りませんよ?」




「ええ?チャンミナ冷たい!!」




「はいはい、冷たいチャンミナの冷たい水です」





「ちぇっ」





ぶうぶうと文句を言いながらもミネラルウォーターを受け取るユノヒョン





こういう表情を見られるのも2人きりだからこそ、かな







「なあ、チャンミナ、明日カルボナーラ作ってよ」



「はっ?///」



「あのチーズがいっぱい乗ったやつ、あれ食べたい」



「物理的に無理ですね、時間がなさすぎる」




「ええ~!?絶対作ってもらおうと思ってたのに!!」







頭を抱えて大袈裟に項垂れるユノヒョンをマジマジと見る






何言ってんだか


この先のスケジュールなんてわかってる筈なのに







「だってチャンミナ作ってくんないじゃん、あっちに帰ったらさ」




「そ、それはユノヒョンが出かけてるから///」




「日本に来ないと作ってくんないし」




「じ、じゃあ今度向こうでも作りますよ」




「ええ!?ほんと!?約束だぞ!!約束!!」








ソファから飛び降りてグイグイ迫ってくるヒョンを慌てて押し返す





ふふ、子供みたいにアーモンドの瞳をキラキラさせちゃって(笑)







「チャンミナ~」



「はいはい、立ったついでにシャワー行く!!」



「じゃあ一緒に浴びよ!!」



「なっ!!狭いから嫌です!!触るなって、早く行けーー!!///」





「あーはーはーは!!」








そう言って豪快に笑ったユノヒョンは、ポイポイと服を脱ぎ捨てると、颯爽とバスルームへ消えていったんだ



















































. 夢の中の君へ after after













~Cside~












「………ちょ!!ユノヒョン!!///」





「まだ時間あるだろ?」




「なっ!!起こしてくれたんじゃなかったの?///」




「しっ、もう黙って?」








そう言って不機嫌そうに僕を見下ろすユノヒョン







こんな寝起きでシャワーも浴びてないのにさっさと服を剥ぎ取られて全く頭がついていかない







…………でも、なんか怒ってる、よね?







いや、怒っているというよりは拗ねているかも







だってアーモンドの瞳はちょっぴり潤んでいるし、唇だってとんがってるし……








「チャンミナ余裕だな」




「………あっ///」








ぼんやりとユノヒョンの髪を撫でていると、不意にソコを触られて体が跳ねる






そんな僕の反応に意地悪そうに笑ったヒョンを思い切り睨み返してやる







………仕方がないじゃん、朝なんだもの///








そんな僕の抵抗も虚しく、ヒョンの与えてくれる快楽にあっという間に呑まれてしまう僕






ちょっと汗ばんだ額とか



苦しげに眉を寄せる表情とか



……昔とは違う、大人になったユノヒョン









「チャンミナ、ちゃんと見て?」




「………え?」




「ね、俺だけを見て」







………なんで今更そんな事言うんだろう、僕の気持ちなんて嫌ってほどわかってるはずなのに








「ずっと昔から見てますよ」




「え?」




「……ユノヒョンのことだけ、ずっと」




「……チャンミナ」









繋がったままふわりと浮かべた恋人の笑顔に、ああ、やっぱりい今のユノヒョンが一番いい、なんて思ってしまう僕









でも、また、夢の中でも会えるかな、とか考えてしまうのは仕方のないことだよね








あの頃のユノヒョンに………

































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紫苑☆

Author:紫苑☆
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